Episode 9
「⋯今日からお世話になります、森宮未来です⋯よろしくお願いします⋯」
その声を聞いた途端、動かしていた手が止まる。
「⋯あの⋯深沢さん⋯」
「っ⋯!?あ、えっと⋯何?」
「⋯店長から、深沢さんに色々教えてもらうように言われたのですが⋯」
「あ、ああ⋯じゃあ、一通り説明するから⋯」
「⋯はい、お願いします⋯」
倉庫も含めて、一通り説明しながら店内を回った。
健気にメモを取る彼女を見つめる。
「ここまでで、わからないことある?」
「⋯いえ、大丈夫です⋯」
「⋯何かわからないことがあれば、いつでも聞いて」
「はい、ありがとうございます⋯」
早速仕事に取り掛かる彼女を見て、思わず微笑みがこぼれる。
仕事が終わり、帰ろうとする彼女に声を掛けた。
「森宮さん!」
「⋯はい、何でしょう?」
「もしかして⋯森宮さんって音声配信してる?」
「えっ⋯どうして⋯」
「俺のフルネーム、考えたらわかるんじゃない?」
「深沢さんのフルネーム⋯深沢、悠さん⋯」
名前を呟いた途端、彼女の顔が驚きに変わる。
「っ⋯!?ユウ、さん⋯!?」
「まさか、こんな風に出会えるなんてね⋯びっくりしたよ」
「っ⋯ホントに⋯」
「明日からもよろしくね」
「っ⋯はいっ⋯!こちらこそ、よろしくお願いします!」
いつも配信で聞いてる声が近くで聞こえて、運命だと思った⋯




