シンデレラ再び3
シンデレラが帰った後、白雪姫は魔法についての本を探そうと城の図書室を訪れた。
この図書室に足を踏み入れるのは、生まれて初めてじゃなかろうか。
かなり広く高い天井まである本棚には圧倒されるほどの蔵書がある。そして奥には迷路のように本棚が並んでいて、窓際には椅子と机が置いてあり、何人かが本を読んだり調べ物をしている。
きょろきょろしていると、本の管理をしている司書に声をかけられた。
きちんとした身なりの、メガネと長い金髪の前髪で顔はよくわからないが真面目そうな三十代ほどの男性だ。
「白雪姫さま? 図書室においでになるとは珍しいですね。」
「なによ、悪い?」
ついついきつい言い方をしてしまうが、司書は飄々としている。
「いえ、別に。あの奥の書架以外ならご自由にお持ちいただいても構いません。破損しないように気をつけてくださいね。ああ、子ども向けならあちらです。」
「なにあなた、クビにするわよ。」
「別にいいですよ、他国からの誘いもあるんで。でもこの国の情報をよその国に流すようなバカな真似を女王陛下はなさらないとおもいますけどねえ。」
言外に『あんたに自分をクビにする権限はない』と言われムッとする白雪姫を放って、司書は梯子を登って本棚の上をはたきで掃除し始めた。
(なによ、ほこりが落ちてくるじゃない。失礼な人ね。それに子ども向けって……。まあいいわ。それより魔法。)
とりあえず子ども向けの本棚まで行き、初級の魔法の本を手に取った。
(魔法……か。なんで私は今まで使おうと思わなかったのかしら? 魔法が使えたら小人たちの家でも楽ができたのに。)
そういえば、持ち出ししてはダメと言っていた奥の本棚にはどんな本があるのかしら、と思い、変わらず集中して掃除をしている司書を横目に近寄ってみた。
その本棚は、他とは違って重厚なガラス扉が取り付けてあり、開けようと取ってに触れるとパチッと火花が散った。
(静電気? いったー。)
もう一度触れてみる。やはりパチッと衝撃が走った。
(なに腹立つ。もういいわ、帰ろう。)
白雪姫は、その後二冊ほど本を選んで自分の部屋に戻った。




