シンデレラ再び2
「ところでね、シンデレラ。」
白雪姫はずいっと身を乗り出して焼き菓子をもくもく食べるシンデレラにささやいた。
「あなたを変身させた魔女、紹介して。」
「は? なぜ?」
「魔法を勉強したいの。私のお母さまも魔法を使うでしょ。私、絶対に才能あると思うのよね。」
「じゃあ女王さまに教えてもらえばいいじゃない。」
シンデレラは白雪姫に目を向けたままお茶をこきゅっと飲んだ。白雪姫はカップをソーサーにそっと置き、ため息をつきながら椅子の背もたれにもたれた。
「教えてくれるわけないじゃない。忙しいんだから。」
ずきっ。
(あれ?)
「どうしたの?」
「あ、いえ……別に。」
白雪姫はこめかみを指で押さえた。
(うーん、なにか忘れているような気がする。……ま、いいか。)
「で、魔女を紹介してくれる?」
「この国によその国の魔女を入れることができるの?」
「うーん……。」
国内のことは魔法の鏡が監視している。多分、今も。
「今まで魔法を使ったことはあるの?」
シンデレラから問われ、少し驚いたような顔をした白雪姫は考え込んだ。
「ないわ。」
「じゃあ才能ないんじゃない? ああいうのは生まれつきのものでしょ。私の知り合いは使おうと思わなくても使ってしまうって。遠くにあるペンを近づけたり無意識にやってしまうんだって。」
白雪姫は黙り込んだ。今までそんな体験はしたことがない。
いや待って。やっぱりなにかを忘れているような気がする。
「で、でも訓練すれば才能が開花するってこともあるじゃない?」
*
《女王陛下、いかがいたします?》
女王は眉を寄せ、指で顎を触れながら考え続けている。
(あれから六年……か。)
*
白雪姫はこそっと独学で魔法を練習することに決めた。
目標はシンデレラの結婚式でサプライズの花火を上げること。




