Episode 7
「ただいま〜」
誰も居ない部屋に声を掛け、ソファに座ってアプリを開く。
小さく深呼吸をして、配信開始ボタンを押した。
アオ『こんばんは〜』
「こんばんは!」
アオ『この前話したバラエティ番組、見てくれた?』
「⋯ごめんなさい、まだ見れてなくて⋯」
アオ『え〜!早く見てほしいのに〜』
「⋯あまりテレビ見る習慣がなくて⋯」
アオ『そうなんだ』
アオ『そういえば、みらいちゃんって甘いもの好き?』
「⋯好き、ですけど⋯」
アオ『だったら、ここオススメだよ!』
いくつかのURLが書き込まれていく。
「⋯ありがとうございます⋯機会があれば、食べてみますね」
アオ『是非、食べてみて!』
アオ『甘いもので、何が1番好きなの?』
「⋯クレープは、よく食べます」
アオ『ケーキは?』
「⋯たまに食べるくらいです」
アオ『誕生日とかクリスマスとか?』
「⋯そうですね」
アオ『何ケーキが好きなの?』
「⋯定番ですけど、いちごショートです」
アオ『めっちゃド定番だね(笑)』
その後も食べ物の話をしながら、ユウさんが居ない事に寂しさを感じていた。
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配信は聞いていた。
コメントをしようと文字を打ちかけ、ふと指が止まる。
なんとなくアオとの会話に入る気になれず、打ちかけた文字を消した。
コメント欄を見つめながら、みらいの声に耳を傾ける。
複雑な気持ちを抱いたまま、配信は終了した。
配信終了の文字を見つめ、深く溜息を漏らす。
今まで配信を聞いていて抱いた事のない感情に戸惑いながら、思わず苦笑いをこぼした⋯




