泣かない
「明暗〜二つの道〜(泣かない)」の登場人物
カンナ
主人公
「…順番的に次あたしだな?あたしの昔話はくだらないぞ
あたしはな、弱虫が大嫌いだったんだ。それは他人でも自分でもな。
きっかけは小学校4年生だ 家族は精神的にみんな気持ちがバラバラになって 母親がな、毎晩泣いてんだよ 元旦那のせいで!
あたしにとっては父親か?父親らしいことも旦那らしいことも何1つとしてしなかったくせに迷惑だけはかけやがる。あいつのせいで一時期家族がバラバラになったんだ!あたし以外みんな泣いてたんだ!そん時に思っちまったんだよ。あんな奴のためにみんなが泣いてるのが腹が立って…そう言っちまったんだ「くだらない」って「みんながなんで泣いてるのか分からない」ってな。分かってたんだ。みんなが泣いてる理由…自分も悲しくて泣きたかったから、でも誰か1人でも笑っていた方がみんな笑顔になるかな?みんな泣かないかな?そう思ったんだ…浅はかだった結果は散々」
「みんなから言われた言葉は、「心がないんだな!」「人の気持ちが分からない役だ」って、それだけだった。笑顔ではなく怒らせてしまった。ただみんなに笑ってほしかっただけなのに…」
「泣きそうになった、その度に笑った。笑顔を作った。そしたらな、自然と泣ける映画も悲しくても笑うようになった。「姉には本当に心のないやつだ」って言われたけど。今のあたしには心なんていらない。痛いだけだからって自分の心を隠したんだよ。そのせいで分かりたくても、自分の心うちが見えなくなっちまったけどな!」
「心が…心が冷たくなるんだよ。痛みが麻痺してるから…冷たくなると自分の事も他人の事もどうでも良くなってくるんだよ
怒られても泣かせても感情として心に来るんじゃなくて脳が感情の処理をするんだ。そうなるとな、人の気持ちが本当に分からくなる 自分がされた時どう思う?なんて聞かれても分からないんだ。冷たい人になったと心底思うよ」
「冷たい人にならないと自分の心守れなかったんだ
胸が痛くて後悔して悩んだ。何度も何度も、その度にささやくんだ…あたし自身がほんとにこれでよかったのかって、冷たいヤツだなってみんなと一緒に泣けばよかったのにって そうささやくんだ
みんなと一緒に泣いていたら悲しんでいたら、感情を失わずに済んだのか?そう思うんだ。過去は変わらないのにな」
カンナは苦しそうに胸を抑え、痛みをかき消すように掻きむしったり殴ったりしていた。痛みは痛みで相殺する…ずっとそう生きてきたように感じた。見ている私も胸がチクチク痛くて悲しい気持ちになり、泣きそうになった。
「これがあたしの昔話だ。感情を無くして冷たくなった時だ。これであたしの話は終わりだな次のやつ言っていいぞ!」少しの沈黙の後に吹っ切れた様な笑顔でカンナは言い切った。




