表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48歳元外科医、転生先でハズレスキル『術野の目』を武器に医術なき王国を立て直す  作者: ヲワ・おわり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/70

第四十話 召喚状

全70話完結予定です。毎日5話ずつ、12時・15時・18時・21時・23時に投稿します。

ここまで読んで「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

書状を三度読んだ。


「王立鑑定院院長の名において、ヴェルディア家の三男レオン殿に王都への召喚を命ずる。スキル判定に関する追加調査のため、速やかにご出頭いただきたい」


父の顔が険しくなっていた。ヴィルが「罠ではないか」と言った。


「断れません」と俺は言った。


「なぜ」


「断れば、別の手段で来ます。騎士を寄越すか、領地への圧力を使うか。対応が遅ければ遅いほど、相手に準備の時間を与えます。行かない選択肢はない」


父が「危険があるなら私も同行する」と言った。


「父上の存在が領地を守ります。そこにいてください」と俺は言った。「私が王都へ行っている間、領地に父上がいることが最も安全です」


父がしばらく黙った。それから「……分かった」と言った。「ただし護衛をつける」


「クルトと騎士二名で十分です」


ヴィルが「それで足りるか」と聞いた。


「王都内での目立つ行動は最小限にします。護衛が多ければ多いほど目立つ。小規模な方が動きやすい」


翌日から出発の準備を始めた。


夕方、ミリアが来た。「一緒に行きます」と言った。


俺はしばらく考えた。


「今は来ないでください」


「なぜですか」


「王都で何かあった時に、こちら側の連絡役が必要です。ミリア、あなたがその役を頼みたい」


ミリアが少し止まった。


「連絡役」


「はい。私が王都で何かあった場合、情報を領地に届ける役です。ここを守る人間がいなければ、私も安心して動けません」


「……分かりました」とミリアが言った。「必ず連絡を」


「必ず」


ミリアが何かを言いかけて、止まった。それから「気をつけて」とだけ言った。


出発前夜、手帳を開いた。


「王都でやること」


①鑑定院の対応。何を聞かれるか、何を見せるか。

②交渉の余地があれば、スキルの位置付けを明確にする。

③王都で直すべき問題を観察する。行動はしない。


三行書いて、三行目を見た。「行動はしない」と書いた文字を見た。


(……難しいかもしれない)


消さなかった。手帳を閉じた。


出発の朝、父と母とヴィルが門まで来た。


父が「頼んだぞ」と言った。「お前を信じている」


ヴィルが「何かあればすぐ連絡を。その場で動ける手を用意しておく」と言った。


母ヘンリエッタが最後に来た。


「王都では目を細めていなさい」と言った。「見えすぎると危ない」


俺は一瞬止まった。


(見えすぎると危ない。母は術野の目の性質を分かっている)


「……母上らしい言葉です」


「行ってらっしゃい」


馬車に乗った。クルトが御者の隣に座った。騎士二名が馬で後ろについた。


領地の門が遠くなった。


(王都に行く。何があっても、記録と論理がある。それで当たる)


三日の旅が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ