22話:やっぱり俺の女性運はとことん悪いようだ
寒いですね。キーボード打つのも一苦労。
詩歌を無事家に連れて帰って、レポートも終わり夜ネトゲに浸っていた。
メンバーはユーザーネームだがshou、risa、milと俺の4人。
shouは男で、他は女性だ。
ちなみに全員が全員上手い。月1で開催される領地戦というイベント。たった4人で毎回20人弱を相手にし返り討ちにしている。お陰様で俺達は全国でも上から数えた方が早いチームなのだ。
この中でmilだけは成人なようで今は酔いながらネトゲをやっているらしく
「あっついわ。ちょっと脱ぐから待ってて。あ、そこの男子たちには嬉しいご褒美かな~?」
とか
「ったくよ~ウチの大学の教授マジでセクハラ野郎なんだけど!さっさと消えねえかな」
と、暴言を吐きまくってセクハラをしてくるとんでもないやつになっている。
普段は参謀的立場にいるから頭回っててくれないと困るんだが・・・
「とりあえず今日はレア素材取りに行くんだからしっかりしてよ?」
「risaは真面目だねぇ~。任せとき」
「全然任せらんねえ・・・」
「なんかいった~?」
「な、ナンデモナイデスヨ~」
「触らぬ神になんとやらとはまさしくこの事だなshou」
「本当にな。あお」
俺は【あお】ってユーザーでログインしてるからあおと呼ばれるのだ。
そうこうしてラスボスまで来たところで誰かが部屋に入ってきた。この気配は・・・詩歌?なんで俺の部屋なんかに・・・
「あお?大丈夫?聞いてる?」
「ん?あ、悪い。ぼーっとしてた」
「しっかりしてよね。それじゃいつもの陣形で行くよ!」
「うす」
「了解」
「んー」
目的の素材は確率ドロップなので周回前提。集めきるのに1時間半かかった。
「よし。目標達成。そんじゃ、装備新調したら解散で」
「うすお疲れ」
「お疲れ。また明日ね」
「おつ~。あーねむ」
ログアウトしてシャットダウンをする。
「詩歌?どうした?」
「蒼矢って呼んでも良いですか?」
「お、おう。なら敬語もいらないぜ」
「分かったわ。蒼矢。改めてありがとう。私を助けてくれて」
「どういたしまして。それで?わざわざそれだけの為に来たんじゃねえだろ」
「ええ。私が狙われた理由に心当たりがあるのよ。妖狐っていう種族はその特性上魔力の含有率が高いらしいと聞いた事があるの。だからそれを狙ってるんじゃないのかなって思ったんだけど」
「魔力か。それが正しいとするなら相手は能力者という事になるな。面倒そうだがやるしかないな」
「あの、蒼矢はそういう家の人だったの?魔力って聞いてすんなりとこうも話が進むとなるとそうとしか考えられなくて」
「そうじゃないが、そういうのを扱う事が出来るんだ。でも、なんでって所は話せない。そこはすまない」
「分かったわ。でも、話せる、話したいと思ったら教えて。私も能力者の括りにはなるから私は力になれると思うわ」
「そうだな。俺の心が決まったら話すよ」
「うん、待ってるね。それと、あのー・・・今日一緒に寝ても良い?」
「一緒に寝るね、ん?・・・マジですかい」
「うん。両親の消息が分からなくなってからずっと一人だった。同族に会えたわけでもないからずっと心細かったの。今日と明日だけで良いから。ね?」
「君は思春期という物を理解していてそんなことを言ってるのかな?」
「それは分かってるわよ。でもさ、寝てる時は人化解けちゃうからお姉さんやお母様に頼むわけにもいかないしあなたしかいないの」
突如として高難易度ミッション、「理性を保ち続けろ!」が発令されてんだが!?確かに恋愛感情は暫く抱いていないが男子高校生としての色んな機能は持ち合わせてるのでこりゃ寝れんな。
「良いよ。とりあえず下でやる事あるからそれ済ませて寝よっか」
「うん!」
部屋から出てリビングに向かう。詩歌可愛すぎか?つい最近香坂もしおらしくなった時は少し可愛いと思ったけども現実の女性が怖い事を良く知ってる俺はそこで好きとは思わなかった。詩歌も本当に母親の言う事を全面的に信じて俺の所へ来たのかも分からない。まだ、全幅の信頼を置くのは早いのだ。
リビングにいた母親は俺を見るとすぐさま質問をしてきた。
「蒼矢。一つ聞かせてね。あの子は何者なの?あなたから行く場所の無い友達っては聞いたから信じるよ。でもさ、あれだけ女の子に興味を示さなかった蒼矢がここまで肩入れするってどうしたの?」
「何者か・・・あの子は、詩歌は俺達と変わらないよ。それに、迷惑はかけない。約束する。金銭面もどうにかするし」
「それを聞いてるんじゃ・・・ってどうにかって?」
「伝家の宝刀宝くじさ!」
「本当に大丈夫かしら・・・」
「実はすでに買ってあってだな」
「どこかで育て方を間違えたのかもしれないわね・・・住む場所の無い友達の女の子を居候させるのは親御さんもいない状況だし構わないけど方法が・・・ね」
週明けの月曜にこの宝くじが億の金に変わる時、母親は態度を一変させるのだが・・・
風呂に入りながら今日の出来事を思い返す。
カラオケへ行って女の子を助けるために走り回って戸籍作ったり編入するための色々もやった。本当、ここまで大変な一日は久しぶりだな。異世界にいる時はこんなのザラだったっけ。でも、分かったこともある。
こっちでも誰かの為に動いた時の達成感は良いものだ。それに詩歌は良い子だ。俺が元勇者だって話もいつかは出来るかもしれない数少ない存在。これから先色んな事に巻き込まれるし、巻き込まれにいくとは思うけど、退屈はしなさそうだ。
何かと煩く付きまとってくる東雲、俺とは相容れない元気さを持つ伊藤、先輩である俺を労わる事をしてくれない後輩香坂、弟を便利道具としか見ていない姉、そしてこれから先、色んな出来事に出くわすであろう詩歌。最後に関しては俺が望んで受け入れたのだが、やはりこう考えると俺には女性運が無いと思う。いや、勿論本当に悪いというのは色んな女性から拒絶される事だろう。それを考えたらマシだけどそれでも俺に平穏な時間をくれない。正直疲れる。みんながみんな俺を過労死させようとするんだもんな。今日だって寝なきゃいけないのに寝れないかもしれない。
でも、今のこんな状況を楽しんでる俺がいるのも事実だ。存外今の振り回される状況も悪くないのかもしれない。明日から土御門の事も調べないといけないしさて、とりあえず風呂から上がったら寝よっかな。
風呂上がりのリビングにて・・・
「あ、蒼矢。アイス食べたくない?」
「え?いらないけど」
「食 べ た く な い ?」
「ヒィッ、た、たべ、タベタイデス」
「よし、そんじゃ買いにいこっか♪」
「え?今から?・・・嘘だろ・・・」
前言撤回。やっぱり俺の女性運はゴミクズだったわ。




