103 妄想が過ぎる件
「ふふふ……。来ましたね、ついに来ましたよ……!」
深夜の私室――私こと彰様のメイド、一二雫はパソコンモニターを前に、思わず漆黒の笑み……もとい、晴れやかな笑顔を浮かべていた。
現在の時刻は深夜二時。
世間はすっかり寝静まっている時間だが、私の頭の中でナニかがドバドバと分泌され、瞳孔はこれ以上ないほどにガン開きである。
メイドたるもの、彰様の就寝後にこそ真の活動時間が始まるのだ。自分の部屋に戻ってからが本番。そう、メイドは大抵『夜行生物』なのである。ここ大事です。
事の発端は、数時間前。
次回の『集まれVチューバー』において、運営にお願いをして試験的に設置されたVチューバー『フィン』の二次創作ジャンル・フォーラムに、早くもいくつかの創作物データが投稿されたのだ。
イベント運営による一次確認を通過したデータは、そのまま所属事務所である我がPlan_Bへと送信されてくる。
そして、表の業務を担当している平賀あずさがそれを受信し、中身を見ることなく、そのまま裏方の総責任者である私へと横流し……いえ、厳正なる審査依頼として転送してくる手はずとなっている。
「当然の判断ですね。ええ、当然ですとも」
私は淹れたてのダージリンティーを一口啜りながら、キーボードの上で指を躍らせた。
あずさごときが、フィン様……ひいては彰様の高貴なる二次創作物に、私より先に目を通すなど言語道断。彼女は裏方でシステムだけを死守していればいいのだ。
実際としては、それを見て倒れてもらっては困るのでこちらが実験台になってる感じはあるのですけども……。
しかしながら、私はフィン様のキャラクターデザインを手掛けた『原作者』である。誰よりもフィン様のルックス、骨格、毛先の一本に至るまでの造形を熟知し、そして誰よりも彰様という存在を神聖視……もとい、深くお慕いしている。
その私を差し置いて、どこの馬の骨とも分からない輩が描いたフィン様の薄い本……もとい、ファンアートや同人誌を、直接彰様ご本人の目に触れさせるわけにはいかないのです!
「解像度の低い、解釈違いの作品など、この私が水際で防いでみせます!……まあ、どんなフィン様でも美味しいんですけどね!」
というわけで、私はあずさから送られてきた三つの暗号化されたファイルを解凍した。凄まじく厳重になってるファイルを見ると、私でもちょっとだけ引き気味になるのですが、まあ、何かあっては困りますからね。さすがあずさです。
フォーラム開設から爆速で送られてきた、熱意あふれる三作品。
さあ、世の迷える子羊たちが、我らがフィン様をどのように表現したのか。お手並み拝見といきましょう。
私はマウスをポチッとクリックし、一つ目のデータフォルダを開いた。
「ふむ……まずはこれですね。ペンネームは『お嬢様』……? 随分と直球というか、恐れを知らない名前ですね」
フィン様ご本人もこれを確認するということを、作者も分かった上で投稿しているのだから――私も覚悟をもってファイルを開く。
ファイル名は『執事のフィンとお嬢様の日常編』。
表紙データを開いた瞬間、私の手からマウスが滑り落ちそうになった。
「なっ……!?」
そこにあったのは、凄まじい描き込みの、圧倒的な画力で描かれたフィン様の姿だった。
モノクロの漫画形式なのだが、デジタルトーンの処理、ペンの抜き差し、光と影のコントラスト。どれを取っても『プロの犯行』としか思えないクオリティである。
繰り返します。これはプロ、ないしフィン様に頭をやられた人の犯行です!
ページを捲る。
内容は、顔の描かれていない読者視点の『お嬢様』が、まだお布団の中に包まっているところから始まる。
そして、その傍らに控えるのは、非の打ち所がない完璧な執事服に身を包んだ我らがフィン様だ。
『――おはようございます、お嬢様。……まだお布団の中ですか?』
「あ、あ、あああっ……!!」
私は声にならない悲鳴を上げ、思わず自分の口を両手で覆った。
間違いない。これは、有料ダウンロードコンテンツ『執事のフィンとお嬢様の日常編』の完全コミカライズだ!
音声だけのボイスデータだったあのコンテンツを、この作者は完璧なまでの視覚情報として漫画に落とし込んでいる。
衣擦れの音。柔らかく足音が近づき、ベッドの端が僅かに沈む小さな音の表現。
フィン様が窓際に歩み寄り、シャッとカーテンを開けるコマ。光に目を細める『お嬢様』を見るフィン様の、あの慈愛に満ちた少し悪戯っぽい笑顔。
『ふふ、眩しそうですね。しゃんとしてください』
「ひっ……!描写が、描写の解像度が致死量です……!」
私は息も絶え絶えになりながら、マウスのホイールを回した。
漫画の場面は一階のキッチンへと移る。
エプロン姿のフィン様が、軽い鼻歌を交じえながら朝食を準備している。鍋の中でコトコトと煮える野菜スープ。オーブントースターからチーンと鳴る音。それらすべての『音』が、漫画の擬音と見事なコマ割りで脳内に直接再生される。
そして、ダイニングテーブルでの朝食シーン。
熱々のスープと焼き立てのトーストを運んできたフィン様が、不意にスッと手を伸ばしてくる大ゴマ。
『ふふ、口端にパンくずがついていますよ』
『まったく、いくつになっても手がかかるんですから』
フィン様の細く美しい指先が、お嬢様の口元をそっと拭う。
その指先の艶かしさと、呆れながらも甘やかすような視線に、私は心臓を鷲掴みにされた。
「ぐふぅっ……!!」
駄目だ。心肺停止するかと思った。というか、あっちの世界に旅立つところだった。危ない。この作品はASMRを知っている側からすると尊いを越えてしまう。
その後も、午前中の勉強で居眠りしたら『お灸を据える』とからかう悪戯っぽい表情や、午後のティータイムの約束、そしてお出かけ前の完璧な『いってらっしゃいませ』のお辞儀まで。
全二十四ページにわたる、プロ顔負けの美しいコミック。
あの有料ボイスを聴いて限界を迎えた人間が、狂気にも似た情熱で描き上げたに違いない。良くぞ耐えた。そして良くぞ描きあげたものだ。
私は身悶えしながら、最後のページのあとがきと奥付に辿り着いた。
そこには、驚くべき一文が添えられていた。
『もしこれが通るのであれば、次回も描きます。対戦よろしくお願いします』
「……なるほど。だから『通るのであれば』ですか」
私はそこでハッと冷静になり、顎に手を当てた。
よくよく考えれば、この漫画は公式の『有料コンテンツ』の内容をそのままなぞったもの。ネタバレという観点から見ても、二次創作のガイドライン的に言えば、かなりグレーゾーンを攻めている。というか、どうあがいてもASMRの規約違反ではある。
本来であれば、彰様に厳密な確認を取るか、不許可するのが裏方としての正しい筋というもの。
この『お嬢様』というペンネームの作者も、それが分かっているからこそ、この言葉を添えてきたのだ。
たとえこれで自身が消されてもかまわないという精神をまといながら!
(しかし……しかしですよ?この圧倒的なクオリティ……!むしろ公式の販促漫画として採用して、HPにサンプルとして掲載したいくらいの神業です……!)
私の脳内では、生真面目なメイド天使と妄想限界なオタク悪魔の熱い死闘が繰り広げられた。
……結果、悪魔が秒殺で勝利を収めた。
「ええい、まあ、良いでしょう!この圧倒的な推し力と画力に免じて特例として通します!勿論、最終的には彰様にしっかりと確認してもらいますけどね!」
私は深夜の部屋で一人、ガッツポーズをキメた。
なんという素晴らしい世界。なんという供給。彰様の生み出した言葉と声が、こうして誰かの手によって新たな命を吹き込まれ、昇華されていく。
「う、受けて立ちましょう……!!次回もぜひ描いてください!!むしろ私が欲しい!!」
私は興奮冷めやらぬまま、一つ目のデータを『彰様確認用フォルダ』へと丁寧に移動させた。
事後承諾になるが、彰様には私が上手く言いくるめ……ゴホン、ご説明申し上げれば良いだけのことだ。ええ。
さて、深呼吸をして次だ。
二つ目のフォルダを開く。
「おや……? 次は、随分と雰囲気が違いますね」
画面に表示されたのは、先ほどの美しい漫画とは打って変わって、ふんわりとしたパステルカラーで彩られた『絵本』のような全二十ページの作品だった。
データサイズから見て特殊断裁の正方形本!
一般的な同人誌の中でも特殊本の一つ。
ページを開くと、そこには三頭身くらいにデフォルメされた、もっちりとした可愛らしいミニキャラのフィン様が描かれていた。
「か、かわいい……!!」
私は思わずモニターを撫でそうになった。
なにこの生き物。保護したい。
絵本の内容は、ミニキャラのフィン様が朝起きてから夜眠るまでの『執事の一日』を、ほのぼのとしたタッチで描いたものだった。
朝は小鳥のさえずりと共に目覚め、エプロン姿で一生懸命フライパンを振るって朝食を作り、昼間はパソコンの前に座ってVチューバーとして配信をしようとしてマイクのコードに少し絡まっているのが愛おしい。午後は庭のお花にジョウロで水をあげて、お家で家事一式をこなしながら楽しく過ごしている姿が描かれている。
「あぁ……浄化されます……。マイナスイオンが出ています……」
私は完全に限界オタクの顔になっていた。
一つ目の漫画が『致死量の尊さ』だとしたら、こちらは『万病に効く癒やし』である。
デフォルメされているとはいえ、フィン様の特徴である髪のハネ具合や、執事服の細やかな意匠はしっかりと再現されている。作者のフィン様に対する深い愛情と、『可愛いは正義』という揺るぎない信念が伝わってくる素晴らしい作品だ。
「これは……ある意味であぶないですね。可愛すぎて心臓に悪いです。しかし、内容は極めて健全、かつほのぼのの極み。文句なしの【承認】です!可愛い!可愛いは正義!!」
私は鼻息を荒くしながら、二つ目のデータも『彰様確認用フォルダ』へと放り込んだ。
「さて……順調ですね。やはりフィン様のファンは民度が高く、才能にあふれています。この調子なら、私の仕事なんてただの鑑賞会で終わるかもしれませんね。……あずさのシステム構築も、まあ、最低限の仕事はしていると評価してあげましょう」
私はメイドとしての余裕の笑みを浮かべながら、最後の三つ目のフォルダを開いた。
――そして、私は画面の前で完全にフリーズした。
「……えっ?」
表示された表紙のイラスト。
それは、間違いなくフィン様だった。フィン様だったのだが――。
「さ、鎖骨ゥーーーーーッ!?」
私は思わず叫んだ。
フルカラーのイラスト本と思われるその表紙には、いつもの完璧な執事服を首元まできっちりと着込んでいるフィン様の姿があった。
だが、紅茶を注ぐために僅かに身を乗り出したその一瞬の動作――前傾姿勢によって生じたシャツの襟元の僅かな隙間からチラリと覗く『鎖骨』のくぼみが、異様に緻密に、描き込まれていたのだ。馬鹿なのか!アホなのか!でも視線が釘付けになる!
そもそも、この世界において男性の姿を描くこと自体が禁忌に近い。それゆえに肌をあからさまに露出させるような真似はご法度なのだが、この作者は『服をしっかり着せたまま、いかにして色気を表現するか』という業の深すぎる命題に挑み、首元からわずかに覗く鎖骨一点にすべての情熱を注ぎ込んでいる。
「ななな、なんですかこの過激に攻めてる本は!!」
私は慌ててページをスクロールした。
中身は全ページにわたる、フィン様のイラスト集。
手袋を直す瞬間の首筋。
ソファで本を読みながら、ふと顔を上げた時にタイの隙間から覗く肌のライン。
どれもしっかりと着衣状態であるにも関わらず、やたらと強調される『チラ見えする鎖骨』の造形美。
完全なる鎖骨フェチである。本当にありがとうございました。
「あわわわわ……!」
私はマウスを握る手を震わせた。
いや、画力は高い。めちゃくちゃ高い。色気もすごい。チラ見せだからこその破壊力が凄まじい。
私個人の趣味としては、ぶっちぎりで大好物である。右クリックで画像を保存してデスクトップの壁紙にしたいレベルだ。
だが、問題は『これを彰様に見せていいのか?』ということである。
「こ、これは……破廉恥ではないでしょうか?いや、全年齢の範疇ではある……服もちゃんと着ているからルール違反ではない……けれど……。ご本人に見せるには、いささか刺激が強すぎるのでは!?これを見た彰様が『自分の鎖骨がこんなに執拗に見られているのか!?』とショックを受けられたらどうするんですか!」
私は頭を抱えた。
健全かつ完璧なメイドを自負する私としては、ご主人様である彰様にこのような代物を見せるわけにはいかない。弾くべきか? 健全なメイドとしての矜持に従い、リテイクを出すべきか?
だが、悶々と思い悩んでいたその時。
私の脳内に、もう一人の私――『妄想先生』としての私が囁いた。
『おや?禁忌に触れるから却下だと?偽りのメイド服で己の業を隠せると思うな。貴様が欲望のままに描き殴り、闇の祭壇へと捧げた『深淵なる冒涜の書』のほうが、遥かに酷き罪を背負っているではないか』
「ぐふっ……!!」
私は致命傷を負った。
そうだ。私が彰様に内緒で日夜描き殴っているフィン様のイラストのほうが、これの百倍くらい破廉恥で、アウトローで、アブノーマルな内容なのだ。ついこの前も、あずさのせいで政府機関のネットワークに私のポエムウイルスが流出したばかりではないか。
他人の鎖骨イラスト程度で騒ぐ資格など、私には微塵もないのである。
「し、しかし……!だからといって、どこの誰とも知らないイラストレーターの破廉恥本は公式として承認されて彰様の目に触れるなんて……!」
悔しい。原作者としての謎の嫉妬と、隠れ作家としてのジレンマが、私の脳内でぐちゃぐちゃに混ざり合う。
原作者の特権でこれを却下するか?
いや、しかしこのレベルの神絵師をここで潰すのは同人界の損失だ。何より、推しの鎖骨は美しい。
「むむむ……どうすれば……!」
私は五分ほどモニターの前で悶絶した。
しかし、やがてスッと真顔に戻り、メイドの顔を取り繕った。
「……まあ、良いでしょう。採用です」
私は三つ目のデータを、スッと『彰様確認用フォルダ』に移動させた。
「あとは彰様がどうにかしてくださるでしょう。それに、一応全年齢のガイドラインは守っていますし。これを弾くのは表現の自由を奪う行為。ええ、私は主の寛大なる御心に倣う、寛大な審査員ですから」
それに。
(これを見た彰様が、ご自身の少し攻めたイラストにどういうリアクションをされるか……フフフ、ちょっと見てみたい気もしますしね)
本人が自分の鎖骨を強調されたセクシーなイラストを見てどう反応するのか。
照れるのか、ドン引きするのか、あるいは「こういう需要もあるのか」と冷静に分析するのか。観察者としての好奇心が、メイドとしての倫理観に打ち勝った瞬間だった。
「よし、これで三作品すべての確認が完了しましたね」
私は『彰様確認用フォルダ』のショートカットを、明日の朝、彰様が朝食を召し上がった後にでも確認できるように手配を整えた。
ふう、と息を吐きながら、私は背筋を伸ばす。
「……ん?」
そこで、私の思考はピタリと停止した。
待ってください。
他の方の作品がこうして審査され、『彰様確認用』として回され、ご本人のチェックを受けるということは……。
「わ、私が今度のイベントで出す予定の『新刊』も……彰様に見せないと駄目なのでは……?」
誰もいない深夜の部屋に、私の震える声が落ちた。
いや、私は原作者である。公式イラストレーターである。
だが、同時に『妄想先生』というペンネームでゴリゴリの同人活動をしている身でもある。
今回のイベントでは彰様のために、サークル参加して新刊を頒布する予定だ。
過去にネットへ公開したイラストの再録とはいえ、今回のイベントで出す本には、大幅な加筆修正を加えたフィン様のあんな姿やこんな姿をたっぷり描き下ろしているのだ。
「えっ?ということは、今回のイベントでも中身を見られる?自分で描いた限界突破の同人誌を、ご本人に『これで出してもいいですか』って直接見せる!? どんな羞恥プレイですかそれは!」
しかも、このフォーラムのデータ管理システムを構築したのはあの平賀あずさだ。
私が『妄想先生』としてデータを登録した瞬間、なんの忖度もなく彰様の確認用フォルダに直行する可能性が極めて高い。
「え、大丈夫ですか?これ大丈夫ですか???」
冷や汗が滝のように背中を伝う。
ご本人にバレないように細心の注意を払って隠蔽してきた私の漆黒の妄想録が、イベント運営の正規ルートを通って堂々と彰様の眼前に献上されてしまうかもしれないのだ。
他人の鎖骨イラストを承認して余裕ぶっている場合ではなかった。私の本こそが地雷原の上でタップダンスをしているではありませんか!
「うおおおおお……!」
私は再び頭を抱え、モニターの前で悶絶した。
自分の首を絞めるシステムを喜々として回していた数分前の自分を殴りたい。
だが。
それでも三分ほど机に突っ伏してジタバタしたのち、私はスッと顔を上げた。
「……まあ、きっと大丈夫でしょう」
私は冷めたダージリンティーを飲み干し、現実逃避という名の強固なシールドを展開した。
いざとなれば、あずさのシステムのバグのせいにするか、何らかのネットワーク障害を装って自分のデータだけ審査ルートから隠蔽すればいい。ええ、優秀なメイドである私なら造作もないことです。……たぶん。
「先のことを悩んでも仕方がありません。今は、この素晴らしい供給に感謝する時です」
無理やり心を落ち着かせ、私は再びメイドの顔を取り繕った。
まだイベントまで日があるというのに、フォーラム開設直後でこの熱量だ。これから先、本格的に告知が広がれば、さらに多くの、そして多様な作品がこのPlan_Bへと送られてくることになるだろう。
王道のASMRコミカライズ、癒やしのミニキャラ絵本、そしてちょっと攻めた鎖骨イラスト集。
次はどんな作品が来るのか。小説か、グッズのデザインか、はたまた私の想像を超える狂気の産物か。
「……フフッ。まだまだ、これからもこんな感じで本やグッズのような物が送られてくると思うと、楽しいですね。ええ、とっても」
私の少しだけ引きつった、しかし心からの歓喜に満ちた声が響き渡る。
Vチューバー『フィン』の波は、確実に広がっている。
原作者として、メイドとして、そして『妄想先生』として、この熱狂の渦の最前線で彰様の軌跡を浴び続けられる特権。
(私自身の首の皮が一枚繋がっているかどうかはさておき……)
「さあ、次はどんなフィン様を見せてくれるんですか?期待して待っていますよ、全国の同志の皆さん……!」
私はモニターに映るフィン様の美しい姿に向かって、一抹の不安を胸の奥に押し込みながらも、優雅に、ねっとりと笑いかけたのだった。




