↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゼロから嗜む、文明作り!  作者: 毘沙門 子子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/40

お食事ですわ

   ◆◇◆◇◆


 メグがエンタメが欲しいというので、2人でラジオ番組ごっこしていた。


「メメメ、メグちゃん、メグちゃん、キューアンド・エー・コーナー!」

「では、最初の質問ですわ」

「はい!」


 リームも、私の肩で相槌を「ピヨッ!」。


「ニューヨークにお住まいのルーズベルトさん。質問『ズボンがズレてくるんですが、なぜでしょう?』」

「ルーズなベルトをやめましょう!」


 ふと、2人で現実を思い出す。


「なにかしら、これは?」

「なんだろね・・・?」



「とりあえず――せめて弓を作りましょう。メグも身を守れますし」

「そだね、まずは弓だね――銃かぁ」

「ん? 銃がそんなに気になりますの?」

「ウチ、異世界から来たって言ったじゃん」

「はい」

「そこにも銃があってね、競技があったの」

「そうなんですのね」


 あるのは知ってるけど、クレー射撃しか知らないや。


「ウチがね、唯一役に立たなかったのが、その銃の競技――他のスポーツはどれも上手くできたんだけど・・・・唯一銃だけはウチの才能じゃ敵わなかった。あれ、筋肉や反射神経より、集中力なんだよ」


 あー・・・何となくわかる。そんな感じする。


「助っ人で大会に出たら、ある娘に、フルボッコにされてね。それは気持ちいいほどにフルボッコ。・・・・だから、射撃部に入った」


 え!? この子、スポーツ特待生でしょ!? 転部しちゃったら色々権利無くなるし、下手したら退学・・・・。


「まあ、掛け持ちって感じでね」

「な、なるほど」

「アリシアさん、人ってね、他人に憧れるんだ。自分に憧れるやつは頭おかしいでしょ?」

「そ、それはそうですね」

「だから憧れるってことは、自分に無いものなんだよ・・・・ウチは射撃に憧れた。あれはね、身体能力とか関係ない。ひたすら集中力の戦い――自分との戦いなんだ。スポーツ? って思うくらい、身体能力ではなく、集中力の戦い――心を乱さないことの戦い。多分おそらく、ウチに最も向いてないスポーツ。だから極めたくなった」

「どんなスポーツも簡単にこなせてしまうから、こなせないスポーツに憧れる――全く、これだから天才というのは」

「綺麗だったぁ、あの娘。――本当に、銃を構えると、静かな湖面みたいで――憧れた。だからウチは追いかけた。――一度も勝てなかったけどね」

「では、大丈夫ですわ」

「えっ?」

「勝てなかったから、大丈夫ですわ」

「なに言ってんの!? ウチ、一度も勝てなかったんだよ!?」

「天才は勝つ以外、知らないんですのよ。――天才っていうのは、鼻歌を歌っている間に、山の頂に立っている者ですわ。ですが、歯を食いしばって山を登った人間は、自分の通ったルートを忘れない。だから天才は突然スランプが来たら、役立たずになることがある。けれど努力家は常にその実力を発揮できる」

「そ、それは・・・」

「期待していますわよ? 貴女の憧れ――努力」

「それは、期待してて! 一杯頑張ったから」

「ええ!」


 私はすこし凶暴な笑みで返した。おっと、

 私は小屋の外の太陽を確認する。


「っと、そろそろ昼時ですわね。食事の時間にしましょう」

「うんうん! おなかぺこぺこー!」

「まずは水分補給ですわ」

「うんうん! 喉からからー!」


 オオカミ肉、バナナを皮ごと、あとは水を入れた器を、火にくべる。

 で、お湯が湧いたら、先に二人で白湯を飲む。海外のサバイバル動画に出てくるようなガチ・サバイバーでも、案外簡単に脱水症状になるし、なったら終わる。


「お肉もバナナも、そろそろ良いですわね」


 昨日はお肉を食べなかったから、オオカミ肉は2人で初体験。

 火から肉を上げて、皮をナイフで割く。

 おお、いい感じに油がジューシー。

 メグも、興味津々。


「オオカミなんて初めて食べるよー――」

「わたくしもですけれど、熊に近い種ですので、そこまで不味くないはずですわ」


 私とメグは、バナナの葉っぱのお皿に置いた前足の肉に、手を合わせる。

 私達を襲ったモンスターとはいえ、命に感謝を込めて、


「頂きます」

「いっただっきまーす!」

「ピヨッ!」


 リームにはバナナをあげた。


 私とメグは骨を持って「がぶり」。すると、じゅわっと溢れ出た肉汁が口いっぱいに広がる。

 メグが唸った。


「確かに獣臭はあるけど、思ったほど臭くないね」

「ですわね。肉食獣なので、もっとアンモニア臭いのかと思いましたわ」


 味は牛肉に近い。

 油と赤身が程よくジューシー。

 私は、「がぶり」じゅわ~。「ぞぶり」じゅわ~。を繰り返す。


「これなら、もう一本いけますわね」

「うんうん!」


 私は外に出て斧を生成、木に吊るして血抜きをしていた狼の前足を追加でもう一本、叩き折――れない。


「メグ、頼みますわ」

「任せとけー! こういうのは、関節を狙ってやるんだよ!」

「そもそも、関節がどこかわからないですわ」

「他人に関節技を極めてたら、覚えられるって!」


 ――他人に関節技を極める機会ががなかったので・・・。


 その後、メグと一緒にお腹いっぱいになって横になる。


「アリシアさん、寝ないの?」

「ちょっと考え事をしてますの」

「考え事?」

「磁石を作る方法ですわ」


 私の上でリームもなにか難しい顔をしている。


「え・・・? 作れるの?」

「作るしか無いですわ」

「あれじゃないの? ――雷をビカーっと落として」

「雷はどこにあるんですの」


 いや、ジャングルだからよく雨が降って雷も鳴ってるけど。

 こんな巨木だらけの世界で、どこに落ちるかなんて予想もつかない。

 それに近くにあるあの天を突く台地に、雷はほぼ持っていかれそう。


 メグも一緒に考えてくれている。腕を組んで「うーん、雷、雷」と呻いている。なるほど知ってる知識で役に立とうとしてくれてるのか。


 私は地面に様々な考えを書いていく。


 ここでふとメグが顔を挙げた。


「そうだ! 凧!!」

「うん? 蛸?」

「アリシアさん! メグ思いついたよ!!」

「おおっ、どんな?」


 メグだって、伊達に現代人じゃない。知識チートくらいできるだろう。


「凧に磁石の元となる鉄(?)を貼り付けて揚げてね、雲に近づけるの。そしたら凧に雷が落ちて磁石ができるんじゃないかな!」

「メグにしてはいい線行ってますね。確かにそれで磁石ができますわ。そして似た実験をした科学者は何人かいます」

「おおっ」

「そして何人か死んでます」

「ひゃい!?」

「というわけで却下ですわ」


 そして、


「・・・・うーん、雷、雷」


 メグは雷から離れない。私は寝っ転がる。


「寝よ」

「えーーー!?」


 メグがどでかい声で、驚いた。

 これでいいんだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
叩いて地球の磁力使って〜て実験やったなそう言えば、めちゃ磁力弱いけど 後は磁性揃えて召喚できれば早いんだけどな〜
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。