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48歳元外科医、転生先でハズレスキル『術野の目』を武器に医術なき王国を立て直す  作者: ヲワ・おわり


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第五十一話 再び王都へ

「行方不明」という言葉を三回読んだ。


「ガブリエル・ヴェルディア様が、当神学院内での所在確認ができなくなりました。心当たりのある方は……」


俺は手紙を父のもとへ持って行った。


父の顔が変わった。


「乗り込む」と父が言った。


「父上」とヴィルが止めた。「大神殿に乗り込むのは」


「次男が消えたんだぞ」


「分かっています。でも今すぐ動けば、向こうに名分を与えます」


俺が「急ぎすぎると傷つきます」と言った。


父がこちらを見た。


「ガブリエルが無事でいる間に、外から圧力をかける方法を考えます。直接動いて拗れると、ガブリエルが立場を失う可能性があります」


父が「……分かった。お前に任せる」と言った。


翌日、全員で王都に向かった。父もヴィルも、今回は同行した。「領地が手薄になる」という懸念はあったが、次男が行方不明という状況で家族全員が動いた。


王都に着くと、すぐにエステルに接触した。


「大神殿内部の情報が欲しい。ガブリエルがどこにいるか」


エステルが眉を上げた。「大神殿内部は難しい。ただ外縁なら」と言った。「危険な依頼だが、やってみましょう。ただし時間がかかります」


「構いません。急いで不正確な情報より、確かな情報を」


エステルが「分かりました」と言って出た。


待機している間、宿の窓から貴族街を見た。


ドレイク家の旗を付けた馬車が通った。


(ドレイク家が王都にいる。しかも動きが活発だ)


前回の訪問から時間が経っていない。使者が来たばかりの家が、馬車を出しているのは何かを動かしている証拠だ。


父が「待つだけか」と言った。


「今は情報収集が先です。何があったかが分からないまま動いても、見えないものを手術するのと同じです」


「医師らしい言い方だな」と父が言った。


「そういう性質なので」


ヴィルが「父上、レオンに任せましょう。前回の王都でも上手くやっています」と言った。


「分かっている」と父が言った。「ただ、急いでくれ」


「できる限り」


エステルからの連絡を待った。父が宿の中を歩き回っていた。ヴィルが書類を読んでいるふりをしながら父を見守っていた。


(ガブリエルが無事でいる間に動かなければ)


翌朝、エステルが来た。「調べてきました」と言った。


「話してください」


「大神殿が禁書庫への侵入者として内部調査を始めています。ガブリエル様が対象です。現在の所在は不明ですが、神学院内のどこかに拘束されている可能性があります」


そして一拍置いた。「もう一つ。ドレイク家が大神殿の内部の一派に近い立場を取り始めています。ヴェルディア家への政治的圧力に、ドレイク家が関わっている可能性があります」


父の顔が険しくなった。


「王太子に相談できるか」という考えが頭に浮かんだ。


前回の王都で、エドワード王太子とは話した。「また相談したい時は」という関係ができていた。


(これは使うべき時かもしれない)


「エステル」と俺は言った。「王太子殿下のご側近に、非公式なルートで連絡を取れますか」


エステルが「一人、知り合いがいます」と言った。「やってみます」

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