ロビン・フッド登場
ドラキュラ夫妻はバジーレ王国の王城内の様子と教会の枢機卿のことを報告した。
「うむ。では枢機卿がヘッセン王子に剣を渡し、城の眠りを解く手助けをしたのか。」
「はい、魔女の予言通り百年後に現れた王子ですからね。……なぜよりによってヘッセン王子だったのかは謎ですが……。とにかく教会は姫が連れ去られたことに関して対策を取ろうとはしていませんでした。ずっと国の実権を握ってきた教会にとって唯一の跡取りであり伝説となっていた王女の存在は今更厄介なだけで、王子が連れ去ってくれるなら万々歳だったのでしょう。あの様子の国王だと、ぼんやりしている間に言いくるめれば傀儡になるでしょうしね。」
「女王陛下、ロビン・フッドが来ております。」
「通せ。」
「女王陛下、ご無沙汰でーす。」
軽い調子でくすんだ緑の服を来たおっさんが入ってきた。
いつもこの調子なので、呆れはしても咎める者はここにはいない。
「遅い。」
「途中で資金が足りなくなったんですよー。」
宰相が口を挟む。
「十分な額を渡していたはずだ。ドラキュラ伯爵夫妻がバジーレと往復する間に余裕で終えられるはずだろう!」
ロビン・フッドはにやにやしながら肩をすくめた。
「人件費や滞在費を含めると足りないぐらいですよ。俺はあんたの部下じゃないんでね。」
「もうよい。」
女王が手を振って黙らせた。
ロビン・フッドは金にがめついが仕事はきちんとする。それに自由な身分であるため他国にも違和感なく侵入できる。
有能であるから金を出して使っているのだ。
「それで、ヘッセン王子の動きはわかったのか?」
ドラキュラ伯爵が尋ねるとロビン・フッドがよれよれのかばんの中から、よれよれの紙を出した。
「はいはい、えーとね。……老眼で見えないなぁ。」
ロビン・フッドは目を細めて腕をぐーっと伸ばして紙を見た。
「……貸してくれ。」
ドラキュラ伯爵が紙を受け取り読み上げた。
報告の内容はこうだった。




