ロビン・フッド登場4
しばらく沈黙が流れたが、バード王国国王が口を開いた。
「茨姫を元いたところに返して来なさい。そして白雪姫を迎えに行きなさい。」
「ええー。」
「ええーじゃない。比べたらわかるだろう。白雪姫の方が付き合いも長く、大国が背後にある。どちらが我が国のためになるか考えてみろ。」
「……はい。とりあえず白雪姫に手紙を書きます。」
書斎の奥の部屋に茨姫の様子を見に行くと、自分の状況が理解できていないようで、パニックになっていた。
「茨姫、おかげんはいかがですか?」
「茨姫ぇ……?」
(ああ、眠って城が茨で囲まれてからついた呼び名か。)と思い至り、改めて名前を聞いた。
「失礼ですが、お名前は?」
「ターリアと申しますぅ。」
話し方がとてもゆっくりだが、意思の疎通ははかれそうだ。
「ターリア姫、私はバード王国のヘッセン王子と申します。私があなたを眠りから覚ましたのですよ。そしてここは私の城です。」
ターリア姫はゆっくりと首を傾げた。
「私はなぜここにぃ? 私の国はどうなったのでしょう?」
「皆さんも眠りから覚めて……お元気ですよ……?」
多分。
ちゃんと確認してないからわからない。計画書では茨姫とともに城の住人たちも目が覚めることになっていた。
「それは安心しましたぁ。」
「で、なぜあなたがここにいるかと言いますとね、伝説では呪いを解いた王子と結婚することになっていましてね……。」
ぽかんとしていたターリア姫が、ぽっと赤くなった。
「えぇ、お会いしたばかりなのに?」
「話はここからなんですが……私には婚約者がいるんですよ。」
「……はぁ?」
先ほどまでぼんやりしていた茨姫は、ぎゅっと眉間に皺を寄せた。
***
「もはや報告書の体を成していませんが?」
ドラキュラ伯爵はだんだん読むのが辛くなってきた。
「はっはっはっ。」
「それでそれで、どうなったの?」
カーミラがわくわくしている。
「……カーミラ、代わりに読んで。」




