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二話 ペットが増えました


ふぅ落ち着け落ち着け僕。


とりあえず深呼吸してみる。


……ダメだ。


心臓はバクバクだし、足は震えっぱなし。


こういう時、テンプレ主人公ならステータスウィンドウが出るはずだ。


そうだステータスウィンドウ!


「オープン!」


しかし、ウィンドウは開かない。


(あれ?開き方間違えた?)


僕が焦ってる間にも狼はグルグル唸ってる。


やばい早くスキルを見て対策を練らないと。


できれば、チートスキルがいいな。


ってか普通そこは美女女神が説明する流れだろうが!


クソォ、一つだけ連れて行けるならどれがいい?って聞かれたら間違いなく女神っていうのに!


「ステータスオープン!」


——シーン


狼が「何してんだこいつ」みたいな目で僕を見る。


(まさかだけど……。)


ウィンドウない系……?


え?チートスキルは?ないの?


「お、お、終わったァァァア!」


僕は狼の前で汚い高音を響かせた。


狼が耳を塞ぐように蹲る。


……うん。


自分でも引くくらい汚い悲鳴だった。


ごめん。


って狼に謝っても仕方ない。


ここはいかにプラマイゼロでこの場をやり過ごすかだ。


スキルがわからない僕は、丸腰で行ったら間違いなくフルボッコにされる。


せめて魔法があるかないかくらいは知りたかったな。


ほんと不親切だな。


適切な市民対応がなってねぇぞ。


とりあえず、腹に力入れてみるか?


「ふん!」


……はい、何も起きないですよね。


狼は唸りながらこちらを見ている。


……だが、飛びかかってこない。


というか。


少し距離を取っていた。


え?


なんで?


怖いのそっちじゃなくて僕なんだけど?


狼の視線が妙に怯えている気がして、僕は逆に怖くなった。


――皇帝狼エンペラーウルフは、目の前の存在を理解できなかった。


最初はただの人間だと思っていた。


弱く、頼りなく、簡単に踏み潰せる存在。


だが。


「ふん!」


その一声から、全てが変わった。


空気が、歪む。


理屈ではない。


本能が叫んでいた。


――勝てない。


近づいてはいけない。


(……何だ、こいつは)


これは獲物ではない。


捕食者でもない。


もっと上の“何か”。


皇帝狼はゆっくりと姿勢を低くした。


それは、降伏というより――


生存の選択だった。


「クゥン。」


狼は突然姿勢を低くし僕に擦り寄って来た。


「え?」


僕は流れで狼の体を撫でる。


実家の犬のように。


おっと、意外とフワフワしてて触り心地いいじゃないか。


僕が撫でると狼はペロペロと僕を舐める。


僕のペットじゃねえか。


なんだ?


態度を急に変えやがって、さてはツンデレだな?


甘えたいなら最初から言えよ。


「なぁポチ、人里知ってる?」


(ノリで名前付けたけど、まぁいいか)


狼は尻尾を振った。


ネーミングセンスが終わってるとは言わせない。


犬といえばポチ、猫といえばミケ。


完璧すぎるテンプレだ。


べ、別に思いつかなかったとかじゃねえし。


ポチはスタッと僕の膝から降りると尻尾をフリフリしながら先導し始めた。


新しいペットが増えました。

【次回予告】


異世界転移したらステータスを見る。


これは常識だ。


チートスキルで無双し、

可愛い女神に褒められ、

気づけば最強。


……のはずだった。


コウ「ステータス出ないんだけど!?バグ!?仕様!?運営仕事してる!?」


さらに。


なぜか巨大な狼がついてくる。


しかも敵意ゼロ。


むしろ懐いている。


コウ「え、俺ってテイマー枠だったっけ?」


「次回、英雄なんて知りません!」


異世界さん、そろそろ説明お願いします。


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― 新着の感想 ―
なるほど、そーゆーことね。 このすばが乱入してきてたな。途中⋯⋯。
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