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49話:戦の意味、正義の在処

総数50話達成!

あれから時が経ち旅行2日前。これと言った接触が無かったのだがここに来て奴らが動き出したようだ。


具体的には


「桐生蒼矢だな。暴行、傷害の容疑がかけられている。ご同行願おう」


「暴行ですか・・・一体いつの事です?」


「とぼけるな。ここでは話せん。署に着いたら話すとしよう」


「ま、待ってください!息子が蒼矢が暴力だなんて」


「あ、母さん。殴ったのは本当。でも、先に手出してきたのはあいつらだ。だから大丈夫だよ」


「ほう、随分潔い事だな。罪人に敬意など払う価値も無いが、その素直そうな姿勢には敬意を表そう。ではこっちへ来てもらおうか」


「ああ、構わないっすよ。でも一つだけ。()()()()()()()()()()?」


「失望?しているのはこっちだ」


本当に、本当に正義なんてあったもんじゃないな。恐らくは権力という物を使って警察組織を動かしたんだろうな。本当にアホなのか?天道とか言うハゲは。ハゲてんのかは知らねえけど。俺が国盗りでもしようと思ったらその日のうちなんだが。折角こっちで生きていくつもりだったのにな・・・なんかこの世界とおさらばしたい。何が治安維持の組織だよ。しっかり仕事しないからこんなしょうもない犯罪が横行する国になるんだろ。


そういえばある海賊漫画で「この島でも沈めていこうか!!」とか言ってた奴いるけど同じ事やってやろうかな。国中の火山を大噴火させればこんな島国終わるだろ。


『てなわけで、みんな準備宜しくね』


『まあ、マスターを本気で疑ってる能無し集団のようだから殺意には同意だけど・・・さ?』


『まあ、鏖殺も一興ではありましょうが些か華に欠けるかと』


『私はマスターが決めた事に従います。この度マスターは何も咎められる事などございません』


『まあ、権力至上主義の馬鹿共にはそうやって恐怖植え付けんのが一番なんだが・・・』


『ま、冗談だ。今のところはな』


『まあ私どもは土御門の所有物に爆破かなにか出来る術式を仕組んでおきますのでマスターが有罪になった瞬間に発動させます』


『おけ。頼んだ』


さて、人生初のパトカーだが案外良い車使ってた。ちなみにパトカー内ではほぼ無言。聞かないなら聞かないで良いけど、やってない事自供しろって言われるならその体煩悩の数に切り分けてお前の家族の食卓に並べてやろうかな。っといけない。それはグロテスクすぎる。


さて、着いて即行で取調室。座ったのは40台後半のおっさんか。


「それでは、君に聞こう。何があった?そして何をした?」


「そうっすね・・・まず敵さんはざっと20人以上でしたかね。俺の友達殺そうとしてたんで、殺さない程度に数名を倒したんですが」


「なるほど・・・それじゃ聞こう。君は何をした事は認める?」


「恋人が死にそうなのにのうのうと彼氏面する大森豪を殴り飛ばして、外野がごちゃごちゃうるさいので頬をかすめるようにカッターナイフを投げました。他は私は手を出していません」


「ふむ。聞いている話とは違うか・・・ちなみに証明できるものは?」


「殴ったのは大森豪を調べてもらうしか。カッターナイフはそこに刺さった跡がある筈です」


「ちなみにだが、血を流していた人もいたそうだ。その人は君ではないのかね?」


「俺が到着した時にはすでにやられてましたが?」


「なるほど・・・分かった。少なくとも君は真実しか話してないね。隠している事はあるようだが」


「今ので分かったんですか?」


「ああ。君に被害届を出した奴らはまずやられたしか言わなかったんだよ。それから20人以上。これも彼らからは聞けなかった。そしてそれを裏付ける証拠がある。君には見せよう」


そうしてあるファイルを取り出す。


「彼らはね、同じ人数で相対したと言っていた。だが、鑑識の結果は明らかに30人近い靴の跡が発見されている。この被害届の大元を考えればこの多い分は全て彼らの物だろう。よって彼らは嘘を付いた事になる。それに落ちていた刃物。これの指紋は血を流していた男の物と一致した。これで分かるだろう?彼らの証言は信用に値しないんだ」


「なら俺もういらないっすよね?」


「彼らの信用が地に落ちただけで君にはまだ聞くことがある。それに、権力ってものが関係していてね。警察は正義の組織である前に国の組織、権力には勝てないのさ」


「一方的に攻める訳じゃないんすね。ちゃんと公平にって言うんならこっちも手段選ぶ余地がありますね」


「はは、君は自分を強いと思っているんだな。でもね?それは驕りだ。世界には腕っぷしではどうしようもない敵がいる。権力者の全てが善人なら、為政者が全員清廉潔白ならそんな面倒な事にはならない。君を起訴はさせない。私が努力する。だからこれだけはお願いをしたい。どうか、この世に絶望はしないでくれ」


・・・何言ってんだこいつ。自分は善人だとでも?それこそ自分は強いとでも?なら何故お前は俺の前に座ってる?何故俺はここに座っている?際限のない強欲とか底の無い嫉妬ほど恐ろしいものはない。人間を変えちまう。


「くっくっく、アッハハハハハ」


「ど、どうした?」


「良い年こいたおっさんが言う事がそんな戯言なのかよwアーハッハッハッハ笑える」


「な、何がおかしい」


「全てが善人なら?全員が清廉潔白なら?そんな世界つまらねえだろうがよ!ゴミがのさばるクソみたいな世界だから努力して這い上がる価値があるんだろ?絶望?最初から期待なんて捨ててるわ!こういう人をあっさり踏みにじるクソ共がいるからそいつらを踏み潰してやろうって思うんじゃねえか!警察は正義?そりゃ正義だろうよ。誰にだって正義はあるだろうからなぁ!お前らが本来忘れちゃならねえのは正義じゃねえ。仁義だ。今回あっさり屈服したあんたらに貫きとおす仁義があるのか!?笑わせてんじゃねぇよ」


「き、貴様!我々を愚弄するか!!」


「愚弄???あーそう聞こえたんならすみません。でも怒るって事は思い当たる節があるんすね?いやー、こんな若輩の仮説当たってて良かったですよ」


「こ、このぉクソガキィ」


「先輩、変わります」


「しっかりしつけておけ!」


怒り心頭のままで出ていく。


「さて、私は佐川です。しかし、さっきのは良かったですね。本当はダメなんでしょうけどスッキリしちゃいました。胸がすいたって言うのかな。よくあるんですよ。絶対事実とは異なるのに捜査打ち切りとか。その癖警官が被害に遭うと警察の威信にかけてとか。市民も威信にかけて守らないの?とかはよく思うんですよね」


「で?俺は拘置所ですか?」


「少なくとも家には帰れないでしょう。でも、あなたは罪に問われない。そんな気がします。とりあえずは彼らの証言に穴がある事が確認できたので今日は終わりです。お疲れ様でした」


「はい、叫んでしまってすみませんでした」


「あのくらい元気が良いと熱血な人には好かれるかもですね」














寝ていると叩き起こされた。


「出ろ。君の潔白は証明された」


「人殴り飛ばしてカッター投げてる時点で潔白じゃないでしょうけど、まあ正当防衛にはなりましたかね」


「感謝しろよ?あるお方のお陰だ」


「あるお方?」


外へ出てみると


「凸守・・・倭だったか?」


「桐生蒼矢。私の車で送ろう。乗ってくれ」


「・・・敵の車に乗れと?」


「此度の天道のやり方は頭に来てな。君の協力が必要なんだ」


「ま、拒否権なんてあって無さそうなんで乗りますがね」


そして乗って発進してそうそう、謝罪をされた。


「まずは日本の能力者達が迷惑をかけてしまいすまなかった。統括をしている私から謝罪をする」


「あんたは仲間じゃないのか?」


「私は土御門と土師、両勢力が一般人に手を出さないように監視する言わばお目付け役だ。今回迎えに来たのは土師の当主、土師 耀厳から頼まれたからだ。説明しよう。まず我々、土師と俺は対土御門の包囲網を作った。その一員として君が必要だ」


「あんたは最強だと聞いている。俺はいなくても良いんじゃないか?」


「土御門には人血を用いて怪物を喚び出す秘術がある」


あれ?どっかで聞いたような・・・


「それを行おうとしている情報を得てな。確実だと判明したのだ。ホームレスや虐待されている子供を触媒にしているようなのでな。止めに行くのだよ」


「今23:10ですけど?」


「当たり前だ。人命には変えられない。その呼び出される怪物によっては私達ではどうする事も出来ない可能性がある。その為だよ。今回は意義のある戦いだ。友を守るためにあの大立ち回りが出来る君なら皆の為にも戦えると信じている。」


「そういう話なら良いって事にしときますかね」


高速道路を一台の車が駆けていく

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