表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ごり押せッ!袁紹ちゃん!  作者: 姫笠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/19

第4話 袁紹ちゃん、虎牢関でごり押す。①

虎牢関を目前に控えた連合軍の野営地。

その一角――大きな天幕には、諸将が集まっていた。

中央に据えられた机の上には、広げられた地図。

その上を、田豊の指がゆっくりとなぞる。


田豊「ここ――虎牢関には、三万の兵とともに……あの中華最強――呂布が布陣しておる」

その名が出た瞬間。

場の空気が、ぴり、と張り詰める。

顔良も、文醜も、わずかに目を細めた。

田豊「やつが出てくるまでに、なんとか城門前を確保したい」

視線が、山岳部へ移る。

田豊「汜水関を迂回していた孫堅軍には、引き続き山々を進み、董卓軍本拠地――洛陽を脅かしてもらう」

つまり――背後への圧力。

それがあって初めて、この正面突破が生きる。

田豊「残る曹操軍、劉備軍、そして――我ら袁紹軍で、虎牢関の城門を突破する」

重い空気を――紹香の声が、ふっと切り裂いた。

紹香「よし、頑張ろう、みんな!」

明るく、よく通る声。

その響きに、場の空気がわずかに緩む。

劉備が、すっと立ち上がった。

劉備「はっ」

深く、礼を取る。

曹操は、その様子を横目で見ていた。

曹操(……ずいぶん、雰囲気が変わったな)

あの場に現れたばかりの少女とは、別人のようだ。

田豊「明朝より攻撃を開始する」

再び、場を締める。

田豊「それまでに、各々布陣を完了されたい」

諸将たちが、静かに頷いた。

決戦は、すぐそこまで迫っている。



翌朝。

朝霧の中、虎牢関の全貌が姿を現した。

曹操「これが……虎牢関か」

馬上から見上げる。

その声には、わずかな驚嘆が混じっていた。

目の前にそびえ立つのは――天へと伸びるかのような、巨大な壁。

重厚な門。

その前には、整然と並ぶ董卓軍の兵たち。

すでに、迎え撃つ準備は整っている。


曹操「いっきに城門前を確保するぞ!」

声を張り上げる。

曹操「進めいッ!!」


 オオオオオ――ッ!!


連合軍右翼―二千の曹操軍が、一斉に前進する。


左翼では――劉備が、馬を前へ出した。

その目は、強い光を宿している。

劉備「この戦いに勝ち、帝を董卓よりお救いするのだッ!!」

高らかに叫ぶ。

劉備「かかれいッ!!」


 オオオオ――ッ!!


一千の義勇兵が、その後に続く。

決意に満ちた突撃。


そして――連合軍中央。

ここには、義勇兵一万を加えた――総勢一万五千の袁紹軍。

圧倒的な兵数。

その中央に、紹香はいた。

田豊「ささ、紹香様。号令を」

静かに促す。

紹香「うん」

短く応じる。

馬を前へ進める。


 コツ……コツ……


ゆっくりと、最前へ。

その先には――無数の兵。

自分を見上げる視線。

期待。

信頼。

熱。

すべてが、こちらへ向けられている。

紹香……すごく……

胸の奥が、熱くなる。

紹香(気持ちいい……)

それは、これまで感じたことのない感覚。

誰かに認められること。

誰かを動かすこと。

紹香(これが……生きてるって事……)

息を、大きく吸う。

胸いっぱいに空気を取り込み――声を張り上げた。


紹香「袁紹軍ッ!!」

その声は、まっすぐに戦場へ響く。

紹香「押して押して――押しまくりなさいッ!!」


 オオオオオオオオ――ッ!!


爆発するような鬨の声。

大地を揺らし、一万五千の兵が一斉に前へ進んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ