91話:神と勇者
暑くて頭がフニャフニャしてる状態で書いてるので誤字あったらすみません。
「ハハハ・・・もうちょっと健闘出来ると思っていたのですがね・・・」
「てか魔王!あんたこれとタイマン張って互角ってどんだけ強いんだよ!!余は弱いほうだぞ?とか言ってたのは嫌味だったのか?」
「嘘ではないし嫌味でもない。現にリンという化け物もおるし」
「神と比べんな!!」
「そういえばですけどリンさんって本当に神・・・なんですか?」
「うん。え?まさか分かってもらえてない?」
「まあ・・・小学生にしか見えねえし仕方ないな」
「蒼矢酷い!泣くよ?僕泣いちゃうよ?良いの?」
「その言動で神の威厳木端微塵になっておる事に気づいてはおらんのだな」
「ぐぬぬ・・・バハムートもそうやって」
すると皆が笑い出す。
「なんか・・・イメージの神様と全然違う」
「普通に同級生でいてくれたら楽しいと思いますよね」
「蒼矢がこんなに強くて優しいままなのは神様のお陰だったりして?」
「うーん・・・どうだろうね」
「ソウヤは旅を始める前から優しかったと姫から聞いておるから変わっていないだけではないか?」
その会話に俺は口を噤む。
違う。俺が優しくいられたのはあの子の・・・あの子の言葉があったから・・・
「どうした?いきなり黙りおって」
「ん?なんでもないよ」
上手く笑えているだろうか。俺がより力を求め、より弱者に優しくなろうと決める言葉をくれたあの子に見せられる笑顔を出来ているだろうか。
なんか言われそうだな。沢山辛い思いも経験もしたあの子に。
”もう気にしないで。お兄ちゃん”
あの時はまだライラに恋心も抱かず、ヴィーラにも信頼を置けていなかった時期だったから俺の心の拠り所だった。だから俺は初めて知った。
大切な物を失う辛さ、悲しさ、寂寥、それからぶつけどころのない怒りって物を。
それからだろう。悪事を働く人間にも、誰かを守るために悪となった人がいると考え始めたのは。俺にとっての平和はそんな人が生まれない世界。善良な人が悪に手を染めなくても良い世界。俺は頑張れただろうか。俺は・・・・・・・
「ソウヤ」
「あ、悪いディール。なんか言ってた?」
「・・・強いて言えば言うべきことが出来た。久々に我が城に来い。あの腹心達も久々に会いたいと申しておるのでな」
「お!そりゃ良いな。行きたいけど今の俺には世界を渡る力なんて無いぜ?」
「そんなのあそこのちびっこ神にでもおねだりすれば良いであろう?」
「だ~れ~か~な~?ちびっこ神とか言う悪い子は」
「ふむ?そんな奴がいたのか?」
「年齢3桁のおっさんがはて?みたいな感じで首傾げるのやめない?」
思わず笑ってしまう。こんなバカみたいな雰囲気がやっぱり好きだ。そろそろ現実に戻らなきゃいけない。誰かの為に戦ってきたこの生活ともやっとおさらばだ。これからは自分の為に、自分の青春を謳歌する為に生きるって決めたんだ。
そろそろ夏休みも明けて学校が始まる。そう!こっから始まるんだ。一から始める学生生活ってのをな!
「蒼矢」
「ん?なんだい?姉さん」
「無理はしなくて良いからね?」
「無理?無理って何が?」
「蒼矢はさ、勇者だった過去と決別する為に戦ったんでしょ?でもさ?無理して区切り付けなくても良いんだよ?」
「え?どういうこと?」
「初めて蒼矢のやってた事を知った時は、知らず知らずのうちに私達も危ない目に遭いかけてたんだって正直怒りも覚えたの。何も言わずにやってたし」
「だからこれからは大人しくするって」
「でもね?誰かの為に危険を冒せるって事は凄い事だって思ったし、バドミントンだって褒められた事ばかりじゃないけど、偉そうにしてる先輩に臆さず立ち向かってボコボコにしてたでしょ?あの時さ・・・カッコいいなって本当に思ったんだ。私はそんなカッコいい姿を見ていたいの。だから世界を救おう、世界を平和にしようは卒業しても良いけど、誰かを助けるその背中を・・・これからも見せてくれませんか?」
「・・・・・・・絶対迷惑かけるぜ?」
「良いよ。私達は家族でしょ?それに・・・私は貴方の姉なんだから弟が頑張ってかける迷惑くらいどうって事はないわ」
「母さんもそれで良いのか?」
「そうね・・・本当理解の追いつかない事ばかりだけど、息子が頑張る事なら出来るだけ応援してあげたいしね」
「そっか・・・・・・」
かつては俺の男の部分を否定され家族なんてどうでも良くなっていたであろう時期もあった。力を手に入れ、家族の協力無しで色々が出来てしまうから家族なんていなくてもなんて無意識に思っていた。
でも今は心の底から思う。
「俺・・・良い家族に囲まれてたんだな・・・」
ヤバい、涙が出てきそうだ。相楽もいるのに泣く訳にはいかない。
思えばこんなに嬉しくて泣いたのは帰ってきてから初めてだった。
あれから30分程話し、
「あ、ディール。彼女達が呼んでるよ?」
「む、そうか。それじゃまた主の暇な時にこちらの世界に来るがよい」
「ああ。喧嘩するなら付き合うぜ」
「フフフ、危険因子達への薬としてやるのもまた一興か。それではな」
「ああ、またな。ディール」
光に包まれて消える。
「我も帰るとするか。ソウ、其方に感謝を。鳥肌が立つ戦いを見られて良かった。」
「ああ。元気でなムー」
「其方も健創でな」
龍王バハムートも消える。
「さて、それじゃこの場所も不必要になったから皆が帰ったら消すとするかな」
「そうか。リンありがとな」
「このくらいなんて事ないさ」
「あ、そういえば。1年達は知らないかもだけど夏休み明けは必ず剣道やるからね?」
「・・・・・・・・剣道?マジ?」
「マジ」
「え?皆で剣道?狭くね?」
「気にするのはそこなのね・・・しかも1年は中3との合同になります」
「えぇ・・・ダル」
「一応私達はある程度までは出来るけど・・・」
「剣術だしな」
「あ!そうだ!なあリン」
「ん?」
「この空間さ、俺と家族と友達だけの空間としてくれないか?」
「ちょ!そんなの無理に決まっ」
「良いよ」
「良いの?そんな簡単に言ってますけど!」
「うん。だって空間維持の魔法さえ覚えちゃえば蒼矢なら死ぬまで維持可能だし」
「・・・これがチートだよ。天ちゃん」
「・・・やはりあの時告白したのは間違いでは無かったのかもしれない」
「そんじゃその魔法とやらを教えてくれ」
~18分後~
「よし出来た」
「はやっ!」
「まあ簡単だよね」
「空間維持ってそんなに簡単なの!?」
「私の息子が本当に異次元すぎる・・・」
「お母さん。小説のタイトルみたいに言うのやめよ?まあ事実だけど」
「あ、ちなみにだけどここに家とか建ててもう住めるようにしたいとかあればこーんな感じってイメージすれば出来るからやってみてね」
「おうよ。次来た時にでもやってみるぜ」
「うん。それじゃみんな帰すね?ベッドの上に戻すからそのまま寝ちゃってね」
体が光に包まれる。
「ありがとな」
そう言い切るか言い切らないかくらいで俺の意識は途切れた。
誤字報告していただいた方、ありがとうございました。




