101話:教師は困らせてナンボ
眠すぎるので短いですが更新。明日も更新したいと思ってます。
それから3日・・・木曜日まで特にこれと言った事は無く、石橋についての情報集めとか普通に授業受けたりとかで一日が終わっていた。
ところが、今日は木曜日。剣道の日なのである。前回呼吸困難が出たとは言えど、中止するほどの事態では無いと言う事で続行が決まったらしい。ま、ここで真面目に受けに行く生徒は全員真面目バカか考え無しの脳死くん。そうじゃない人は危機管理能力が高いと言えるだろう。ちなみに俺は前者だ。なぜなら操躯の術が本当に使われてるなら俺がいなきゃどうにも出来ないし。ま、今日はある意味で特別な日になるだろう。
「前回の授業ではあんな事もあったけど、より一層の注意は払っていくから今日からまた一生懸命やってくれな?そんじゃ準備体操から」
内心でどの口がほざいてんだと毒づいておく。でも我慢だ。まだ喧嘩を売るべき時ではない。
「よし終わったな。それじゃ竹刀を持って2人組で跳躍素振りだ。受ける側は竹刀の位置を変えないように。それじゃ始め!」
今日のペアは詩歌。男男、女女で分けるんじゃなくて男女混合というのは俺からすればアリだが、これは抗議が入るんじゃないかな・・・ほら、そこかしこで女子が悲鳴上げてるし。でも相手が詩歌なら少しくらい本気で打ち込むか。
1,2と数えていけなどと言われたが無視だ無視。こんなの自分が満足するくらいまでやって初めて意味がある。50なら50きっかりなんてのじゃ効率的じゃない。
てなわけで周りを軽く凌駕するスピードで打ち込んでいく。詩歌ちゃん可哀想なんて声も聞こえてくるが、詩歌はそんなやわじゃない。それこそそっちのほうが侮辱だ。
「そこまで。みんな桐生くんと桜木さんに見とれてて進んでなかったよ?全く、いずれは男子はあのくらいになってほしいんだからね?女子もカッコいいでしょ?ああいう女の子は。それと、可哀想とか言ってた人はもう言っちゃだめだからね?本気で剣道を学ぼうと思ってる女の子に言う言葉じゃない。今声をあげた子は覚えたから。良いね?」
良いこと言うなと感心してしまった。あれ?この姿と操躯の術かける姿とどっちが本当の彼なんだ?
その後、一通り素振りを終えた。ちなみにだが、今日からは香坂もいるので相楽、堂本、香坂の剣を見る。2人に関しては流石。一人前にはもう出来るようだ。香坂は剣に振られてる感があるのでこりゃ鍛えがいがある。勿論、本人が望めばだが。
俺は小手に関しては習ったこともないのでここだけ少し苦戦した。異世界流実践的剣技だと小手を狙うなら手首を切り落とす勢いだったから軽く当てるだけに苦労した。
そして授業終わり、俺はこの時を待っていた。何かを仕掛けるならここだろうから。俺は片時も目を離さないでいる。
ふと目が合った。その瞬間、なんだか激しい衝撃波のようなものを身に受けた感覚に襲われた。
(なるほど・・・これが操躯の術か。理屈は分かったから剣気でやり返してみるか)
確かに筋肉が過度の緊張状態になるわけだと納得してしまう。ならば同じ感覚に陥ってもらおう。
「!!!!」
一瞬で顔が強張るのが分かった。必死に耐えているんだろう。魔王とやりあえる人間の剣気を受けて腰を抜かさない、青ざめもしないというだけで強さは測れてしまう。最初に思った通り強いわ。
「い、今のは・・・操躯の術か・・・?」
小さく漏らしたその声を俺は聞き逃さなかった。確定だ。あの呼吸困難はこの人が原因。だからこそ分からない。もしも伊藤家を襲った事に関係があるのだとしたら何故あの男子生徒をターゲットにしたのか。関係ないとしても何故なのか。そこについての答えが不明だ。
昼時、俺と詩歌は弁当を食べていた。勿論誰も来ない屋上で。
「それで?どうだったの?」
「ビンゴだった。あいつで間違いないよ」
「そっか、ていうかさ?蒼矢あれで本気じゃないんだよね?結構腕に来たんだけど」
「あれ一応さ・・・向こうの騎士様が受けるのに丁度いい強さなんだよ。だからあれに耐えられるのは凄いんだぜ?強くやりすぎて竹刀がもつか心配だった」
「竹刀の心配か・・・信頼されているのやらなんなのやら、複雑だわ」
「信頼おいてるから安心しろ」
そういって笑い合う。すると屋上の扉が開く。
「全く・・・立入禁止なのになんで侵入してんだ?教師には見せられない事でも始める気だったのか?」
「そうじゃないっすね。伊藤の話してたんすよ」
「なるほどな。そりゃ聞かれちゃ困るわ。で?何か分かったのか?」
「ちょっくら調べて一個見つけたんすよね。あそこの地下には何かが眠ってるらしいんです。それ狙ってたのかもなんて考えたりもしてますよ」
「ふむ・・・まあ良い。バレないうちに立ち去れよ」
「へい。あ、そうだ先生」
「ん?」
「イシカワ・タイキ。この名前に聞き覚えあります?」
「イシカワ・・・タイキ・・?いや、知らないな」
「そうですか。何か分かったら教えてくれません?」
「ああ。それじゃあな」
妙に焦りながら立ち去る先生に違和感を覚える。
「ありゃ何か知ってるな」
「そうだね。問い質す?」
「いや、それはやめておけ。余計に警戒させるだけだ」
「わぁ!ビックリっした」
「よおグロニス。なんか分かったか?」
「タイキ・イシカワの事だ。これでラムール・ジュバに入った理由が分かるかもしれない」
「どういう事だ?」
そう聞くと真面目な目をして
「イシカワはどうやらマスターの姉と同じクラスだった奴で、当時はイジメられたらしいんだ。そのせいかは知らないが中学卒業前にテロリストの一因になったらしいぜ」
グロニスはそう言った。




