↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロから嗜む、文明作り!  作者: 毘沙門 子子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/42

単位を作りますわ

 夜、メグが隣で眠る中、私は膠を煮ながら考えていた。寝床は別々だよ?

 リームは私のお膝で「スピスピ」。


 スギタさんと、タカヤマさんは遠くの小屋で寝てる。

 多分何もないと思うけど、一応。

 ちなみに、スギタさんとタカヤマさんは天然の有刺鉄線の内側に、鳴子を板と竹で、設置してくれた。

 有刺鉄線すら越えてきた獣やモンスターを警戒するためだって。

 うーん、やはり大人の男性は頼りになる。


 ――さて、考えに戻る。


「メグが、焔爪と凍牙戦で役に立てなかったことを結構気にしてるんだよね」


 私は、今は穏やかに眠るメグの寝顔を見る。


「私の作った弓の威力がショボ過ぎただけなのに」


 弓の威力は射手の力はあまり関係ない。そして私が作ったのは、大弓でも合成弓でもないから、威力は殆ど出ない。

 しかも焔爪と凍牙は矢を目に受けてもピンピンしてる相手だ。弱点がない。どうしろと言うのだ。


「なら、早く銃を作ってあげたいな。でも火薬を作るなら塩湖に行く必要がある。そして西の塩湖に行くなら、せめて現在私達がいる緯度が知りたい」


 よし、オーダーだ。


◤オーダー! 〝メグのために、銃を作れ〟◢


 塩湖が有りそうな緯度は、割り出せる。

 そしてここが塩湖がある筈の緯度より、北なのか、南なのかを知る必要がある。


「じゃあ分度器が必要になるな・・・・あと物差しなんかも作ろう」


 両方無いと、後々困る。

 ちなみにメグが寝てるので、口調は素だ。

 膠の匂いがメグとリームに行かないように、焚き火を扇ぎながら考える。


「とりあえず、モノサシや分度器を作るなら、単位が必要――」


 確かLoveナレクは、オリジナル単位なんだよね。

 単位に関してゲーム内では詳しくは描かれてなかったけど、なんか、そこはかとなくポンド・ヤード法の匂いがしてた。

「ファンタジー世界に光の速さや、プランク定数を元にしたメートル・グラム法が有るわけないじゃん」というこだわりらしい。

 人間の生活に基づいたポンド・ヤード法の方が自然だって考えたんだろう。


「だけど、ポンド・ヤード法では科学はできない。なんでかって、アイツ、進数がぐちゃぐちゃなんだよ」


 12インチ = 1フィート。

 3フィート = 1ヤード。

 1760ヤード = 1マイル。


 どういうことだよ・・・。


 あの絶対ヤード・ポンド法やめないマンのアメリカですら、科学の世界はメートル・グラム法なんだ。


 でも、この世界でメートル・グラム法を再現するのは至難の技

 ならオリジナルの単位を作ればいい。


「とりあえずまずは分度器を作ろう――でも360度の分度器は作りにくいので、簡単に作れる512度の分度器。私達が使うだけだからこれでいい」


 というわけで、まずはコンパスを作って木を大きな円に切る。これを2分割、4分割と、やっていく。


 糸をピンと張って弾けば真っ直ぐな線が描ける。インクは狼の皮を煮て作った膠と炭を混ぜた、墨。


「この世界の円は、私的には512度。そして1日は32時間としよう――私とメグ――あとはスギタさんとタカヤマさんだけが使えればいい単位だし。1秒はいずれ、石英の振動を元に決めるかな。いずれ航海のために半導体を作り、石英で時間を測る正確な時計も必要になるし――それか航海用の時間を決めるのもいいかもしれない」


 ここでメグが目を覚ました。


「アリシアさん、こんな時間に何やってるの~?」

「ああ、起こしてしまいましたのね――ごめんなさい」

「んー? ぼんやりとなんだけど、なんかさっきまでアリシアさん、口調違わなかった?」

「あー、こっちが素だよ」

「なるほど。なんでそっちで話してくれないの?」


 ・・・アリシアを知るゲーム内の人間と遭遇してもいいように、だけど。


「もちろん、淑女の嗜みとしてですわ」

「うーん。でもメグには、素のアリシアさんがいいなぁ」


 えー、マジで?

 なにその距離を縮めようみたいなの。私、勘違いしちゃうよ?

 そもそも宮村 恵。君が勘違いしてはいけない。君の眼の前のそいつ、中身、陰キャぞ。


 それに私知ってるんだからね? オタクに優しいギャルなどいない。

 あ・・・宮村さんは、ギャルじゃなくて陽キャなだけか。

 なら・・・・。――ほらまた勘違いしかけた!!

 また私を魅了して、捨てるんでしょ! 友達だと思ってた人に「私達、友達だよね?」と聞いたら、大笑いで否定されて! ボッチじゃないと思ってたら結局ボッチだったみたいに! 寂(さび)シア知ってるんだからね!?

 それがアンタ等、気さくなジゴロのやり口でしょ!!

 遊ぶだけ遊んでポイ! 遊んでもらったこと、ほとんどないけど!

 女たらし! 寂(さび)シア、絶対信用しないんだから!!


「む、無理ですわよ、素で話すのは・・・・怖いわ。です」


 惚れて、捨てられるのが。

 あんなに辛いなら2度と、人を好きになったりしない。

 もう2度と恋なんかしない。


「怖いってなに・・・。――まぁじゃあジワジワとメグミちゃんの善さを、その身に刻み込んであげるよ」

「・・・それは本当にやめてくださいまし」


 私チョロいから・・・。


「で、なにやってるの?」

「た、単位を決めてるんですわ」

「単位? なに勝手なことしてるの!? 駄目だよ!! 勝手に摂理を歪めちゃ!!」

「・・・・た、単位は摂理じゃないですわ」

「え?」

「摂理はこの宇宙にたった1つだけですけれど、それをどう測るかの単位は案外沢山の方法があるんですの。例えばある国では、長さと重さの単位が25万種もあったと云いますわ」

「に、25まっ!? さ、さすが異世界・・・・」


 産業革命前フランスの話だけどね。


「さてメグ、円周率はお好き?」

「嫌いだよ、大嫌い。なんであんなの無限に続くとか理由(わけ)のわからないことになってんの」

「い、今からわたくしが作る単位は、その円周率を単純にする単位ですわ。少なくとも割り切れる。――あと、航海に向いているような。そう、これから文明を発展させるのに、もってこいの単位」


 さて、メグの期待の眼差しを引き出したところで、単位づくりに戻ろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。