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第61話 落ち着かない休み

 十二月三十日。


 ラクトセラムの敷地内は、いつもより静かだった。


 来客用入口の前に人影はほとんどない。

 一階の受付も、通常時より少ない人数で回している。

 照明も一部だけになっていて、昼間なのに建物の中が少し広く感じられた。


 それでも、完全に止まっているわけではない。


 二階の医務課には人の出入りがある。

 地下へ向かうエレベーターも、一定の間隔で動いている。

 搾乳室と品質管理課は、年末という言葉とは関係なく稼働していた。


 年末休み。


 そう呼ぶには、どこか落ち着かない数日だった。


 彩佳は朝の散歩を終えて、寮の食堂に向かっていた。

 左耳には補聴器をつけている。

 最近は朝から午前中の間なら、つけたまま過ごせる時間が少しずつ伸びてきた。


 食堂の音も、前ほど全部が刺さるわけではない。

 ただ、皿が重なる音や、椅子を引く音が近いと、まだ身体が少し強張る。


 入口近くの掲示板には、年末年始の食堂運用についての案内が貼られていた。


 通常提供は三十一日まで延長

 一から三は休止。

 医務課・品質管理・搾乳関連勤務者向けには時間をずらして提供。


 その下には、帰省制限の案内がまだ貼られている。


 原則帰省禁止。


 何度見ても、淡々とした言葉だった。


 食堂に入ると、早苗がちょうど端の席に座ろうとしていた。

 トレーの上には、ご飯と味噌汁、卵焼き、小さな和え物。

 年末らしさはあまりない


「年始のご飯どうする?」


席に座ると早苗から聞かれる


「買出し行かないとまずいね、お店も休みになっちゃうだろうし」


「午後に少し買い出し行く?」


「行きたい」


「じゃあ、午後の体調次第ね」


 いつもの返しだった。


 彩佳は少しだけ笑う。


 こういう会話が、今は安心する。


 約束をして、でも無理ならやめる。

 前なら、予定を変えることが少し苦手だった。

 決めたことはやらないといけない気がしていた。


 でも今は、体調次第、という言葉を少しずつ受け入れられるようになっている。


 食事を始めて少し経った頃、茉莉が食堂に入ってきた。


 年末休みに入ってから、茉莉は医務課へ行くことはなくなっている。

 納品も契約処理も一度止まっているため、経理としての用事も減っていた。


 だから本来なら、少し休めるはずだった。


 けれど、茉莉の顔色はあまり戻っていない。


 彩佳が手を振ると、茉莉は少しだけ迷ってから近づいてきた。


「おはよう、茉莉ちゃん」


「おはようございます」


「座る?」


「はい」


 茉莉は二人の隣に座る。

 トレーの上の量は少なかった。


 早苗がそれを見て、眉を寄せる。


「それだけ?」


「あまりお腹空いてなくて」


「昨日もそんな感じだった」


「そうでしたっけ」


「そう」


 早苗の声は淡々としている。

 でも、少しだけ厳しい。


 茉莉は箸を持ったまま、困ったように笑った。


「年末だから、生活リズムが少し崩れてるだけです」


「年末関係ある?」


「あります。たぶん」


「たぶんばっかり」


 早苗が言うと、茉莉は小さく肩をすくめた。


 彩佳は二人のやり取りを見ながら、コップを両手で包む。


「茉莉ちゃん、眠れてる?」


「……眠れてます」


「ちょっと間あったよ」


「先輩まで早苗先輩みたいなこと言わないでください」


「早苗に鍛えられてるから」


「彩佳はまだ鍛え足りない」


「ひどい」


 彩佳が言うと、茉莉が少し笑った。


 笑ったけれど、すぐに目元の疲れが戻る。


 早苗はそれを見ていた。

 問い詰めるようなことはしない。

 でも、明らかに気にしている。


「年始、五日から私も戻るから」


 早苗が言った。


 茉莉が顔を上げる。


「はい」


「経理、分からないことはその時聞いて」


「……はい」


「それまでに変に抱え込まないこと」


 茉莉は視線を落とした。


「はい」


 返事は小さかった。


 彩佳はその横顔を見て、胸の奥に小さな引っかかりを覚える。

 何かを隠しているように見える。

 でも、何を隠しているのかは分からない。


 それを無理に聞けるほど、今の彩佳には自信がなかった。


 ただ、言えることだけを言った。


「茉莉ちゃん、年末一緒にご飯食べようね」


「え?」


「どうせ寮にいるし。早苗もいるし」


「私はいる前提なんだ」


 早苗が言う。


「いるでしょ」


「いるけど」


 茉莉は少しだけ目を丸くして、それから小さく頷いた。


「……ありがとうございます」


「大げさ」


 早苗が言う。


「いつもと変わらないでしょ」


「でも、ありがたいです」


 茉莉の声は少しだけ掠れていた。


     *


 三十一日。


 大晦日。


 朝から本社はさらに静かだった。

 来客はない。

 事務フロアの多くは照明を落としている。


 それでも、医務課と地下は動いている。


 PLXの投薬対象者は、年末でも決められた時間に薬を飲む。

 副作用があれば医務課へ行く。

 搾乳対象者は、決められた時間に搾乳する。

 検体は回収され、品質管理へ送られる。


 彩佳は午前中、寮の窓から本社を眺めていた。


 冬の白い空の下で、建物は静かに見える。

 でも、その中では何人もの人が動いている。


 年末のニュースでは、帰省を控えるよう呼びかける声が流れていた。

 感染者数は減っていない。

 医療機関の逼迫も続いている。

 経鼻予防薬への期待という言葉が、画面の端に何度も出る。


 期待。


 その言葉を見るたびに、彩佳は左耳の後ろに触れた。


 補聴器は今日は外している。

 朝の散歩と食堂で少し疲れたため、部屋では静かにしていた。


 静けさは楽だった。


 でも、完全な静けさではない。

 右側からは、廊下を歩く音が聞こえる。

 誰かの話し声も、遠くにある。


 左側だけが少し遠い。


 それにも少しずつ慣れてきている自分がいた。


 慣れることが、良いことなのか。

 諦めることなのか。


 まだ分からない。


 午後、早苗が部屋に来た。


「買い出し行く?」


「行ける」


「無理してない?」


「午前中休んだ」


「じゃあ短め」


「うん」


 二人は近くのスーパーまで歩いた。

 年末の店内は、寮や会社の中とは違う賑わいがあった。


 惣菜売り場。

 年越しそば。

 小さな鏡餅。

 正月用の飾り。

 家族連れ。

 買い物かごいっぱいの食品。


 彩佳はその光景を見て、少しだけ不思議な気持ちになった。


 世の中はちゃんと年末をしている。


 ラクトセラムの中では止まらないものがあるのに、外には別の時間が流れている。


「何食べる?」


 早苗が訊いた。


「そば?」


「大晦日だしね」


「茉莉ちゃんも誘う?」


「誘おう」


 早苗は即答した。


 その返事が少し嬉しかった。


 そばと惣菜、3日間分の簡単な食事を買って、二人は寮へ戻った。


 帰り道、彩佳は少し息が上がった。

 荷物はほとんど早苗が持ってくれている。

 それでも、人の多い店内を歩いた疲れが後から来た。


「大丈夫?」


「大丈夫。ちょっと疲れただけ」


「帰ったら休む」


「うん」


 今は素直に頷ける。


 それだけでも、少し前とは違う。


     *


 大晦日の夜、寮の食堂はいつもより人が多かった。


 帰省できない寮生たちが、それぞれに年越しを過ごしている。

 テレビでは年末番組が流れ、ところどころ笑い声が起きる。


 でも、その笑いの合間に、医務課から戻ってきた社員が静かに席につくこともあった。

 眉間に皺寄せて目頭を押さえている社員もいる。

 頭痛があるのだろう。


 彩佳たちは端の席に三人で座った。


 早苗が買ってきたそばを並べ、茉莉が遠慮がちに箸を持つ。


「すみません、私の分まで」


「誘ったのこっち」


 早苗が言う。


「でも」


「でも禁止」


 彩佳が言うと、早苗が少し笑った。


「それ私の台詞」


「使ってみた」


「使い方は合ってる」


 茉莉が小さく笑う。


 久しぶりに、少し自然な笑いだった。


「年越しそば、実家でも食べる?」


 彩佳が訊く。


「食べます。でもうちは、そばというより、野菜が沢山入った汁物みたいになります」


「おいしそう」


「量だけはあります」


 茉莉は少しだけ懐かしそうに言った。


「兄弟多いので、普通の量だとすぐなくなるんです」


 早苗が静かに訊く。


「何人だっけ」


「七人です。私、三番目で」


「多いね」


「はい。だから、食事は戦争です」


 茉莉は笑った。


 その笑い方は、少しだけ本物に近かった。


「上のお兄さんとかお姉さんは?」


「実家の手伝いと、近くの工場です」


 茉莉はそばを少し混ぜながら言う。


「私だけ、外に出ました」


 言葉の端に、わずかな重さがあった。


 彩佳はそれに気づいたが、深くは聞かなかった。


「寮、最初はどうだった?」


「すごく綺麗だと思いました」


 茉莉は即答した。


「食堂もあるし、部屋も一人だし、お風呂もちゃんとしてるし。こんな会社に入れて良かったって、ほんとに思いました」


 その言葉に、早苗の箸が一瞬だけ止まる。


 ラクトセラムは、確かに良い会社に見える。


 待遇もある。

 寮もある。

 食堂もある。

 給料も高い。

 学歴や出身を強く問わない。


 だからこそ、事情を抱えた人が集まる。


 そして、その身体を会社の仕組みの中へ置いていく。


「今は?」


 早苗が訊いた。


 彩佳は少しだけ早苗を見る。

 踏み込んだ質問だった。


 茉莉はすぐには答えなかった。


 テレビから笑い声が流れる。


 少しして、茉莉は言った。


「分からないです」


 声は小さかった。


「良い会社だと思います。今でも」


「うん」


「でも、良い会社って、何なんでしょうね」


 前にも同じようなことを言っていた。


 彩佳は、その言葉が茉莉の中にずっと残っているのだと分かった。


 早苗は静かに答える。


「分からなくなったら、分からないままでいいんじゃない」


「いいんですか」


「無理に答え出すと、たぶん間違える」


 早苗の言葉は淡々としていた。


「今は、変だと思うことを変だと思ってればいい」


 茉莉は顔を上げた。


「変だと思うこと……」


「それをなくしたら危ない」


 早苗はそばを一口食べる。


「彩佳もそうだったでしょ」


「私?」


「変だと思う前に、自分が頑張ればいいって思ってた」


「……否定出来ない」


 彩佳は苦笑した。


 茉莉は二人を見ていた。


「私、変だと思っていいんですか」


 その問いは、誰に向けたものなのか分からなかった。


 会社か。

 自分か。

 今起きていることか。


 彩佳は少し考えてから答えた。


「いいと思う」


「でも、変だと思っても、何もできないかもしれません」


「それでも」


 彩佳はゆっくり言った。


「思わないよりは、いいと思う」


 茉莉は目を伏せた。


「……はい」


 年末番組の賑やかな音が、少し遠くなった気がした。


     *


 その夜、彩佳は部屋に戻ってから、スマホで母に短いメッセージを送った。


『今年は帰れないけど、元気です。よいお年を』


 少し迷ってから、写真を一枚添付した。

 食堂で早苗と茉莉と撮った写真だった。


 すぐには返事は来なかった。


 彩佳はベッドに横になり、天井を見る。


 元気です。


 その言葉が本当かどうか、自分でも少し迷う。


 完全に元気ではない。

 でも、嘘でもない。


 歩けるようになった。

 笑えるようになった。

 母にメッセージを送れるようになった。


 それは、元気の一部だと思う。


 しばらくして、スマホが震えた。


 母からだった。


『写真ありがとう。少し安心しました。身体を大事にしてね。よいお年を』


 短い返事だった。


 でも、彩佳はその文章を何度か読み返した。


 身体を大事にしてね。


 前なら、少し重く感じたかもしれない。

 今は、素直に受け取れた。


『うん。ありがとう』


 そう返して、スマホを枕元に置く。


 左耳の補聴器はケースの中にある。

 部屋は静かだった。


 遠くで、誰かが笑う声がする。

 食堂からだろうか。


 年が変わるまで、あと少し。


 彩佳は目を閉じた。


 今年は、終わる。


 でも、終わらないものもある。


 身体に残ったもの。

 会社の中で続いている試験。

 医務課の記録。

 茉莉の沈んだ顔。

 早苗の、何かを見抜こうとする目。


 全部が、次の年へ持ち越されていく。


     *


 一月一日。


 新しい年の朝は、思っていたより静かだった。


 寮の廊下には、いつもより人が少ない。


 帰省できない寮生たちは、互いに「あけましておめでとうございます」と言い合う。

 でも、その声にはどこか控えめな響きがあった。


 医務課は、元日でも動いている。


 投薬。

 観察。

 副作用対応。


 彩佳は寮の玄関で早苗と茉莉を待っていた。


 昨日の夜、あの後、初詣くらいは行こうと二人に声をかけていた。


 寮の玄関から、本社のビルを見る


 元日の朝日が、ガラスに反射している。

 建物は静かで、きれいだった。


 きれいすぎるくらいに。


 早苗と茉莉が少し遅れて玄関に来る。


「おはよ、今年もよろしく」


「よろしく」


「よろしくお願いします」


 彩佳は少し笑う。


「よし、じゃあ行こう」


「場所わかるの?」


 早苗がスマホを確認しながら言う


「うん、いつも行ってるスーパーの近くだよ」


 彩佳がそう言うと、早苗は地図アプリで場所を確認する


「あ、ホントだ、こんな何処に神社あったんだ…」


そこは寮から片道数百メートルのところにあり、往復してもいつもの散歩と変わらない距離にあった。 


「早苗、五日から仕事だね」


 会社の坂を下りながら早苗に話しかける


「言わないで」


「嫌なの?」


「嫌ではないけど、忙しいのが見えてる」


「茉莉ちゃんもいるし」


「それが一番心配」


 早苗はそう言って、少し離れてついてくる茉莉を見た。


 茉莉は上の空で、ぼんやりしている。

 

 「茉莉、五日からよろしくね」


 早苗はぼんやりしている茉莉に声をかけた。


 「は、はい、よろしくお願いします」


 茉莉は、早苗が言った事を理解しているのかよくわからない表情でそう答えた。


 彩佳もそれを見る。


「今日も元気ないね」


「うん」


「何か、言った方がいいかな」


「今はまだ」


 早苗の声は低かった。


「でも、見てる」


 彩佳は頷いた。


 それは、早苗らしい言葉だった。


     *


 一月三日。


 医務課の病床はまた埋まった。


 年末年始で通常業務が減っている分、部署の負担は一時的に軽くなっているはずだった。

 それでも、投薬対象者の副作用は休みに合わせてくれない。


 頭痛が続く社員。

 倦怠感で起き上がれない社員。

 動悸で不安を訴える社員。


 上原と清水は、年始の当番体制の中で対応に追われていた。


「年始からこれですか」


 清水が呟く。


「年始だから少ない、ということはないですからね」


 上原は端末へ入力しながら答える。


「むしろ、気が緩んで申告が遅れる人もいます」


「休み中だから我慢しよう、ですね」


「はい」


 清水はため息をついた。


「我慢しなくていいって、何回言えば伝わるんでしょうね」


「たぶん、会社全体がそういう言葉で動いてきたから」


 上原の声は静かだった。


「我慢、協力、貢献」


 清水は何も言わなかった。


 その言葉は、ラクトセラムの中でずっと使われてきた。

 悪い言葉ではない。

 むしろ、必要な言葉だった。


 でも、時々人を追い込む。


 上原はカルテ端末を閉じた。


「休み明けから、また通常業務も戻ります」


「さらに忙しくなりますね」


「ええ」


「資料の方は?」


 清水の声が少し低くなる。


 上原は周囲を確認し、短く答えた。


「紙は分けています。電子は最低限に」


「佐山さんの方へ?」


「一部は」


 清水は頷いた。


「ガイア側、最近は少し落ち着いてますけど」


「油断はできません」


「ですよね」


 二人はそれ以上話さなかった。


 廊下の向こうから、また看護補助の職員が呼ぶ声がした。


     *


 一月四日の夜。


 早苗は自室で仕事用のメモを整理していた。


 明日から復帰。

 久しぶりの経理。

 しかも、PLX大規模治験の真っ只中。


 通常の復帰ではないことは分かっている。


 机の上には、年末に野村から送られてきた簡単な業務整理メモがある。

 試験関連契約。

 納品確認。

 補償処理。

 医務課関連費用。

 ガイア側費用分担。


 その中に、茉莉の名前もあった。


 横田茉莉。

 経理補助。

 納品確認、契約書類整理、部署間連絡。


 早苗はその名前を見つめる。


 茉莉の様子がおかしい。


 それはもう、気のせいではない。


 ただ疲れているだけならいい。

 慣れない経理に戸惑っているだけならいい。


 でも、違う気がする。


 茉莉は何かを怖がっている。


 早苗はメモを閉じた。


 明日から近くで見ることになる。


 なら、見落とさない。


     *


 一月五日。


 朝。


 早苗は久しぶりに会社の制服へ袖を通した。


 ネイビーのブルゾン。

 経理・契約課の社員証。

 髪をまとめ、鏡を見る。


 少し顔色が悪い気がした。


「気のせい」


 自分に言い聞かせるように呟く。


 ドアを開けると、廊下に彩佳が立っていた。


「おはよう」


「おはよ」


 彩佳は少し心配そうに早苗を見る。


「復帰初日?」


「うん」


「無理しないでね」


「それ、私がいつも言うやつ」


「今日は私が言う」


 彩佳は少し得意そうに言った。


 早苗は小さく笑う。


「分かった」


「ほんとに?」


「たぶん」


「そこは自信持って」


「彩佳に言われるとは」


 二人は並んで寮を出た。


 朝の空気は冷たい。

 年が明けても、冬の鋭さは変わらない。


 本社へ向かう道で、彩佳はゆっくり歩いた。

 早苗はその速度に合わせる。


 途中で、彩佳が言った。


「今日は散歩じゃなくて出勤だね」


「私はね」


「私は医務課に診察」


「月曜だもんね」


「うん」


「終わったらちゃんと休むこと」


「早苗も」


「私は仕事」


「仕事でも」


 彩佳は少しだけ強く言った。


「無理しないでね」


 早苗は一瞬黙った。


 それから、短く答える。


「うん」


 その返事は、いつもより少しだけ素直だった。


 本社の入口が近づく。


 新しい年のラクトセラムが始まる。


 でも、それは何かが清算された始まりではなかった。


 去年から続いているものを抱えたまま、ただ日付だけが変わった朝だった。

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