表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48歳元外科医、転生先でハズレスキル『術野の目』を武器に医術なき王国を立て直す  作者: ヲワ・おわり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/63

第三十一話 調査団到着

全70話完結予定です。毎日5話ずつ、12時・15時・18時・21時・23時に投稿します。

ここまで読んで「続きが気になる」と思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります。

調査団は五名だった。


ヴィクトール上司祭、司祭二名、書記官二名。馬車三台で来た。人数より荷が多かった。記録用の羊皮紙と封蝋を大量に積んでいた。「調べに来た」というより「記録を取りに来た」という印象だった。


父アルベルトが領主として正式に出迎えた。


広間に全員が座り、向かい合った。


ヴィクトール上司祭は五十代後半の男だった。白い法衣に金の縫い取りがあった。表面上は礼儀正しかったが、「辺境の子爵家の三男が何かできるはずがない」という態度が滲んでいた。


「ご領地で無認可の医療行為が行われているとの報告を受けました」と上司祭が言った。


「どのような行為が問題とされているのでしょうか」と俺は穏やかに問い返した。


「村人の病状を診断した行為、薬草を与えた行為、水の汚染を指摘した行為が報告されています」


「承知しました。私の活動の記録を全てご確認いただけますか。明日、資料をお届けします」


ヴィクトールが「記録?」と聞いた。


「はい。活動の記録を最初から全て文書化しています。何をどこでなぜ行ったか、関係者名も含めて全部記載してあります。一度ご覧いただければ、判断がしやすいかと思います」


上司祭がしばらく黙った。


「……分かりました」と言った。「資料を確認させていただきます」


「ありがとうございます」


受け入れの場が終わった。


父が「息子に対応させる」と言ったことで、ヴィクトールは俺に話を向けてきた。父の信任の形だった。


ガーランド司祭も調査団と一緒に来ていた。最後まで何も言わなかった。「自分がこの状況を引き起こした」という自覚が、表情のどこかにあった。


夜、ミリアが「私が行った薬草調合の記録も別冊にまとめました」と持ってきた。


「ありがとうございます。これがあれば、薬の調合と診断が別々の行為だということが、さらに明確になります」


「二人分の記録があれば、消しにくいですね」とミリアが言った。


「消しにくいどころか、完全な証拠です」


明日、提出する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ