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アドミラル~魔法艦隊の艦長に転職したら、彼女(提督)ができました~  作者: 九重七六八
第1章 パンティオン・ジャッジ ~魔法王国メイフィア編
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決戦!第4魔法艦隊~エアズロック空戦(九)

いや、第4魔法艦隊との決戦編。結構長くなってしまいました。(戦い部分は三話分ぐらいしかないけれど・・・)

今回は後始末編・・・。注目されていなかった第5魔法艦隊が世間の注目になってしまいますが、評判は二分したようで・・・。

「よし!勝った」

(旦那、すげえ。作戦通り)


 トラ吉からそう言われて、平八はちょっとだけ得意になったが、フィンちゃんの顔がうれしそうでないので、顔を引き締めた。勝ったものの、相手の第4魔法艦隊の被害が絶大で、これほど相手を叩きのめした例がなかったからだ。


 だが、戦力差が相当あったので、第5魔法艦隊としても手加減をすることはできず、ここまでワンサイドの展開になったのはやむを得ないところではあった。


「第4魔法艦隊旗艦の脱出艇より入電。我、救出を乞う」


パリムちゃんが読み上げる。


「すぐ、収容してください」

そうフィンちゃんが命じた。


 第5魔法艦隊の勝利は、魔法王国メイフィア中を震撼させた。誰がどう考えてもありえない勝利であるからだ。メイフィアタイムスの第一報が告げられると、その詳細に全国民の関心が集まった。


エアズロック空戦の詳細


 浮遊石地帯「エアズロック」に立てこもった第5魔法艦隊に業を煮やした第4魔法艦隊は、分艦隊を編成。エアズロックに侵入させる。同時に上空に本隊を展開させ、追い出されてくる第5魔法艦隊を上空から撃滅する作戦に出る。


 しかし、第5魔法艦隊は少数であることを生かし、分艦隊を機雷源で身動きさせなくすると同時に上空から奇襲をかけた。混乱した分艦隊はエアズロック地帯のない下方に脱出を図るが、そこには火炎系の魔法機雷が敷設してあり、分艦隊は爆発炎上。


 その熱で急激な上昇気流が起こり、浮遊石が上空へ移動。第4魔法艦隊はその浮遊石の嵐に巻き込まれてその戦力を奪われた。


 メイフィアタイムス  ラピス・ラズリ


 世間の評価は2分した。まずは、第5魔法艦隊への批判。これはリリムのファンが中心になって巻き起こした。



堂々と戦いわないなんて汚い。

穴ぐらにこもるなんて卑怯だ。

こんな戦い方がドラゴンに通用するのか?

リリムちゃんが可愛そうだ。


異世界から来た男は礼儀がない。

貧乏貴族の娘らしいずるい作戦だな。

第5公女って、あの根暗の?

美人だけど、華がないというか。

美人でもやっていい事と悪いことがある。


リリムたんに勝つとは許せない!


リリムたんは、第5魔法艦隊に負けたわけではない。

そう、浮遊石に負けたのだ。リリムたんは悪くない。

自然の力に負けたんだ。リリムたんは被害者だ。


あれ?

そう言えば、負けた公女の運命は勝った方が握るんだよな?

第5魔法艦隊の提督パートナーは男だぞ!

リリムたんが、異世界の男に…。


殺す~異世界の男、殺す~。


 肯定派は次々に入ってくる第5魔法艦隊の戦いぶりの情報に感心し、これこそ、世界を救うのにふさわしいパンティオン・ジャッジならではの出来事だと賞賛した。浮遊石地帯を戦場に選び、艦艇の数と火力の不利を補ったこと。分艦隊の爆発で浮遊石を急上昇させて、第4魔法艦隊の本隊を攻撃したこと。


 高速艦の最大の威力、スピードを生かしたこと。戦列艦との一騎打ちに際して、もはや誰もが忘れていて化石と化した「リバース」の魔法を使ったこと。



「特に賞賛すべきことは、最初の攻撃に(エアカッター)の魔法を使用したこと。爆裂系や火炎系の魔法を選択した場合、その場で爆発炎上して上昇気流が起こり、浮遊石の衝突に巻き込まれてしまうところでした。状況に合わせて魔法を選ぶのは、ドラゴンとの戦いにおいて必要な能力です」


「なるほど。そんなところにまで気を配っているのですね。これは異世界から召喚したという第五魔法艦隊の旗艦艦長の作戦でしょうか。ハウザー教授」


「それは分かりませんが、彼の力が大きいと思われますね。今後の活躍が楽しみです」

「そうですね。今後もこの異世界から来た勇者、トーゴーヘイハチ艦長に注目です!これでニュースデリバリーの時間を終わります」


 そうメイフィアテレビの美人キャスターが特別報道番組を締めくくった。コメントをしたハウザー教授はそっと魔法印が刻まれた小さな紙を彼女に手渡す。


「どう?今晩、第5魔法艦隊に関する情報が欲しければ、私の宿泊するホテルに訪ねて来て欲しいのだが」

「情報って?」

「もちろん。次の第3魔法艦隊戦に彼らが取りうる作戦なんかの見解とか…。もちろん、情報量が多いので明日の朝までかかるかもしれないが」


「もう!教授ったら…いつも、激しいのだから。私は明日の朝の番組にも生出演するのだから、そんなに付き合えませんことよ」

「そうかな。君はタフだから、この業界でも生き残って今や看板キャスター。今後も一番になるためには、独自の情報網がいるのではないかな?」


「ふふふ…。相変わらず、女を口説くのがうまいわね。いいわ、お伺いするわ」

「了解!」


 そう言うとハウザー教授はヒューっと口笛を吹いた。今晩も楽しい夜が迎えられそうだ。


(平八くんは、想像以上の知恵者だ。彼を語る上で注目しなければいけないのは、その桁外れな魔力ではない。彼の持っている人間性とこの世界の住人では考えも及ばない発想力。それがこの世界を救うことにつながる)


ハウザー教授・・・大人です。セクシー部長顔負けのセクシー教授。

ある意味、偉大な人だ・・・。

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