高速巡洋艦レーヴァテインの秘密(参)
前回はすみません。同じ話を載せてしまって!
お詫びに読者サービスなんて、というつもりはありません。作者の趣味です。ああ、こういうのいいなあ。
「質量ですって?」
第5魔法艦隊提督の副官、実際は参謀といってもよいミート・スザクは、部下に当たるナセル・エンデンバーグの意見に思わず問い返した。部下といっても旗艦である高速巡洋艦レーヴァテインの攻撃担当であるという職務上の理由からで、第5魔法艦隊に所属する前は、同じ学校の同級生という関係だ。
公女の率いる艦隊は軍隊ではないため、明確な階級はない。軍人から引き抜いて編成している艦隊の場合は、その階級が生かされる場合もあるが、ほとんど提督であるフィンの学友である第5魔法艦隊の場合、上下関係はないといっていい。
ちょうど、学校の生徒会のような関係だ。フィンが生徒会長なら、ミートちゃんが副会長。ナセルは書記といったところか。その点で行くと主人公の平八はなぞの転校生ということになる。
まあ、高校生で語るには当の本人たちは、大学生といっても良いくらいの年齢ではあるが。
(ちなみに階級は正式にはないが、制服は軍のものを代用しているために、階級章は制服についている。ミートちゃんは少佐。ナセルは中尉だ。ちなみに平八は大佐でフィンちゃんは少将のものだ。)
ミートちゃんがナセルに問い返したのは、改めて設計図やマニュアルを徹底的に見たナセルが設計よりも実際にレーヴァテインの質量が大きいことを突き止めたことにたいしてだ。艦の中央部分は複雑な設計で分かりづらいらしく、実際にその場所には簡単に行けないようになっていた。
魔法で動く魔法国家メイフィアの空中艦は、艦を浮上させる浮遊石とそれを増幅する装置及び前や横、後ろに進む推進力を生じる無数のプロペラが動力であった。通常、それは艦の内部深くに作られ、乗組員は見ることができない。レーヴァテインの場合、その中枢部とは別に封印された壁によって、隔てられた空間があり、そこは設計図上、空洞となっていた。
「最初は衝撃を和らげるマジックジェル(緩衝材)をオプションで入れる場所か、輸送艦としての機能を持っているのか?と思っていたが、どうもそうじゃないらしい…」
「じゃあ、何があると言うの?」
「もしかしたら、平八の予想は当たっているのかもしれない」
「レーヴァテインにデストリガーがあるって話?でも、おかしくない?もし、それが備わっているなら、マニュアルに書いてあるはずよ。それに発射装置が艦橋に、あなたの席にあるはずだわ!そんな謎のボタンやレバーがあったの?」
「ないよ」
「はあ~よかった。いくら、あなたが間抜けでも謎のレバーが実はあったんですってなんてオチはゴメンだわ」
「俺のところにはないけど、艦長や提督の席にはあるかもしれないだろう?」
「わたしが見た限り、そんなのないわ」
「だが、二人の席を見るとそれが隠されているスペース、空間はあるぜ」
確かにそうだ。二人の席に備え付けられているのは、魔力供給装置と艦内、艦外のモニター、艦隊の位置と敵艦隊の位置を示す3次元ディスプレイのみだ。
「で、あなたはどうするの?」
ミートちゃんは、ナセルが大きな工具とマジックキャンセラーと呼ばれる魔法力解除するマジックアイテムを持っているのを見ておおよその予想がついたが、一応聞いてみた。
「決まっているさ!レーヴァテインの内部に侵入して確かめるのさ」
「ダメだわ。許可できません。何だか胸騒ぎがするし、人が入っていけないエリアに入るなんて危険極まりないわ。もし、魔力が蓄えられているエネルギーポッドにでも転落したら、死んでしまうこともあります」
「いや、それでも確かめる必要があるだろう。この船に秘密があるなら、それを解明することはお互いの親友の幸せに直結するだろうさ」
(はあ~)
そう言われて、ミート・スザクは親友であるフィンの顔を思い出した。確かに、この艦隊戦に負ければ、親友の恋は実らない。自分の親友は信じられないことに、異世界から来た青年にぞっこんなのだ。しかも、その冴えない男もフィンのことが好きみたいで、軽く押してやれば、すぐくっついてしまう状況なのだ。
だが、その親友はこの世界を守る鍵を握っているために、その職務を優先させて惚れた男と愛し合うこともできないのだ。何とも歯がゆいのであるが、フィンの考えも理解できた。だから、親友が幸せになれるように少しでも努力したいのだ。
(親友の幸せはこのパンティオン・ジャッジに勝ち、世界を最終的に救うことだ)
どうやら、この男も同じように考えていて、異世界からきた青年に幸せになってもらいたいという男の友情?なるものを出していて、何だか微笑ましくなってしまう。
(いやいや、この男の軽さはわたしの好みではないわ!絶対違う!)
心の中でムクムク湧いてくるある種の感情を振り払うように、頭を2、3度振ったミートちゃんは、
「分かりました。調査を許可します。但し、わたしも行きますから!あなたみたいな、いい加減な男に全てを任せるわけには行かないわ!」
「え?一緒に行ってくれるの!やった!ラッキー。実は一人だとちょっと心細かったんだよね~」
「ば、馬鹿ね!あくまでも、あなたが頼りないから一緒に行くのよ!誤解しないで」
ラッキーと言われて、ちょっとミートちゃんはドキっとした。でも、(誤解しないで)と言われてちょっと、シュンとしたナセルが可愛く思えてしまう。
「と、とにかく、ここから入るのね。わたしが先に行きますから」
「いや、それはちょっとヤバいんじゃ…」
「何がヤバイんです?わたしの方が魔力が上で、魔法探知の力が優れているわ。もし、トラップがあっても分かりますから!」
「いや、そういう意味では…」
「どういう意味よ!」
「いや、なんでもないです」
ナセルは黙った。
(一応、止めたから、これ以上は自己責任だよな!ラッキー)
心の中でガッツポーズをするナセル。
なぜって?これから侵入するエリアは、細いパイプ状のダクトを通って行くのだ。ちょうど、人が四つんばで歩いていくスペース。
(だから、俺は止めたんだけど…いやはや、これは目の保養を通り越して…天国じゃあ~)
ナセルは両手足を動かして進みながら、前方に展開するパラダイスに釘づけになる。もう、お分かりだろう。スカート姿のミートちゃんが前方をハイハイしているのだ。パンツが見える見える…しかも…
(食い込んだ○○○がたまんね~んですけど!いや、むっちり、太もも、ごちそうさま!)
「しかし、たまんねえな、このケツ」
思わず心で思ったことを口に出してしまい、ナセルは慌てて口を抑えた。
「はあ?なにか言った?」
ふと止まって、ミートちゃんが振り返った。まだ、気づいていないようだ。いや、気づいてもこの状況を解消するのは、無理だけど…。
「いや、なんでもないです。水玉なんて別に、あいや、暑いから汗が水玉みたいだなあなんてね。ははは…」
ナセルは背中に冷たいものが走った。水玉なんてどうして言ってしまったのだ?そりゃ、目の前に広がるふくよかな水玉ワールドに洗脳されてしまったとしてもだ。
「馬鹿ね。いくら暑くてもそんな水玉みたいな汗が出るわけ…あっ、まさか!?」
ミートちゃんは進むのを止めた。ナセルの顔面に水玉ワールドが押し付けられる。
(ふんわか~やわらかーい…!)
「いや、バカ、この変態」
慌ててスカートを抑えようとするが、ここは狭い排気ダクトの中。ミートちゃんが暴れるとナセルと自然と絡まってしまい、何故かナセルはミートちゃんのもっともふくよかな胸に顔を埋めるという超ラッキー状態に!
(あああ~俺にもラッキースケベの神が降りてきた~幸せ~)
かああああああっ…とミートちゃんは羞恥心で顔が赤くなるが、この状態はいくらナセルがスケベだからといっても不可抗力の方が大きいと頭では理解していた。だが、それでも恥ずかしすぎる!
「と、とにかく、少しずつ足と手を動かして、この状態をなんとか解消するの!分かっている?ナセル」
「わ、分かっているさって、はあ~いい匂い!」
「バカ、匂いを嗅いじゃダメ!い、息が当たる、息を吹きかけないで!」
「いや、俺は呼吸しているからで…」
「だあめええ…くわえちゃだめえええ…」
「口を開けたら、お前のち、ちく○…が…モゴモゴ…」
「ば、バカ、息するな!手、手も動かすな!わたしのお尻触ってる!」
しばらく、ラッキースケベモード発動中のナセルくんは置いておいて、首都クロービスの郊外、空中戦艦の設計の権威であるハメル卿の屋敷に出向いた平八たちはどうなっているでしょうか?
ラッキースケベが発動中のナセルくん・・・。うらやましい。
代われ、そのシュチュエーション!
って、この二人、主人公たちそっちのけで、フラグ立ってません?
付き合ったりして・・・。




