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23話:それぞれの思惑

おはようございます。起きてリビングで母に隈がすごいと言われめっちゃ心配されたお騒がせ男、桐生蒼矢です。結局最初は寝ようと考えていたんだが寝れたのは最初の1,2時間でそれ以降は妙に色っぽい寝息のせいで寝れませんでした。実年齢40超えてはいても言動とか容姿は完全同い年くらいか少し下だから思春期の男子にはキツかった。え?寝れただけ凄い?そんな称賛をもっと飛ばしてくれても良いんだぜ?


さて、今日は登校なわけだが、当分の間は詩歌と俺は仲良く登校する事となった。詩歌の妖狐の魔力は正直な所、そこそこ感知に長けてる人なら分かっちゃうんじゃないかってくらいに漏れ出ている。それを感知できないようにするのが俺の役目だ。後は、道案内とか校舎案内を早い時間に済ませるって目的もある。てなわけでいつもより40分早く出るのだ。ちなみに名字は人化の時に使う物があるらしいので桜木 詩歌という名で編入する。


それとハダルには今日ある仕事を与えている。普段から喫茶店のココアが飲みたいと言ってたので陰陽師、土御門の事を調べてもらう代わりにココアとなにか計2杯分のお金を渡した。すっごくご満悦そうだったからこの作戦は成功だと思う。


そんなこんなで今駅まで詩歌と歩いているわけだが、何故か腕にしがみついている。


「詩歌?どうした?」


「うん?何が?」


「なんで俺の腕にしがみついてんのかなって」


「前に人里に降りた時に仲のいい男女がこう歩いていたのでやるべきなのかなと」


「それは多分リア充だからだろうな」


「リア充・・・あー!恋人の事ね。見せつけちゃう?」


「やめとけ。出勤してるおじさん達の嫉妬の視線が怖いから」


「はーい」


すると離してくれる。そんな時だった。横に深いフードを被った誰かが颯爽と現れたのは。


「桐生蒼矢だな?」


「そうだが?」


「話がある。付いてこい」


「あの?ハダルさん?ですよね」


「え?詩歌ちゃんにバレちゃったの?」


「声変えてねえんだから気付くだろうよ」


「あちゃ~。もっと精進しないとですね」


白々しい奴め。隠すつもりなんざ無かったくせに。どうせカッコイイ登場がしたかったとかそんなレベルだろ。


「まあ良いや。今は話すのをやめてくれ。学校の最寄り駅で先に待っててくれ。そこからなら話しても大丈夫だ」


「了解です。ご主人様」


そうして消える。こいつ以上にスパイに適した奴っていないんじゃないか?


案の定電車の中ではかつて東雲といた時に感じた羨望と嫉妬の視線を感じた。その視線に耐え、揺られていると学校の最寄につく。先に待っていたハダルと合流しその報告を聞く。


「実は、その土御門とやらの詰所を発見しまして」


「はやっ!頼んで30分経ってなかったよね!?」


「いや、その男達が我ら土御門云々とかいう集会を行ってまして、その内容を聞き盗んでいたのです。すると、その一節で彼らが我々が探している土御門と判断するに足り得る会話が」


「どんな内容なんだ」


「行方をくらましているいる妖狐を早急に見つけ出す事こそが我らのなんとかって言っていて、その時に”天道様”と聞こえたので今日はその人物を調べる予定です」


「仕事早くてマジ助かる。とりあえず情報掴んでも放課後以降の報告で頼む」


「御意。それでは任務に戻ります」


瞬時に消える。この実力なら腑抜けてる今の俺より強いんじゃねえのか?なんで俺なんかの使い魔やってるんだろう。


「蒼矢も大概だけど、ハダルさんってどう考えても人間じゃないよね・・・」


「ハハハハ、親密度が上がったら話してあげるよ・・・」


「親密度?なにそれ」


この子、ギャルゲーやった事も見た事もないんだな。


「どのくらい仲良いかって事だよ」


「これ以上を求められるの?それってもう恋人じゃ・・・」


「まあそのくらいって事だな」


恋人でも喋れない。それこそ奥さんでもなきゃ


「まあ、今は凄腕集団とだけ思っといてくれ」


「凄腕というか超人というか・・・」


そんな話をしてると学校に着く。一通りの案内を終えてHRまで20分となった。流石に人も増えてきたし、詩歌は燐子ちゃんの所へ行かなきゃならない。俺達は職員室前で別れた。


クラスに行くと伊藤がいきなり


「蒼矢!ちょっと話が」


「どした?」


「私は見たの!すっっごい美人と歩いてたよね?彼女は何者なの?」


「あー。歩いていた事は肯定するけど、何者かは言わない。どうせ分かるから」


「え?どういう事?」


「そうだな・・・後15分くらいで分かるんじゃねえか?」


「しーりーたーいー」


「面倒くせえ」


「ちょっ、そのマジな反応は傷つくよ?蒼矢」


「お、何だ?蒼矢が女ひっかけたって話してんのか?」


「おい颯斗!人聞き悪い事言ってんじゃねえ!」


朝から疲れる程に賑やかにしていると


「金曜なのにこんなにテンション高いのはお初だな。席に着け。始めるぞ」


そしてその時はやってくる


「今日は転校生がいる。3人もだ。入ってきてくれ」


え?3人?どういう事だ?こんな時期にそんなにいるもんか?


と色々考えてはいたが見てすぐに分かった。


「皆さん、初めまして。桜井詩歌と申します。よろしくお願いいたします」


「皆様、初めまして。相楽 真綾と申します。宜しくお願い致します」


「お初にお目にかかります。自分は堂本 (そら)と申す。よろしくお願い申し上げる」


なんか一人時代錯誤な喋りがいたような・・・てか、この二人入ってくるときにこっちを確認したよな。クラスの人数比を考えると、これは本来有り得ない。詩歌は俺の方から今年は俺がサポートをすると言ったから実現した。こいつら・・・要注意だな。何かの目的を持っていると考えるべきだ。今も相楽とかいう女子が見てきた。負ける事は無いから殺気を放っても良いがそれは愚策だろう。


ベラに調べてもらうか・・・いや、これは俺に対しての視線だ。俺が調べるべきだ。俺は女性運が悪いつまり、こいつらも俺を利用しようとする奴ら。そう思い込めば無駄な信用はしない。当面の方針は決まったな。


そしてこの時の蒼矢は嫌でも関わりを持たなければならない事など知る筈も無かったのである。

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