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十二話 暗黒龍ニャルゼニュート、今日からコムギです


……龍も寂しいんだな。


って思った僕がいる。うん、この涙とか見ちゃったらもう、変なこと言えないよ……。


困ったなぁ……。


人が増えることには全然困らない、むしろ話し相手が増えて嬉しい、元社畜の僕にとって、美少女が話し相手になってくれるなんて夢に思ってないむしろサイコーフォォォォォオ!!


……うるさいですねすみません。


とりあえず頭を撫でて安心させてあげよう。


い、いい香り!?髪からフレグランスな香りが!


それに、あったかいし、近所の子供を撫でてるみたいだ。


それにしても猫みたいに甘えてくるな、この龍。


『それにしても猫みたいに甘えてくるな、この龍。じゃねぇんだよ。こいつが本気出したら日本は消し飛ぶぞ。』


「別によくね」


『!?』


「だってなんかそんなことしなさそうだよ?」


暴力の悪魔(グラトニー)よ僕の人を見る目はすごいんだぞ!


どんなふうにすごいって?


……こう、何というか……まぁ……うん……えっと……


「もやし様♡」


あ、やべ、その声は………。


チェンソーを吹かせ走ってくるアイリさん


相変わらずいい体してんな。


「……竜はどうしたんですか?」


何だこのトーン!?こ、怖い。


「今撫でてるしょう……」


「引き裂き(オーガブレイク)」


え!急に襲ってきた!?


僕は華麗な避けを披露してニャ……あぁもうめんどい。


目の色が小麦色だしコムギで。


後で言っておこ、それよりアイリさんどした?


「もやし様、下がっててください。その竜は人を喰う。」


「まぁ、そうなんだけど……」


「まぁ、そんなんだけど、じゃない。人のためなら例え唯一神だって手にかけられる。」


ま、まずいぞ、コムギを守りながらアイリさんの攻撃を耐え抜く……


無理ゲーかよ!?


『はぁ……貸せ。』


何を?


『体をな!』


——悪魔憑依(グラトニー)


『悪いな、野望のためには死なれては困るんだよ!こいつはな!』


「……まとめて倒すしかないのね。うっ」


っておいおい、今日僕は何回人を泣かせるんだ!?


アイリさん、む、無理しなくていいから息を吸って!


暴力の悪魔(グラトニー)は勝手に僕の体を使って戦いを始める。


へぇ、あの杖みたいなやつ僕も使えるんだ。


あと使用料金40000円な。


「ヤギの仮面……。なるほど。」


え?ヤギの仮面僕も装着してるんすか?


ついに僕もイケメンビジュアル獲得か。(キラン)


『お前本当に命かけた戦いしてる時の考えか?これ。』


その間にも互角の戦い!? 天下のアイリさんだお!?


なんだよ、「お」ってさすがに笑うぞ僕。


「どいて!憎き竜を自分の手で倒すのよ!」


『おいおい、小娘、前と何にも変わってないぞ?』


「うるさい!悪魔部勢が!」


——肉片(スクラップ)


……!?スクラップ!?技名が絶対やばいって!?死ぬって!?


——ブゥウウン!!


あ、オワタ。対戦あざした。うなじにチェンソーの刃がついて……、ってあれ?


「グッ……。」


……躊躇するなよ。


もう、覚悟は決まってるし。


「フッグッ……。」


泣かなくてもいいじゃん。可愛い顔が台無しだよ。


目元くらい拭いてやるか?


頑張れ僕、今日一日全ての勇気を使え!


フォォォォォオ!!


あと数センチ……。


でも、いいのか?僕なんかが触れて……。


『さっさとやれ!』


グワ!!


おま、お前!!心の準備があるだろうが!!


や、やべ触れちまった。


ほら、キョトンとしてるじゃん!?


な、なんか言わないと……


な、何いう?えーとえーと、あ!


ラブコメのイケメンのセリフパクろ。


も、もちろん僕が先に思い付きましたけど???


「アイリさん、あなたが竜にどんな感情を抱いているかなんてもやしの僕にはわかんない。」


「そ、そうよ!私は、両親を喰われた!体も残らなかったわ!」


げ、まじかよ……こっからどう和解に持ってくんだよ……。


「竜を憎む気持ちを僕は否定しない、もちろん簡単に否定するなら迷わず切ってくれ。だけどさ、僕が見たコムギは、ただ寂しくて泣いてる女の子だった。」


「だから!!」


ビク!怖ぇえけど、伝えないとずっと苦しむぞ。


「過去の竜に奪われた分まで、今の幸せを諦めないでほしい。」


シーン。


でも、アイリさんは怒らなかった。


ただ、震えていた。


あれ、なんかやばいこと言ったか?


社畜スキル土下座解禁か?


バサッ!ちょ!バカ!チェンソー出したまま抱きつかないでぇ〜


「うわーん。わ、私はもうどうすればいいんですかぁ」


ま、まじか、小さな子供のように泣いてしまった。


とりあえず頭撫でとこ。


うん触り心地よし、さすが副聖騎士団長だ。


「と、とりあえず健やかに生きてくれればそれでいいかなぁ?」


「もう、ずっと離さない〜もやし様ぁ゛♡近づく不純な奴は全て切り刻みますぅ〜」


あ、あれ?適当なこと言ったはずなのに、もっとヤンデレが加速した?


副聖騎士団長が泣き止んだと思ったら、


「もやし様♡」


……うん、悪化してる。


さらに暗黒龍コムギまで懐き始め、


そこへメスガキ・セリも乱入。


僕を巡るキャッツファイトが開幕!?


いや、僕は景品じゃないんだけど!?


そして、最終章試験の参加者一覧を見たアイリさんが一言。


「……エリック?」


その瞬間、笑顔がさらに眩しくなった。


「もやし様、特訓内容を変更します♡」


嫌な予感しかしない。


素振り五千本。


無属性魔法。


魔法書の山。


千本組み手。


……待って、これ試験より特訓の方が難易度高くない?


次回――


『地獄の特訓♡ 〜鬼教官とヤンデレは紙一重〜』


もやし、生存なるか。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 あの、その、なんといいますか⋯⋯? やはりスゴい世界観デスネ。(・∀・) 執筆頑張ってください。
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