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幻想世界レスエンティア  作者: 三之月卯兎
二章
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休憩

戦っている途中に自分の獲物を放り投げる馬鹿がいるとおもうか?

居たんだよな~、ここに。

しかも狙ったのが同じチームのメンツだぞ。普通投げるか?

おもわずサンドイッチ落としたぞ、コラ。

で、その投げた当人は小鬼コブリンと格闘中。

8体の小鬼と無手の少女。

さすがに自業自得といったところか。

小鬼いえど子供一人分の重さがある。

それが8体。

少女の体格支えきれるはずがない。

メイムは小鬼に一斉に圧し掛かられて沈んで行った。

ざまぁ。


粗方片付いたようであたりに残っているのは小鬼くらいなものだ。

盾役のフュンフがメイムの救出に向かっているがこちらも小鬼数体に阻まれている。

フュンフ君の武器は盾で殺傷力は低い。

救出に行こうとしても頭数を減らせないので近づけない。

メイムは、一応女だし、(すぐ)に殺されることはないだろう。

魔物を惹きつけるフェロモンかなにかをを放っているようなのであらぬ状態にはなるかも知れんが。

暫くは傍観だな。


「助けに行かないのか?」


横にいるナナシに尋ねてみる。

コイツはメイムといつも一緒に行動していたのだから思うことはあるだろう。

先程まで振るっていた投擲で十分届く距離だ。


「くっ殺って、そそりますよね」

「何を想像しているかは知らんが、お前が駄目なヤツだということはわかったよ」

「そう言う同志もやはり同志ですね。メイムさんがこの状況で助けに行く素振りも見せないとは流石です」


何故かオークの好感度が上がったようだ。

俺、おまえのパートナー見捨ててるんですけど?


「まあ、メイムさんも貴方を試してるんでしょうね。結果が出てしまったわけですが・・・」


ナナシが俺と話している間を何かかが通り抜けて行った。

ベシャリと何かかが弾ける嫌な音がした。

視線で追って見ると赤い花が咲いており黒い霧が立ち昇る。

小鬼だった。


「この馬鹿共!!か弱い乙女がピンチなのに無視すんじゃないわよ!」

「か弱い乙女って何処に居んだよ?」

「アタシに決まってんでしょうが!!」


メイムは手近にあったそれを掴むとこちらに投げた。

か弱い乙女は、小鬼を投げたりはしないだろ。

飛んできた小鬼をかわす。だが、かわした先を読んでいるかのごとく小鬼が飛んでくる。

最近、よく小鬼ゴブリン)が空を飛んでる気がするな。

憐れ。

弾が尽きたメイムはこちらにムスッとした顔で歩いてくる。


「ナナシ、アタシも御飯」


ナナシは、リュックから追加の箱を出すとメイムに手渡した。

それを置くと「んっ」とナナシに空いた両手を掲げる。

その意図を察したナナシが魔術で手袋を綺麗にした。

そこでするのなら手袋を外せばいいだけのような気がする。

メイムは、手袋をしたまま食べ始めた。

それにしても、こころ無しかメイムの食っているモノの方が先程自分らの食べたサンドイッチと違う物に見えるが気のせいだよな?

同じものでも他人の飯って美味そうに見えるよな?

この場は、そういうことにしておこう。

どちらであろうと、今回も準備はマクシミア持ちである。

あいつ、この二人優遇しすぎじゃね?

まあ、俺も便乗させてもらっているが。

レイラ店で布と糸をそこそこ買い込んである。

手っ取り早いのは既製品の服だが、ナナシが新たに作るらしい。

俺も探索用の自分を頼んだら断られた。

ヤツ曰く、「男性ものは趣味じゃないので」とのこと。俺の扱い酷くね?




俺が飯を食い終わるあたりでナナシが声をかけてきた。


「同志、あなたの異能を詳しく教えていただけませんか?もしかしたら、お役に立てるかもしれませんよ?」

「異能?俺としては探索に役立つ人より優れた強感覚って感覚だったんだが」

異能なんて称されると木っ端恥かしいな。

「お言葉ですが先の戦闘から推察にするに気配を感じていると次元ではなく俯瞰で全体を見ているという印象でした。強感覚の域を超えてますよ」

「そうなのか?」


自分の感覚の使い方が美味いではなく他人にはない能力・・・。

う~ん、他人と比較したことないしな。

基本が単独行動だし、探索当初も警戒は自分の担当で比べることがなかったからな。

これって凄いのか?


「ええ、私にはそこまでの正確にはわからないですから。周囲の状況わかっているということは判断において重要ですからね」

「まあな。自分が戦わないためには、如何に近くにの相手に押し付けるかは重要だからな」

「そうなりますか」


苦笑するナナシ。おかしいことを言ったつもりはないのだが?


「どんな風に見えてるんですかね?」

「感覚だからな、説明の仕様が無いんだが」

「こんな感じですかね?」


ナナシが地面になにやら書き始める。

それは自分たちをを中心とした地図だった。

そこにチームのメンツの位置を○

魔物の位置を×で書き込む。

結構正確だ。

人のことを特別なようなこと言っていたが、コイツも俺と同じような感覚を持っているのではないだろうか?

・・・何か忘れてる気がする。


「そんな感じだな。俺の場合だと、敵味方は、なんとなく色付け識別してる。で、周囲はこんな感じだ。」


今、自分で感じる周囲の状況をナナシの図に合わせて記入する。

前方に○が1つ。その隣に×3つ。で、広間の先の通路分かれ道を行った先に×が4


「範囲が広いですね。視界に入っていないところまでわかるのは大きい」

「一度認識しておけば離れても誰だかなんとなくわかるな」

「ミニマップに識別マーカまで・・・」


ナナシはがなにやら呟いている。


「私が後ろから不意打ちしたら、かわせますかね?」

「喰らうだろうから、やめてくれ」


相対的に位置がわかるだけであって、死角が見えているわけではない。

そんな武芸の達人のような真似はできない。


「万能というわけではないんですね」

「そこまで万能だったら逃げにずに違う道を探したわ」

「なるほど・・・、上空と地中ってわかったりするんですか?」

「上空は精々数メートルだな。それ以上は意識しない限りわかんねえ。地中は曖昧だな、壁の向こうとかなんとなくわかるときがある」


一応、通路伝いであれば補足できる。

繋がっていない場所については本当にその時々だ。


「それでも素晴らしいですね。頼りにしてますよ」


そう言ってナナシはニカッっと笑った。

「頼りにしてますよ」か、久しぶりに言われた。

最後に言われたのは随分と昔な気がする。

それにしても、言ってくれたのがオークってのがなあ・・・。


「しかし、こんなに魔物が多いとは思いませんでした」


だよな。俺もこんなに多く出現するのは初めてだ。

今だって感覚で把握できるのが×が20に増えてる。

そういや、さっき×に隣接してる○があったよな?

チームのメンツが○表記。

あれ?ルラとメイムは後ろで談笑してて俺とナナシが話しをしているわけで・・・。

前方を確認する。


そこには、増え続ける魔物と苦戦するフュンフ君の姿があった。

ごめん、忘れてたわ。

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