ロビン・フッド登場6
そこへノックの後、ドアの前を守っている騎士が現れた。
「失礼いたします。カラバ侯爵がお越しです。至急ドラキュラ伯爵とお会いしたいと……。」
イヤな予感しかしない。
「ああー、伯爵ここにいた! あっ、女王陛下ご機嫌麗しゅう。」
侯爵が部屋に入ってきてぺこりと頭を下げた。後ろを追いかけてきた猫も帽子を取って優雅にお辞儀をする。
「ちょっと伯爵、この人をどうにかしてください!」
侯爵のぴんと伸ばした腕にはラプンツェルがぶら下がっている。嫌そうに腕をぶんぶん振る侯爵の腕をうっとりとした顔をしながらも「離すもんか」と両腕でしっかりと抱きしめている。
「昨日、伯爵が置いて行ってからこんな調子なんです! 奥さんが部屋に閉じこもって出てこなくなったんですよ!」
「誰じゃ?」
女王が眉を寄せて聞いた。自分の姪の夫が知らない女を連れているのは不愉快だ。
「ラプンツェルです。カラバ侯爵に押し付け……えーと、子供を連れて住むところもなく困っていたところを雇用していただきました。」
ドラキュラ伯爵が言葉を濁しているとカーミラが言った。
「ヘッセン王子の元カノです。」
部屋にいる全員が固まった。
「ちょ……カーミラ。」
止めようとする伯爵を押し除けてカーミラが前へ出た。
「ヘッセン王子の子供を二人産んでいるそうですよ!」
しんとした静寂の中、ラプンツェルの弾んだ声が響いた。
「あっ、ドラキュラ伯爵さま!」
ラプンツェルは伯爵に気がついてぱっと顔をほころばせた。
そしてゆっくりとカラバ侯爵とドラキュラ伯爵を見比べる。
「やっぱり伯爵さまのほうがカッコいい!」
カーミラが伯爵の腕にしがみついてラプンツェルをギッと睨んだが、それには気がつかないようでカラバ侯爵の腕も離そうとはしない。
どちらがお得か考えているようだ。複雑そうな顔をして俯いたカラバ侯爵の足元で猫が毛を逆立てている。
「そんなことはどうでもよい。ヘッセン王子との子供がいるとは本当か?」
「本当らしいですわよ。それも双子! 三才!」
カーミラが次々と爆弾を投下した。




