Episode 5
「おはよー⋯」
誰も居ない部屋に声を掛け、軽く身支度を済ませる。
テーブルにトーストを置き、ソファに沈み込む。
「はぁ⋯」
思わず溜息が漏れる。
休日は苦手だ⋯
何もすることがなく、1日を無駄にしてしまう。
かといって、目的もなく出掛ける気分にはなれない。
「⋯配信、してみようかな⋯」
トーストを食べ終え、慣れてきたアプリを開く。
いつもと違う時間だからか、少しだけ落ち着かない。
小さく深呼吸をして、配信開始ボタンを押した。
ユウ『おはよう』
「っ⋯!ユウさん、おはようございます!」
ユウ『朝から配信するの初めてだよね?』
「はい、初めてです⋯」
ユウ『なんだか嬉しいな』
ユウ『お昼からは予定あったりするの?』
「いえ、何もなくて⋯」
ユウ『だったら、お昼ごはん食べながら配信したら?』
ユウ『ご飯食べながらとか、家事しながらとか⋯配信してる人、結構居るよ』
「⋯ユウさん、聞いてくれますか?」
ユウ『もちろん』
ユウ『俺も同じタイミングでお昼食べようかな(笑)』
「っ⋯!それなら、寂しくないですね!」
ユウ『そうだね』
ユウ『みらいちゃん、お昼何食べるの?』
「何にしようかな⋯」
スマホを持って立ち上がり、冷蔵庫を覗く。
「⋯オムライス、作ろうかな⋯」
ユウ『オムライス、いいじゃん!』
ユウ『俺もコンビニでオムライス買ってこようかな(笑)』
「オムライス、好きなんですか?」
ユウ『好きだよ』
ユウ『みらいちゃんもでしょ?』
「はい、好きです⋯ユウさん、オムライスの他に何が好きなんですか?」
ユウ『ハンバーグ、カレー⋯結構、子供舌かも(笑)』
「っ⋯私も好きです!ハンバーグもカレーも⋯美味しいですよね!」
ユウ『俺たち、食の好み似てるのかもね』
何気ないユウさんの言葉に胸が高鳴った気がした。
その後も2人で他愛もない話を続け⋯
「そろそろお昼ご飯にしますか?」
ユウ『そうだね、お腹空いたし⋯』
ユウ『みらいちゃんがオムライス作ってる間に、コンビニ行ってこようかな』
「じゃあ作る間は一時退室にしますね!また後で⋯」
ユウ『了解、また後で』
一時退室ボタンを押し、オムライスを作り始めた。
自分のご飯を作るのは、いつものことなのに⋯自然と浮かれてしまう。
そんな自分に戸惑いながら、出来上がったオムライスを見て微笑んだ。




