九話 え?ビビってただけなのに聖騎士団長?ムリムリ!!
僕は、アイリとセリさんにがっつり両側でホールドされて騎士団へ強制的に送還される。
……犯罪は犯してねぇよ。
うっ、そういえば、中学の時に借りパクしたゲームソフト僕の尻で破壊したんだった。
いまだにバレてないからセーフ。
てか、待てよ?ポチ置いて来てる!
「ハッハッハッ。」
おっ、ポチ自ら来てくれたのか。
まじで忠犬じゃねぇか。
受付嬢が言ってた“なんとか狼”って名前には全然見えない。
どう見ても大型犬だろこいつ。
ほら、真っ先に僕の頬を舐めてくれたよ?
見間違いも甚だしいな!
無性にムカついて来た。
ポチを悪く言うなぁぁぁぁあ!!!
……はい。
ってしてる間にもどんどん騎士団教会に近づく。
……あぁ帰りてぇ
「もやし様の目がキラキラとしていらっしゃる♡相当騎士団教会にご興味があるようですね!」
アイリさんどこをどう見たらそうなるんですか?
キラキラしてねぇよむしろ歪んでるわ。
『あ、あーマイクテスト、マイクテスト。』
おい、僕の脳内で勝手にマイクテストするな。
『お、行けたな。これからこんな感じで、住み着くからよろしく。』
家賃とるぞ、ゴラ!
「コウ様。つきましたアバシリ騎士団教会です。」
す、すげぇ。
なんて語彙力が低下する綺麗な建物なんだ。
この社畜でも建築検定2級なんだが?
あぁ、僕は建築家になりたかったんだよなぁ。
僕はなんでブラック企業で働いていたんだっけ?
まぁ、今となっては関係ないことだが……。
(もやし様が足を止められた……?これはきっと騎士団が二度と危機に陥らないように祈りをささげている!なんて慈悲深いお方!)
アイリの勘違いはF1カーのように加速していく。
「もやし様、本当に申し訳ございませんが祈りをやめていただいて中に入りますよ。」
祈り?ただぼーっとしてただけなんだが。
騎士団の教会の中は案外広いな。
今のところは80点ってところだ。
僕は辛口だぞ、グフフ(暗黒微笑)
てか、さっきから聖騎士の見る目がすごいな。
ですよねぇ〜こんなもやしが入団するんだもんな。
怒りますよねぇ……。
まじで帰りたい。
「もやし様♡これから騎士団長選抜会議に出てもらいますよ。」
ん?
は?
はぁぁぁあ?
騎士団長?
嫌だ、嫌だ、嫌だぁぁぁあ!!!
「ねっ騎士団長♡」
僕はアイリとセリさんに半ば強引に僕を会議室に連行する。
会議室の椅子に強制的に座らされる。
おっ、意外と柔らかい……。
合格基準は満たしたな。
『なんの基準だ?』
うるせぇ。僕基準だわ。
少なくとも実家のソファーの数百倍は柔らかい。
床かよってな……。
「もやし様には、先日のαとの戦いで戦死した。ジーク聖騎士団長の後を継いでいただきたいのです。」
僕の右正面には誰も座らない空席がある。
きっとそこにジークさんは座っていたのだろう。
『α様が強かったと唯一お認めになさった男……もやしはそれに並ぶ存在……。』
いやいや、並ぶわけねぇだろ。
絶対僕がならんじゃいけないやつだよ?
「あなたには、強さに加えカリスマ性があります、今の溺れてる騎士団を再び浮き上がらせてくれる浮き輪となってくれるのです!」
浮き輪って例え雑すぎだろ。
「お願いいたします。どうか、私たちをお救いください。」
おいおい、アイリとセリさんが土下座してきたぞ。
これで二回目。
一日に何回土下座するんだよ。
でも、なんか浮き輪ってのも悪くねぇな?
「わ、わかったよ。顔を上げてくれ。」
「「え?やってくださるのですか!!!」」
「は、はは……。」
「コウ様ぁぁぁあ」
苦しいぞアイリ、セリさん。
急にに抱き着かないでくれ。
勘違いのまま、聖騎士団長が爆誕した。
【次回予告】
騎士団長選抜会議。
つまり。
偉い人達が集まって、
僕の人生を勝手に終わらせる会議である。
逃げたい。
だが周囲の目はキラキラ。
「歴代最強……。」
「まさか悪魔を従えるとは……!」
違う違う違う!
あいつ勝手に住み着いただけだから!
しかも。
「では実力を見せていただきましょう。」
始まる任務。(早いわ!)
終わった。
僕の人生、完全終了である。
次回——
「石ころで竜倒しました」
聖騎士達の勘違いは、
今日も絶好調です。




