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Indigo girl

indigo インジゴ、インドアイと呼ばれる藍色の染料であり、今回の場合鏡崎春の心情を表す。

「がっ!」「増援はまだか!」「持ちこたえられんぞ!」

兵士たちは押されていた。侵入者達は数が多く変則的な動きをする。こちらは停電などの混乱によって散り散りになっている。そこを押されれば勝ち目は――――

「済まない、遅れた」

その声と同時に前の男の体に紅い線が入る。そして兵士の頭を踏み台にして一人の若い男性が飛んでくる。顔に傷が入っていて、左側の髪が白く染まっている、白い服を着た男。侵入者達は後ろに下がる。

「看守長...綾瀬威斗(あやせいと)か」

侵入者の先頭の人物が後ろに下がる、兵士達も後ろに下がる。

「お名前記憶感謝。革命軍参謀殿」

威斗が魔力を集める。



「...ん?もう大丈夫かな?」

男が目覚める。ずっと死んだふりをしていた。呼吸をひたすら殺し、瀬登と春を欺いた。信憑性を持たせるためにもともとのこの戦闘服の持ち主の血を瓶に詰めたっぷりと塗っておいた。おかげで血の匂いがひどい。あの看守に勝てないこともないが面倒ごとは嫌いだ。それに派手な騒ぎを起こせば兵士が寄ってくるだろう。今現在も兵士がこちらに来ているはずだ。

「ルイス、準備できました」

ルイスは言った。

「了解、扉のキーは6698。入力次第最下層に向かえ」



「ぐ...ぐぼっ...」

兵士が血を吐いて倒れる、体には透明な美しい棘が刺さっている。兵士の前には大量の死体が転がっている。その中に何人かの人間が立っている。全員が革命軍と呼ばれる存在、その一番前には青年が居る。青年は奥へ進んでいく。後ろの人間もそれに付いて行く。

「待っていて下さい...先生...」

彼の名は、鏡崎夏目。革命軍幹部にして鏡崎春の兄。


瀬登は春の手を引っ張ってぐいぐいと進んでいく。瀬登は炎の魔法を使うようで、途中で出くわす敵を焼き払いながら進む。春は手を引っ張られながら走る。

「これ...どこに向かってるんですか?」

春は瀬登に尋ねる。

「このフロアの奥に非常階段がある。それを使って上に行くぞ」


「次だ、次に行くぞ」

夏目は進んでいく。その後ろを十人ほどの男女が付いて行く。目の前の扉が勢いよく開く。兵士達だ。距離が遠い、魔法を使うか。

「侵入者だ!撃て撃てぇ!」

「鏡魔法 白薔薇の鏡園」

銃弾が巨大な鏡に阻まれる。マジックミラーになっており、こちらからも向こうの様子が見える。鏡にひびが入っていく。兵士たちは撃ち続ける。夏目達は進む。

「鏡園 決壊」

鏡が割れ、破片が兵士に降り注ぐ。破片は兵士達の装甲を貫通し、兵士たちを殺していく。瞬く間に兵士たちは肉塊へと姿を変えていく。

「今だ!鏡が壊れた!撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

残った兵士が銃を発砲する。夏目達はは恐れずに進んでいく。もうすでに二枚目の鏡は張ってあった。

「浮遊 徘徊」

兵士に刺さっていた鏡の破片が抜ける、まだ生きている兵士に襲い掛かる。兵士の体に鏡が突き刺さる。

「うっうぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

未だ引き金を引く。夏目が人差し指を前に向けて鏡を飛ばす。鏡が兵士の体にぶち当たり、兵士が吹き飛ばされる。夏目は鏡の翅を背中に生やし、兵士を素早く追いかける。パキパキと足に透明の剣が生成されていく。兵士は夏目に銃を向ける。夏目は足を振りかぶる。

「相手が悪かったな」

夏目は言い残し前蹴りを放った。兵士の腹から透明な剣が突き出る。夏目はそのまま加速し兵士を壁にぶち当てて止まった。そして足の剣を消す。兵士は地面に崩れ落ちた。


「銃声が止んだ?嫌な予感がする。鏡崎、俺の傍から離れるな」

瀬登が春を後ろにやる。春は瀬登の後ろに隠れる。そして静かに扉を開ける。扉が少し軋んで開く、目の前に一瞬青年が映る。どこかで見た?春は既視感に襲われた。


「お前が最後か?」

聞き慣れた声、昔よく聞いた声。

「さあ、どうだろうな。侵入者君」

声を瀬登が遮る、止めろ遮るな確かめたい。扉が狭く、おまけに瀬登が塞いでいるので向こう側が見えない。あの姿...一瞬しか見てないが

「どうでもいいが通してもらうぞ」

まさか

「そうか」

瀬登が炎の翼を纏って飛び出す、その業火の中に春は懐かしい顔を見た。その顔は疑問を切り刻んでくれた。でもその顔はこちらを向いてはいなかった、いつも追いかけてた存在。

お兄ちゃん。

さっさと寝ます

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