ep 58 Against The Clock③
実は最初から少しずつ描き直してます。
最新話まで書き直したらまた報告しますので、
読んでいただけたら嬉しく思います。
「龍脈を利用しているか否かで探す場所が変わってきそうだな。だが虱潰しに探していけば良いんじゃないか?」
「話聞いていましたか?彼を速やかに竹野内刑事に引き渡す必要があるんです。ああ、本題から逸れてしまった。そんなことはもういいんです。我々が掴んだ鍵は二つですが、開く扉は一つです。さぁ時間がありません。外に出ますよ」
「…俺への当たりがキツくなってる気がするが」
町中を無視してホテルを出た。町中が渋々ついてくるのが気配でわかる。
「二手に別れましょう。私は龍脈を追うので町中さんは出来る限り言葉を拾いに行ってください」
「別にいいが…範囲広くないか?」
「私は敵がどんな性質の魔力を帯びているか知りませんし、貴方なら言葉を拾えば事件の関係者かどうかくらいわかるでしょう。愚痴は行動してから吐いてください。時間が惜しい。さぁ行きますよ__ああ、町中さん、龍脈は見えますか?」
「あーー…いや。どんなものかは知識として持ってるが、見えはしないな」
やはりか。
町中はこの世界では特殊な術師であるため、見えないのではないかとは思っていた。町中が適当に動いて捜索場所が被るのは避けたいと考えるのが一般的__と言える。
私は適当に魔法を練り、指を鳴らした。二つの蒼い光が町中の眼球を包む。
「これで見えるはずです」
「ほぉ、これが気の流れというやつか」
町中は巨体に似合わず子供のようにキョロキョロ辺りを見回している。
「周防はどこを探すんだ?」
「まずは距離的にも候補に入る朝熊山辺りを探ってみます。町中さんは私とは別方向を探してください。もし敵を見つけても無闇に攻撃しないで私に一報をお願いします。敵が人質に何かしらの魔法をかけている可能性がゼロでない以上、入念に観察する必要がありますから」
「了解。しかし__」
町中はジロジロと私を見下ろしてきた。
「なんです?」
「すごい児童もいたもんだなと」
「………」
町中が師匠の友人でなかったら殴り倒した後月のクレーターの底に沈めているところだ。町中と行動を共にして気づいたことだが、どうやら私は幸いにも話を聞かない人間に出会ったことがなかったらしい。多少いい加減な人間はいてもここまでではない。
言いたくなかったが、言うしかない。
「貴方といると疲れます」
朝熊山は伊勢市から東の方角にあり伊勢神宮にも縁のある由緒正しき山で、標高は高くないが金剛證寺があり、ある種の力が集まる場所として知られている。
私は朝熊山上空約1000メートルで止まり気配を探った。十数人が金剛證寺にいる。山の中腹に三人。金剛證寺を目指して歩いているようだ。敵も相当な使い手であるだろうし、もし此処が当たりだとしても空から気配を探っていては埒が明かない。かといって地上で魔力探知など使えば間違いなく警戒されてしまうだろう。
(此処まで来るのに10分かかったから、あと20分以内に何らかの成果が欲しいな)
朝熊山から少し離れた場所へ降り、20分以内に朝熊山及び金剛證寺の調査を完了するミッションというわけか。
(疾く、完璧にいこう)
私は怪しさを感じない山を一瞥し、着地地点へと向かった。
読んでくださりありがとうございます。
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