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ゼロから嗜む、文明作り!  作者: 毘沙門 子子


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火薬ほぼゲットですわ

聖女の名前をナルナに変更しました。


~~~


 次の日、砂漠と言っても岩石砂漠なので平地が続く、ならばラクダンナーとキャメリーナの走りは止められない。お陰で、1日半日くらいで塩湖に辿り着いた。


「やっぱり人里はありませんでしたわね。――ここはもう魔の森じゃないんですけれど、この辺りも、人の住む環境じゃないですし。砂漠の国って、僅かな水辺に街が有るんですわよね・・・近くに竜も棲んでますし。というかこんな遮蔽もない目立つ場所に沢山の人間が住んだら、すぐさまドラゴンが襲って来ますわね」


 帝国がライラスを侵攻する時に、ここを通らないのもその辺。大軍でこんな場所通ったら、またたく間にドラゴンに見つかる。


「塩だー! しょっぱーい! 塩対応がこんなに嬉しいなんて!!」


 メグが塩パーティーしてる。

 嬉しそうで何よりだけど、あんまり塩を舐めてると、酷い目に遭いますよ。お嬢さん。


 タカヤマさんは、ラクダンナーとキャメリーナをなだめてる。塩分強すぎて、付近に草木一本ないから。繋ぐ場所とかがない

 スギタさんは、塩を集めてくれている。


「さてわたくしも、まずは塩を確保。ちんけな塩湖の塩のお陰でちょっとは塩を使えましたけれど、全然足りませんわ」


 にしても有難い。塩は料理以外にも、塩素、水素、マグネシウム、やろうと思えば、硫酸、カルシウム。それから水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムなど有用な物質に色々化ける。

 水酸化ナトリウムは石鹸の材料だし。

 次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤&消毒(傷に塗っちゃ駄目だよ?)だし。

 これで活性炭も作れるだろう。

 ちなみに石鹸に関しては、今まで灰の石鹸、あれは肌に悪い。なので、ぽい~。


 ただし、塩だけでなく、塩水も必要だ。ここからしか採れない成分もある。


 砕いた岩塩をキャメリーナに括り付けた革の袋に入れる。

 すると涙目のメグが寄ってきた。


「やっぱ塩、怖い」

「喉が渇きましたの?」

「うん」


 メグが水をくぴくぴしてる間に、シャベルを生成して塩を集める。

 ちなみにこの塩も、そのまま食べるわけには行かない。ばっちぃ。メグは舐めてたけど。

 本来は一旦水に溶かして、煮詰めないと。


「さて」


 塩集めはメグと交代して、――私は、魔術でスコップを作り、干からびた塩湖に穴を掘る。

 すぐに硬い層が出てきた。


 私は塩湖の塩の上で焚き火の準備。

 ピッケルを作って採掘開始。

 そうして塩の下から出てきたピンクっぽい硬い石を採掘。細かく砕いて火を付ける。


 オレンジに燃えた。

 ただ、この炎色反応だけではまだ分からない。ナトリウムも似たような色に燃えるから。


 私は持って来た木炭の粉と燃えてるピンク色の石を混ぜて、器の上に置いて、焚き火に掛けた。

 火が当たらないように遠目に。

 すると――激しく燃えだした。

 よし! これはこのピンクの石が、酸素を大量に含んでいる証拠だ。


「やっぱりあった。硝酸ナトリウム! ――」


 名前に硝酸と付いているけど、これは湿気を吸いやすく、固まりやすい。火薬に使えないわけじゃないけど、保存性が悪くて扱いにくい。


「――あとは塩湖のすり鉢状になった場所なんかにある、塩化カリウムと反応させれば、硝酸カリウム――つまり硝石が得られる。――黒色火薬、ほぼゲット!!」

「えっ、火薬!? ついに!?」


 くぴくぴを終えたメグが、目を見開いてこっちを見た。

 この2つから硝酸カリウムを作るのは、超楽なんだよね。


「そう、戦国時代の硝石作成方法――乙女として終わりそうな行為を避けて火薬を得る方法が手に入りましたわ」

「まじかぁ! よかったぁ・・・」

「硝酸ナトリウムと塩化カリウムを使った方法なら、黒色火薬の材料硝石を簡単にゲットできるんですのよ」

「どんなふうにするの?」

「『なんということでしょう。』水に溶かして温めて、冷ますだけ。しかも熱する温度はたった100度。こんな乾燥した塩湖があれば火薬を作るのは、お手軽簡単ですわ」

「うわっ、戦国武将涙目・・・」


 これで超大変なオストワルト製法も回避できる。

 そもそも生命体の中ならアンモニアは作りやすいのに、科学的に造り出そうとしたら超大変。R-18とか回避回避。


「よし、紫に燃える石もありました。カリウムを含んでる証拠ですわ」

「うわ! アリシアさん、なんかこっちの紫、はちゃめちゃに激しく燃えてるよ!?」


 ――っえ!?


 ちょちょちょ、それは硝酸ナトリウムとか塩化カリウムどころじゃない!!


 私が紫の炎を見ると、視線の先で何かが不気味な紫色の炎を上げて激しく燃えている。

 私は近くの白い結晶を採取して粉にして、炭の粉と混ぜて火に焚べた。


 ボォォォッ!!


 火柱が立ち上がった!!

 大量にあるし――なら、


「これは、硝酸カリウムそのものですわ!!」

「え、・・・どゆこと?」

「この塩湖には、戦国大名が喉から手が出るほど欲しがった硝石そのものが、そこらへんに落っこちてるんですわ」

「まじでぇ!?」


 やった! 色々スキップして硝酸カリウムが手に入った!!

 荷物が多いから困ってたんだ。

 というわけで、硝酸ナトリウムと塩化カリウムは、ぽい~。

 っと、一応持って帰らないと。ここから採れる物もあるし。

 でも、旅行の荷物は身軽が一番。

 それでなくても持って帰る物が多いのに。


「あとは、珪藻土あるかなぁ」


 あれが有れば、水の浄化が楽になる。


 ラクダンナーとキャメリーナに荷物を運んで貰いながら引き返す。

 にしても私が手懐けたのに、キャメリーナがメグの命令のほうがちゃんと従う。

 なんだよー、私から毒電波でも出てるのかよぉ!

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