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幻想世界レスエンティア  作者: 三之月卯兎
二章
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ー観察ー

「う~ん、欠点だらけのところは~お~いですが~興味が尽きませんね~」


夜更けの書斎。

ここは冒険者ギルドにあるマクシミアの部屋だ。

目の前の机の上にあるのは書類だ。

そこには5人の人物がについて書かれている

以前から調べていたのに加え、ここ2日ほどで増えた3人。

その内の一枚を手に取る。


『ハイドラット・アルフォニカ』

戯れで面倒を見ていたのだが、面倒を1年くらいしたところから頭角を現した。

戦闘能力は取り分けて高いわけではないが、ギルドにおいての探索能力は一番の成績を出している。

彼に同行させている精霊に調査をさせてみたが、ハイドラットは魔物との遭遇回数自体が他のチームに非常に少ない。

また、遭遇した場合、他チームに押し付けることを主体とした探索スタイルだ。

このとき重要なのは彼が、魔物に遭遇してから押し付けるまでに迷わずに他のチームを目指していることである。

一連の行動において対象がどこにいるか予めわっかているような経路を辿る。

また、単独行動で自由が利きやすく戦闘を最小限に抑えることで必要装備の軽装を可能としている。

自身の考案し作成に至った迷宮立体地図で多数のチームの経路を重ねてみるが、彼の深部へ向かう経路はどのチームも通らない最短を進んでいる。

たいした装備も持たずに成果を挙げて帰還してくるできるのはこういったところが大きく影響している。

一部では彼を特別扱いすることに疑問を抱いているようであるが、彼だけではない、成績上位の者たちには似にかしらの支援をしている。

せっかくの優良探索者だ。

成果を出すことがわかっている人物を有効に使うのは当然であろう。


「と~く別似扱って欲しいのであ~れば結果を出し続ければいい~のですがね~」


自分は差別はしない。だが、できるものはきちんと区別する。

有用なハイドラットを有効活用しようと魔術に関して教えてみたものの成果は0。

だが、魔術素養が無いわけではない。

実験&調査中の励起符を数枚渡しておいたがその内の2~3枚を活用しているようである。

励起符は、古代技術で作られた永久魔方陣だ。

魔力を必要するのだがそれが起動でき出力も調整可能としているのであるのだから彼に素養がないはずがないのだが・・・。

観察対象として興味の尽きない彼であったがここ数日で、彼を中心として興味深い対象が3人増えた。


『ルトリラ・アルフォニカ』

通称ルラ。

ハイドラット曰く妹。

顔つき、髪型、年齢と虚言であるとことは明らか。

マクシミアとしては、既にハイドラットに持たせている精霊から情報を得ている。

冒険者の上位チームには精霊碑を持たせている。

このアイテムは、精霊を宿し迷宮探査において冒険者たちの経路を全て記録し迷宮を把握することが目的なっているが、もう一つの役割がある。冒険者たちの見聞きしたものの報告だ。

自分たちに不利になることをわざわざ報告する冒険者は奇特だ。

報酬を目的としているのにその報酬が減るようなことは望まないからだ。

たいていの冒険者は、自分らに都合が悪いことは隠匿する。

それがどのようなものであったかを知らせるのがこの精霊碑に宿る精霊である。

もちろん、後者の役割は冒険者たちに知らせていない。

彼らの秘密を知ることが目的であるのだから当然であろう。

それによると、迷宮内の地底湖で遭遇したようである。

迷宮攻略において重要な鍵である可能性がある。


「ふ~む、謎の幼女、で~すね~」


数日前の竜の魔法と呼ばれる術を再現したのもこの幼女による可能性が大きい。

マクシミアで幼女を保護するのは簡単だ。

だが、それをしてどうする?

折角の研究対象を手元に置いておきたい気持ちもある。

だがその場合、上の連中に報告する必要があり、幼女の可能性について示さなければならない。

そして、今の業務を続けながら幼女を保護し、その可能性を探るために彼女と共に迷宮に潜る必要がある。

ならば、このまま幼女がハイドラットの妹であることを黙認し、様子を見た方が効率的ではないだろうか?

謎が多い幼女だ。

瀕死状態のハイドラットに竜薬を与え復活したが、あの竜薬には本来そんな効果は無かったはずである。あの幼女にとって、ハイドラットが特別である可能性があるなら一緒に置いておくのは良案であろう。


「そ~れにしても~、復活の~奇~跡ですか~」


これについては目撃者が多数。

あの集団が放って置くとは思えないがどうなることやら・・・。


『ナナシ・エマノン』

巨漢のオーク。

その見たとは裏腹に理性的である。

オークにしてオークに非ず。といった感じだ。

ここまで豚族(オーク)の常識を覆すオークはおるまい。

魔術に興味があり、知識豊富。

裁縫技術や料理においては次元の違いがあるのではと錯覚させられるほどだ。

なんで、そんなことができるのかと問うたところ。


「趣味ですから」


と返されてしまった。今後も貴重な特異体であり観察対象だ。


『メイム・ネムレス』

エルフの少女。

ハイドラットを殺した人物。

直情的で行動力が高い。

即決即断即実行。

初日の彼とのやり取から察するに何かしらのトラウマがあると推測する。

その琴線に触れてしまったのがハイドラットの死亡した理由と思われる。

身の丈を超える大剣をいとも簡単に振り回す剣士との報告を受けている。

尋常ではない筋力で二階建て屋根に跳び上がるところが目撃されている。

見た目と種族的に筋力タイプには見えないので何かしらの術を行使している可能性が高い。

あの危険感知・回避の高いハイドラットを倒しているので、ぜひとも詳細が知りたいところだ。



『トリアス・トリスタン・トリニティ』

奇行の多い自称天才魔法使い。

貴族出身のお調子者で目立ちたがり屋。

この間の事件で竜の魔法を再現した稀代の魔法使いとなったが知っての通り嘘である。

マクシミアとしてもこの人物があれを再現することはできないと断言できる。

魔術師ではなく魔法使いなので今後あるいは・・・。

今回は丁度良いので贄となって貰った。

貴重な観察対象の幼女を王都に差し出ずにすんだのは自称再現者の彼のおかげである。

どの道、二度と帰ってくることは無いだろう。

マクシミアは必要の無くなったトリアスの書類を破り捨てた。


そのとき、部屋をノックする音が聞こえた。

こんな時間に誰だろうか?

精霊を使い部屋の外を確認させると、そこにはおもわぬ人物がいた。

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