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アドミラル~魔法艦隊の艦長に転職したら、彼女(提督)ができました~  作者: 九重七六八
第1章 パンティオン・ジャッジ ~魔法王国メイフィア編
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22/122

決戦!第4魔法艦隊~エアズロック空戦(八)

すみません。前回投稿から旅行に出ていたため、投稿できず・・・。

今晩から復活です。(予約投稿しとけや!)というツッコミはなしです。

 魔法の光の矢がすさまじい勢いで連射され、戦列艦フォルテシモの魔法シールドにぶち当たる。大半を防いだものの、やはり距離が短いため威力は通常の5倍増しであり、そのシールドをくぐり抜けて、船体に2発。艦橋に1発は命中する。艦橋の一発は、絶対魔法防御でかき消されたものの、リリムを震撼させるのに十分であった。


「艦長!このまま、押しても勝てるとは思いますが、敵も死に物狂いで攻撃してきます。まぐれ当たりでこちらが負ける場合も考えられるわ!」

「どうしましょう?何か、策があるのですか?」


「アレを使います!この距離で使えば、絶対よけられないですわ!」


 アレ…とは、レジェンド級のドラゴンと戦うために戦列艦クラスに装備された武器である。通称「デス・トリガー」と言うが、呼称は魔法艦隊ごとに違う。この第4魔法艦隊では、「ファイナルアリア」と呼んでいる。全魔力を一時的に集中させ、直径20mの長距離魔法弾を放つ。


この距離なら、レーヴァテインは回避することは不可能であり、一瞬で戦いは終結する。

「待ってください!リリム提督。このままでも勝てます。敵の動きが不自然です。いくら至近距離でないとこの艦にダメージを与えられないとはいえ、こんな捨て身の攻撃は裏に何かあるとしか思えません」


そうベテラン軍人のタウンゼット大佐は言ったが、レーヴァテインの主砲が魔法防御を突破し、またもや艦首右に被弾し、艦橋で艦を動かす士官たちは、激しく揺れて体のバランスを崩す状態を見て、まぐれ当たりでこの艦が破壊される可能性もあるとは思っていた。だから、強硬に反対し、このアイドル提督の判断を覆すまでのエネルギーは持っていなかった。


「このままでは、相討ちになってしまいます。敵の狙いは案外、そこかもしれないわ。このリリム・アスターシャと相討てば、明日から有名人ですから!艦長、ファイナルアリアの準備を命令しなさい」

「分かりました。ファイナルアリア、発射準備」


 そう艦長の命令がなされたので、タウンゼット大佐は引き下がるしかなかった。デス・トリガーを発動する際にはすべての魔力が費やされるため、一時的に攻撃力が0になる。そこを攻撃されるとまずいので、魔法障壁をあらかじめ張っておき、さらに遅滞魔法を発動して2重、3重に障壁を発動させる。3重もあれば、巡洋艦の主砲の直撃は1、2回は防げるはずだ。すぐさま、その準備に取り掛かる。


 第4魔法艦隊旗艦フォルテシモがデストリガーを放つために変形を始めた。艦の底が大きく開き、巨大な砲身が出てくる。


「魔力エネルギー、フル…。魔力を雷撃に変換。最大の雷撃をお見舞いできます」

「これで、最後よ!ここで沈みなさい!第五魔法艦隊!お兄ちゃん!ファイナルアリア、撃て!」


 一瞬、凄まじい光が放たれ、遅れてピシュ…ドドドオオオオオオッツ!とつんざくような音が続く。直径20mもの雷撃弾が光の帯になって放たれる。


「敵艦、デストリガー発動!逃げ切れません!」


 ミートちゃんが悲鳴を上げる。分かっていても絶体絶命の状況ではパニックになる。


「パリムちゃん!防御魔法発動!フィン、全魔力を僕にください」

「はい」


 フィンはうなずいて目の前の光球を両手で覆う。光が赤からオレンジ、黄色へと変わる。


「今だ!カウンター魔法、リバース発動!」


 平八の命令と同時にパリムちゃんが、魔力を変換し、魔法に変えるレバーを思いっきり引いた。雷撃弾に艦が押し包まれようとした瞬間、七色のクリスタルがレーヴァテインを包み込んだ。そして、雷撃弾は当たった瞬間反発し、方向を変えたではないか。


そう。魔法攻撃をそっくり跳ね返す魔法。


「リバース」

の発動である。


 この魔法は使いどころの難しいもので、このパンティオン・ジャッジでもドラゴン退治の戦いでも過去に使われたことはなかった。まず、タイミングが難しい。警戒されては使えないので、その戦いで使えるのは一度きりである。


 だから、敵の最大の攻撃に使わないと効果が薄い。そして、発動中はすべての動きが停止する。はね返せるのは1艦の攻撃だけであるから、艦隊戦の乱戦で使えば、他艦からの攻撃に無防備になる。さらに魔力の供給が不十分なら、はね返すどころか、シールドにもならずに直撃される。

 

 だが、平八とフィンの魔力供給は、リバースの魔法を使えるものにした。そしてドンピシャのタイミングと敵艦の最大の攻撃デストリガーに対する発動だ。これほど、効果的な場面があろうか…。


 ラピスは、取材記者としてこのレーヴァテインに座乗した自分の感のよさとアドバイスをしてくれたハウザー教授に感謝した。あのエロおやじにパンツをくれてやったことは無駄ではなかった。


 最大攻撃のファイナルアリアを自ら浴びたフォルテシモは爆発炎上して地上へと落ちていく。艦橋の脱出カプセルが、絶対魔法防御の発動で守られフォルテシモから離脱していくのが見えた。リリム提督の命こそは助かったが、第4魔法艦隊の人的被害は絶大で、おそらく戦死者は80%以上であろう。

(パンティオン・ジャッジ始まって以来の大敗北だわ)

ラピスはすぐさま、会社宛に魔法メールを送信する。


第5魔法艦隊の奇跡の勝利

本日、午前九時より開始された第5魔法艦隊VS第4魔法艦隊の決戦。エアズロック空戦(仮名)は、午後3時過ぎに第5魔法艦隊の劇的勝利で終わった。

第4魔法艦隊の被害は、

撃沈 戦列艦2 巡洋艦4 駆逐艦3 

大破 戦列艦1 巡洋艦1 

小破 駆逐艦1 

なお、旗艦フォルテシモは撃沈、四散。

リリム提督以下の幕僚は脱出したものの、人的被害は甚大である。

速報 メイフィアタイムス ラピス・ラズリ


敵の最大攻撃をはね返すなんて、ちょっと卑怯?(チート)だけど、この攻撃は「まさか」のもので、警戒されると逆にピンチになります。平八くんは二度と使わないでしょうね・・・。(この先の戦いはどうするの?)

作者が知恵を絞ります・・・。主人公もヒロインも今流行りのチート力は基本持っていなく、戦力もなければ、金もない状況ですから・・・。

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