Episode 3
「ただいま〜」
誰も居ない部屋に声を掛け、荷物をソファに置く。
そのままベッドに寝転がり、スマホで検索した。
「⋯これ、かな⋯?」
イヤホンを耳に付け、再生ボタンを押した。
静かに流れ始める音楽。
普段なら聴かないような曲なのに、不思議と嫌じゃない。
「⋯ユウさん、こういうの聴くんだ⋯」
何となく、少しだけ距離が縮まった気がする。
数曲聴いた後、いまだに慣れないアプリを開く。
「⋯今日も来てくれるかな⋯」
前とは違うドキドキを感じながら、配信開始ボタンを押す。
ユウ『こんばんは』
「っ⋯!こんばんは!」
ユウ『今日は緊張してなさそうだね』
「少し慣れてきたかも⋯?それか、配信始める前に音楽聴いてたからかな⋯?」
ユウ『何聴いてたの?』
「ユウさんが話してくれた曲を⋯」
ユウ『聴いてくれたんだ』
ユウ『どうだった?』
「凄く良かったです!」
ユウ『良かった!』
ユウ『俺もみらいちゃんが話してた曲聴いたよ』
「えっ⋯!?聴いてくれたんですか!?どうでした⋯?」
ユウ『凄く気に入った!』
ユウ『通勤時間とか、何回も聴いてる』
「っ⋯嬉しいです!」
アオ『こんばんは、初見です』
アオ『何の話?』
「っ⋯!こ、こんばんは!音楽の話をしてました!」
その後、暫く3人で音楽の話をし⋯
ユウ『そろそろ落ちるね』
アオ『俺も落ちる〜』
「私もそろそろ終わろうかと思ってました!ユウさん、アオさん⋯ありがとうございました!おやすみなさい!」
アオ『おやすみ〜』
ユウ『おやすみ』
配信を終了させ、複雑な気持ちに首を傾げる。
さっきまで楽しかったはずなのに、胸の奥が少しだけ落ち着かなかった。




