獣人
プロット読み直して、色々矛盾があり、まるまる書き直していたら、この時間になってしまいました。
本日夜にもう一話投稿します。
イレーネと夕食を取った翌日、俺は朝食を宿の1階で取り、引き篭もった。
朝起きて食事が終わるまで、スマホを窓際でフル充電した。
テーブルにスマホを出し、今までに撮った魔方陣の写真をアイコンで並べて見た。
こつこつとエリーとノーマに頼んで魔法を使ってもらい、撮った魔方陣は50を超えている。
しかし一昨日の戦いで使えた魔方陣は、ファイヤー・キャノンとウィンド・シールドのみだ。
戦いでアイコンを状況に応じてすぐに出せないのだ。
俺は写真をスマホのコピペと圧縮機能を使って、サイズを小さくした魔方陣の写真を3セット作った。
新しいフォルダーをいくつも作り、写真を整理しながら、移動させて行く。
フォルダーに番号を①から⑩まで振って、スマホのショートカット画面に並べた。
他にファイヤー・キャノンとウィンド・シールド、グレート・ヒールのアイコンもショートカット画面に並べた。
「ヒデキ様何をなさっておいでですか?」
エリーが隣に椅子を持ってきて、並んで座った。
「ああ、明後日の調査へ行くための準備だよ。魔方陣をなるべく早く呼び出すための工夫さ」
「すごい魔道具をお持ちなのですね」
「魔道具とか・・・まあこちらで言えば魔道具かな」
発達した科学は魔法と同義である。
こんな言葉があった。
「エリーはその姿のままでも、魔法は問題なく使えるよな?」
「はい、ブレス以外は大丈夫です。問題ありません」
「今回はシルバーファングとチームを組から、俺達は後衛だ。前衛の動きを見ながら、援護のための魔法がメインとなる。出来るな?」
「はい、攻撃魔法と防御魔法を使い分ければよいのですね?」
「そうだ、指示はリーダーから出ると思うが、指示だけ待っていては追いつかない場合がある、自分の判断で魔法を使え」
「いつもと同じと言うことですね?」
「そうだな」
エリーなら心配なさそうだ。
昼飯時になったので、外食することにした。
宿屋の食堂でも良かったのだが、エリーが外に出たがったのだ。
ローブを羽織り、宿屋の外へ出た。
昨日と同じ、活気のある大通りだ。
露店商が行きかう人に大きな声をかける。
おいしそうな臭いが鼻をつき、食欲がかきたてられる。
今日は伯爵邸へ向かい、最初の角を左に曲がって見た。
広い道幅、真直ぐに続く道、両側には露店商。
行きかう人々。
先ほどと変わらない景色だが、1つ違うところがあった。
露店商の商人たちが、みんな獣人だったのだ。
いかにもファンタジーな世界にやって来たのだ、どこかにいるはずだと思いながらも、会うことがなかった獣人。
1つ通りが違えば、獣人だらけだったのだ。
猫耳、犬耳、兎耳、狐耳・・・その他エトセトラ・・・
露店で串焼きを売っていた猫耳の若い女子に、串焼きを買って情報を聞き出す。
エリーが少しむっとしていたが、話すなら若くて可愛い女の子を選ぶのは、男の性だ、大目に見て欲しい。
「この街では、獣人と人とのトラブルを避けるために、生活する場所を通りで分けているニャ」
おお!!「ニャ」いただきました!
「買い物するのはいいのかい?」
「お客の行き来は自由ニャ。あくまでも生活する場所を分けているニャ。でもわざわざ獣人のところへくる人族も、逆に人族のところへ行く獣人もいないニャ。そんな事をしなくても暮らしていけるニャ」
納得である。
通りで獣人を見かけないはずだ。
俺達は猫耳娘の勧めてくれた、食堂に入ることにした。
食堂は道を渡ってすぐにあった。
扉を開けて中に入る。
「いらっしゃいませ~」
景気の良い声が聞こえて来た。
店構えは、昨日イレーネと食事した店と同じだ。
しかし、さすが昼時だ。
テーブルは満席だった。
「お客様は2名様ですか?」
「そうです」
「ただ今、テーブル席は満席ですので、カウンター席でもよろしいでしょうか?」
「ええ、構いませんよ」
「それでは、カウンター右に空いている席にどうぞ」
猫耳の店員さん(女の子)に席を案内された。
飲食店の対応は日本の飲食店の対応と全く同じだった。
商売というものは、何処に行っても共通なのだと、しみじみ思った。
カウンターの右側は、4つ席が空いていた。
エリーが右端に、その隣に俺が座る。
先ほどの店員がメニューを持ってきたが、俺達は読めないので、店員に店のお勧めを聞いた。
「本日は川カマスの塩焼きに、フォレストゴートの乳で煮た川海老のシチュー、ライ麦パンはおかわり自由の定食がお勧めですよ」
実に分かり易い!
俺もエリーもそれにした。
食堂は混雑特有の、ざわざわとした話し声に満ち溢れていた。
時折上がる大きな笑い声、ちょっとした言い合い、噂話、それらが混ざり合い、雑然と食堂の喧騒となっている。
暫くすると、新しい客が一人入って来て、俺の横に座った。
体格の良い、狐耳の男だった。
獣人の年齢はよくわからないが、中年の雰囲気を醸し出していた。
男は俺達をじろりと見ると
「ほう、人族か、珍しいな!」
ぼそっと、つぶやいた。
狐男は遠慮なしに俺とエリーをじろじろと見た。
「何か?」
俺がすこしむっとして尋ねると、狐耳は表情を崩さずに言った。
「ああ、気に障ったか?すまん、人族がこの店に来るなんて、年に何回もないから、ついな、すまん、すまん」
「なにかお気に召さないのかと思いましたよ」
「生まれつき無愛想でな、別に機嫌が悪いわけではない、許せ」
「なるほど、理解しました」
「にしても、珍しい、わざわざコチラに?訳アリかい?」
狐耳がエリーをちらっと見た。
「いえいえ、この街に来たのが始めてなので、物見遊山です」
「ほう、格好から察するに、冒険者で魔術師の夫婦と言ったところか?」
「はい!!」
エリーがご機嫌で答えた。
「可愛い奥さんだな、ガウラン辺境伯に目をつけられないように気をつけな」
「もう目をつけられたので、妻であることを、力説しておきました」
「はははは・・・さすがは辺境伯だ!相変わらず好色だな」
「これだけの街を辺境に築く才能がありながら、女に見境がないとは、驚きです」
「獣人の妾もいる辺境伯様だ、奥方が目をつけられないはずがない・・おっと、挨拶が遅れたな。俺の名はセルゲイ、この町で冒険者をやっている。一応S級で戦士だ」
狐耳なのにごつい体に豪快な性格。
しかもS級冒険者か!
「俺はヒデキ、こちらは妻のエリー、二人とも上級冒険者で魔術師です」
俺はセルゲイと握手を交わす。
「エリーです」
エリーは軽く会釈した。
ちなみに冒険者のランクは、デトレフさんの推薦で上級に上がっていた。
「上級魔術師夫婦か、どうだ?俺のパーティに入らないか?ここじゃあ。結構有名なSランクパーティなんだぜ」
「ありがたいお誘いですが、暫くはシルバーファングと言うチームに入ることになっていまして・・・」
「シルバーファングだぁ?あいつらもう唾つけたのかよ?まいったな、どうだい?今からでも俺達に鞍替えしないか?」
「申し訳ありませんが、信頼関係もありますし・・・」
「そうか、残念だが仕方ないな」
「なんだいなんだい?何、口説いてるんだい?セルゲイ!しつこい男は嫌われるよ!」
カウンターから虎の獣人のオカミさんが、俺とエリーに料理をおきながら、口を挟んできた。
虎の威をかる狐ではなく、虎が狐に口を出す。
「違げーよ!!勧誘だよ、勧誘!!」
「何言ってるのさ!!奥さんも困ってるじゃないか、ほらお二人さん、こんな狐の言うことなんかに耳を貸す必要ないからね!食べな!食べな!」
オカミさんが料理を並べて、食べるように促す。
「セルゲイさん、先に頂きますね。チームに誘ってくれて、ありがとうございます」
「ちぇッ、残念だぜ、まあ気が変わったら、ここに来てくれ、昼飯はいつもここで食っているからよ」
セルゲイにも料理が出されて、セルゲイも食べ始めて、話は終わった。
獣人の気質なのか、狐耳でも、あっさりした性格で、気持ち良い奴だ。
構成を変えたので、プロットもかなり書き換えていかねばなりません。
かなりきつですが、基本、毎日投稿します。
時々遅れるのはご容赦を願います。




