ep 63 Against The Clock⑧
現在過去分を加筆修正中です。
ep 5まで修正済みで、今後も順次修正していきます。
修正したepは最新話の前書きに記載していきますので、
よろしくお願いします。
(何を言ってるんだ…)
わからないことが多いが、今は観察するしかない。
「勘違いしているようですね。貴方は”ここへ誘い込まれた”のですよ。…厳密に言えば貴方を特定できていたわけではありませんが」
「誘い込まれた、ねぇ」
町中は怪訝そうな声をあげる。
「さっきあんたは俺に”魔法が効かない”と言ったな?どんな魔法を使ったかは知らんが、矛盾するじゃないか。うん、矛盾するが…俺が今どことも知れない森の中にいるこの現状…そうだな、俺は気付けばこの森の中にいた。これがあんたの魔法によるものなら、やはり矛盾する。じゃああんたの”俺を誘い込んだ力”はどこから来てるんだろうな」
「無知を装っても私にはわかってるんですよ。貴方は精霊召喚に関わる一定以上の知識を持ち、それ故にここにいる。ならば答えは一つのはずです」
「ふむ…」
町中の納得したような声が届く。
彼女の魔法は町中には効かず、にもかかわらず町中がこの場所へ誘い込まれたとすると…
(精霊の力を使われたか、仲間の力か)
結界に入る前に一応気配を探ったが仲間らしき人間の気配はなかった。彼女の言うとおり答えは一つ、精霊の力ということになる。ならばその力を行使できるあの女性は召喚術師の一人である可能性が高い。可能性が高いだけで確定しない理由は、基本召喚された精霊の力を行使できるのは召喚術師だけであるが、行使権限を他人に譲渡することもできるからだ。
(まぁ、譲渡された可能性は低いだろうが)
召喚された精霊の力は”洗脳”の力であり、召喚術師の立場で考えれば、譲渡した力が自分達の意図しない使われ方をした場合それを止める術がないからだ。思考に働きかける能力というのは、物理的な能力にも優る。町中の言葉からすると、おそらく召喚された精霊の力は思考の更に奥__無意識の領域に働きかけることができるようだ。
「こう言いたいわけだな?儀式の現場を知ることがトリガーとなり、運命的にここに連れてこられた、と。何のためだ?」
「愚問です」
「そうだな。愚問だった。ならその子はなんだ?何のためにここに縛る」
「彼女は保険です。私が用意した”壁”を突破したであろう貴方なら、想像がつくのではないかしら?」
町中が私の存在を悟らせない言葉選びをしているのはグッジョブである。彼女の駒であろう火球使いの彼を制したのが町中であると勘違いさせている。思い返せば『仮面ライダー』というのはテレビで放送している特撮系ヒーローだった…と記憶している。たしか一人で大勢の怪人と戦うヒーローだ。その名を出すことによって”俺は一人だ”と強調したのかもしれない。私との会話ではわからなかったが、師匠の友人というだけあってかなり場慣れしている。
「その子に何をしたんだ?まさか、何らかの呪いでもかけたんじゃあないだろうな?」
話が核心に迫った。彼女の発言次第で私が加勢できるかが決まる。
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