十一話 暗黒竜が告白してきました
久しぶりなんで軽くおさらいをしておこう。
僕は雑草よりも弱い社畜公だ。
しかぁしなぜか、聖騎士団長にまで祭り上げられてしまった被害者だ。
そして今回は兵士にヘイトを向けるために石ころを放ったら暗黒竜が土下座をした……
思考停止したとしたらあなたとお使いの端末は正常です。
あれ?龍の姿が……?
おいおい待てよ……
なんでよりにもよって美少女なんだよ?
しかも龍と少女の合体系やんけ!?
この世界ヤンデレ、メスガキ、龍人種にてんこ盛りかよウッヒョ~
社畜でよかったぁ……
なんてことはない。嘘です。
はい……。
「あなたは、妾を石ころ一つで倒した!」
怒ってますね〜はいオワタ。
ここから間に合う保険ありますか?
もちろんあるわけねぇだろ!?
落ち着け、息を吸って吸って吸って……
って吸ってしかねぇ!?
「ま、まさか更なる攻撃を……待ってくださいご主人様。」
ん?なんか聞き捨てならんこと言ったぞ?『ご主人様』?
待て待て?
……は?
スッゲェ嫌な予感が……。
『おいおい嘘だろ?暗黒竜だぞ?下手したら俺と同等の強さだぞ?』
暴力の悪魔が珍しくビビる。
お前がビビってどうすんだよ!ビビるのは俺の役割だろうが!?
暗黒龍はなんかマジマジと顔を赤らめ僕の方によって来る。
なんだ?なんだ?ガチで怖いんだけど。
「そ、その、竜人族の掟で強者と番になるっていう風習があるんです……。」
あるんですと言われてもな、僕はクソザコもやしだぞ。
「妾は、ご主人様の強さに惚れてしまいました。婚約しましょう。」
……?!?!
驚きが強すぎて記号が逆になってしまった。
婚約?婚約だと?What?
え?出会って数分で結婚?
前世でやりたかったわ、おい!?
人間の美少女と、僕がハンカチ拾ってあげて?どうぞとかやりたかったわ!
意外と落とさねぇんだよハンカチ、落とせやゴラァ!?
よりによって暗黒竜と結婚って僕の人生どうなってんだよ?
「わ、妾何でもできるぞ、そ、掃除、せふぇんたく。などなど……」
どんだけ緊張してんだよ?掃除しか聞き取れなかったぞ?
僕と婚約してもこいつが可哀想だ。
「僕とは婚約してもいいことが……」
「グスン。」
や、やべぇ女の子を泣かせてしまった。
このままだとクズルートまっしぐら!?
このままだとまだ希望のあるキャッキャウフフが完全ストップだ。
何とかしなくては!
こういう時は……
女性経験の無さがここで出るかぁ〜。
うわあマジでどうしよう?
頭撫でるか?いや、コンプラ違反……
ってそんなこと考えてる場合じゃねぇ!?
ワンチャン殺されるぞ!
『お前が殺されると人類滅亡の野望が……。』
うるせぇ!あぁもうやってやる!
「お、お前もさ、可愛いんだし、僕以外にもきっと婚約相手いるって、僕では釣り合わないよ、な?だから、お前が幸せになれる道を歩んで欲しいわけよ僕は。」
頭を優しく撫でる。
……髪、サラサラだな。
こんな素敵な人と、僕なんかが釣り合うわけない。
「グ、ピギャー!!」
グォ!?急に僕に抱きついてきた!?
ちょっと苦しいけどこんなの初めて。
ミシミシ……
!?待て?僕の体が逝く!?
「可愛いなゆていわ゛らたことありません〜いっつもバケモノとか言われて悲しかったんです〜一生妾のそばにいてください〜。」
お、終わった。
何で別方向で終わるんだよ!?
暗黒龍との婚約騒動。
……まだ終わってません。
コウ「終わったと思わせてくれよ!」
とりあえず名前を呼ぼう。
ニャル……ゼ……ビュ……
無理。
コウ「今日からコムギ。」
本人「コムギ……!」
満面の笑み。
いや、そんな嬉しいの!?
その頃。
アイリ「コウ様、お話があります。」
コウ(嫌な予感しかしねぇ。)
ブゥゥゥゥゥン……
コウ(その予感だけは当たるな。)
次回——
「暗黒龍ニャルゼニュート、今日からコムギです」




