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異世界の王女と婚約した私を、日本政府が離してくれない  作者: KMY
第2節 いきなりの隔離病室
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アリシア:隔離入院

わたくし――アリシアは今、真っ白な服を着ています。病院に入院する人はみんなこれを着るのだそうです。

そして部屋に入れられ‥‥え、1人? わたくし1人だけですか? 他の人も1人1室ずつですか?


真っ白な部屋に、ベッドがぽつん‥‥奥の方に部屋がありますね。覗いてみます。‥‥便器っぽいものがありますね。それから‥‥これは何ですか? なんだか細い管がついて、先頭に銀色のものがついていて、銀色のはここが平たくなっていて、無数の穴があいているようにみえますが‥‥これは何ですかね。ここにララがいればよかったのですが。


街の景色も見えます。外はもう夕方になっていますね。四角い箱のような建物がぎっしり並んでいます。ここはシンジュクという地にある『国際感染症センター』という建物らしいのですが、例によってこの景色が見える部分には目に見えない壁がついており、外には出られないようです。三角形を上下逆にした赤色のマークが見えない壁にくっついて、宙に浮いているように見えます。


とかく日本人って、外国人が来たらとりあえず全員を病院に押し込むような国なのでしょうか? これは全くの想定外でした。てっきり最初に内閣総理大臣のところへ連れて行かれると思ったのですが‥‥わたくしの国とはまた常識が違うということなのでしょう。これが日本の文化なので慣れなければいけません。はい。


少しすると、部屋中に声が響きます。


『感染症内科のいわいと申します。大変お疲れと思いますが‥』


女の声です。え、これどうなっているのですか? 頭の中に響くのではなく耳から入ってくるので魔法ではないと思うのですが‥‥どこかに人がいるのですか?

部屋の中を歩き回って探しますが‥‥


『ああ、部屋の中に私はいないです。スピーカーを使っていますから』

「え、スピーカーって何ですか?」


スピーカーという得体のしれないものがこの部屋にあるらしいです。それに、わたくしが歩き回ってるのを見てセリフを変えたのですか? わたくしの行動がどこかから見えるのですか? 怖いです‥‥。


『落ち着いて、他の人も同じ事を言っていたから。大丈夫、大丈夫ですよ』

「はいっ、あ、あの、わたくしたちはこれからどうなるのですか?」

『‥‥ここにいるのは皆さんを閉じ込めるためではありませんからね。問題ないと分かれば絶対に外に出しますからね。異世界から来られたのでしょう。政治的に断定することはまだ難しいですが、わたしたち医療関係者はすでにそういう前提で動いています。異世界ということは、こことは生えている植物も、食事も違うかもしれませんし、そしてこの地球にはない病気もあるかもしれません。例えばあなたたちにとっては問題なくても、あなたたちが地球人と話した時にその地球人が体調を崩すということも考えられます。それがないかあらかじめ検査します。検査には少し時間がかかりますが、できるだけ早く終わるよう進めていきますので、協力してくださると嬉しいです』

「‥‥はい」

『ふふ、どうしてもあなたのことが心配で何度も何度も聞いてきた人がいるんですよ。大切にされていますね』


おそらくペトロナのことです。「部下がご迷惑おかけして申し訳ありません」と謝ります。


『いいんですよ、不安になるのはみんな一緒ですから』

「‥‥はい」

『それで、おそらく身の回りのことが分からないと思うので、後ほど担当者を伺わせますね。ただ、ちょーっと‥‥あなたから身を守るような服装や行動をとってきますので、そこはちょっとごめんなさいね。先に謝っておきます。あなたにもその担当者にはできるだけ近づかないでいてくれると助かります』

「‥‥わかりました、配慮いたします」

『いきなり病院へ入れてひどいことばかりでごめんなさいね、検査が終わったら必ず出しますから』


そのあと担当者という人が来ました。頭に半透明の帽子みたいなものをくっつけて、メガネというにはちょっと仰々しい何かと、大きなマスクをつけていました。そして全身薄い水色の、ワンピースというには地味すぎる服をつけていました。手袋もついています。素肌を出しているのは首くらいですね。

その人はトイレやシャワーの使い方を説明して、最後に食事の受け取り方も説明しました。部屋と廊下の間に挟まれるように前室という部屋があって、まず担当者が廊下からここに食事を置いて立ち去り、それをわたくしが部屋の中から前室に入って受け取るのだそうです。食事が終わったあとも同様にして食器をここに置きます。

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