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第一話主人公

「愛莉!誕生日おめでとう!!」


そう言ってクラッカーを一斉に鳴らしていく。


「えー!皆嬉しいありがとう!」

私はすごく嬉しかった。だって私の成人の日、十八歳になって、私をお祝いしてくれる人がたくさんいるんだから。親に愛されて育ってきた。友達にも恵まれて沢山できた。最高の恩師にも出会えたし、クリスマスプレゼントにもらった犬のぽちゃも元気に私を足元を走っている。そして、私の人生で最高の…

「愛莉、お誕生日おめでとう」

そう言って大きな花束を渡してきた、私の人生で最高の彼氏。高校時代に私に告白してきて、3年間付き合っている。スポーツ万能で、頭も良くて、とても顔が良い彼氏。私のことをとても塾愛してくれる彼氏。

なんて幸せな主人公なのだろう。

私が涙ぐんでいると、親友が肩をポンとたたいた。

「ほら、泣いてる場合じゃないよ!愛莉!ロウソクの火消して消して!」

そこには大きなケーキを持ってきた両親や友達恩師である。

それはもう大きなケーキだ。

「どうやって消せば良いの?!すごい大きい!」

「頑張って消すのよ愛莉!私達頑張って作ったんだから!」

「皆!」

「愛莉また泣いているじゃないか。ほら、俺の腕においで」

「彼氏くん…まってその前に皆、今日は本当にありがとう!!皆がいてくれたから今の私がいるの。きっと皆がいなかったら愛莉という人間は作られなかった!きっと愛莉は神に愛された存在なのかもしれない。そんな愛莉と一緒にいてくれて心からありがとう!!私世界で一番幸せな女の子!」

私がそう言ってニコリと微笑むと皆が涙を流し、まるで愛莉の幸せは自分達の幸せだと感じている気がした。

「愛莉、私達も幸せよ」

両親は手で涙をぬぐった。

すると、大きなケーキは傾いていった。感極まった両親が、手を離してしまったからだ。

「――あ」

ドシャン!!


図6 山田愛莉(2008〜2026)(東京都世田谷区)

誰からにも愛されて育ち、生きてきた。親のお金と美貌のおかげで生きており、彼女自身に才能は見えない。最後の誕生日会で、ケーキに潰され死亡。18才の若さで亡くなった。

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