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あれ?ドワーフって魔族だったっけ?  作者: 映基地
第五章 砂の大地

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大蛇。


「コージくぅ~ん♪ありがとぉ~っ♪」



ガバァッ!と音を立てて押し倒される浩二。

馬乗りで覆いかぶさり胸元で浩二の頭を力一杯抱き締めるミラルダ。



「むぐっ!むぐぅっ!?」


「やぁん♪そんなに動いちゃダメぇ♪」



頭を魔乳に挟まれ窒息しそうになりながら脱出しようと踠く浩二と、それが分かっていながら離さないミラルダ。

恐らく今の浩二を死に追いやる事が出来るのは彼女だけかも知れない。

まぁ、一部の男性においては幸せな死に様だろうが。



「はい!そこまでよっ!」



浩二のお礼という事で多少のスキンシップは目を瞑ろうとしていたソフィアがミラルダを浩二から引き剥がす。



「なによぉ~、もう少し良いじゃなぁいっ!」


「ダメよ!」



抱き付くくらいならまだしも、押し倒した挙句その豊満な胸で顔を挟むとか、明らかにやり過ぎである。



「はぁ、はぁ、助かった…」



幸せの中死にかけた浩二が空気を求め大きく息をする。


約束の装備を作って来たとミラルダに話した途端コレである。

まだ包すら開けていない。



「取り敢えず、見てみて下さい。」



呼吸を整えた浩二は、改めて布で包まれた装備をミラルダへと手渡す。



「コレは…鞭?」


「はい。ドレインウィップの『オロチ』です。」



包を受け取り布を取り払うとそこには一本の黒い鞭が納められていた。

見た目は黒革を編んだシンプルな鞭の様だが…そんな筈は無い。

作ったのは浩二なのだから。



「ドレインウィップって?」


「えーと打撃を与えたり、巻き付けた相手から生命力と精神力を奪う鞭です。鞭の根本にある魔核に奪った生命力と精神力を蓄えられるようになってます。」


「へぇ…」



ミラルダが持つ鞭の根本には、確かに妖しく輝く魔核が埋め込まれていた。



「それから、もう一つ機能があるんですが…その魔核に溜め込んた力をミラルダさんが直接吸い取る事も出来ますが、鞭に力を与える事で最大で8股まで鞭が増えます。」


「凄いわねぇ…でも、私はそんなに鞭は得意じゃないのよぉ…」



少し申し訳なさそうに笑うミラルダ。

せっかく浩二か自分の為に作ってくれた装備を十全に扱えない自分が歯痒いのだろう。

しかし、



「大丈夫ですよ。その鞭はある程度ミラルダさんの意思通り自由に動きますから。どちらかと言えば、鞭と言うよりバインドの魔法に近いですね。そう見えて『オロチ』はオリハルコン製ですから、そうそう巻き付けた相手に引き千切られたりしませんし。」


「この鞭…どう見ても黒革にしか見えないのに…オリハルコンなんだぁ?」


「そうなのよ…コージってオリハルコンを染色したり、糸のように細くして編み込んで布みたいにしたりするんだから…そんな加工出来るのコージ位よ。…それに、鞭をよく見てみなさい…びっしり魔道文字が刻んてあるから。」



ソフィアにそう言われ、改めてミラルダは鞭をよく観察する。

黒くて良く分からなかったが、目を凝らすと鞭の全体にびっしりと細かい魔道文字が刻まれていた。



「あー…俺自身、そうしようとして作った訳じゃないんで何とも言えないんだけど…完全にスキル任せだし。」


「そうだとしても、それが出来るのはコージだけよ。」



ソフィアにそう言われて照れ臭そうに頬をポリポリと掻く浩二。



「コージ君…ありがとう。大切にするね。」



本当に嬉しかったのだろう。

浩二に作って貰った『自分だけの』装備。

ミラルダは胸に『オロチ』をギュッと抱き締めながら、照れ笑いを浮かべる浩二に今迄見た事も無いような綺麗な笑顔を向けた。



「………」


「ん?どうしたのぉ?コージ君。」


「…いや、綺麗だなと…」



思わず見蕩れて声も出なかった浩二は、咄嗟に本音が漏れる。



「も、もぉ、コージ君ってばぁ…」



そんな浩二の言葉にいつもの調子が出ず、顔を真っ赤にして俯いてしまうミラルダ。



「むぅ…ほらっ!帰るわよ、コージ!」



二人の雰囲気が妙に気に入らないソフィアは、浩二の背を押し急かす。



「え?あぁ、分かったよ。それじゃミラルダさん、また。」


「ええ!?もう帰っちゃうのぉ!?」



ミラルダは物凄く残念そうに口にする。



「はい、領地の方が中途半端なんで…ある程度キリのいいところまで終わらせちゃいたいんです。」


「そっかぁ…なら、引き留められないかぁ…また、遊びに来てね?」


「はい、必ず。」



浩二は手を振るミラルダに手を振り返すと足元に作ったゲートへと飛び込んだ。



□■□■



浩二が訓練所に開いたゲートからソフィアと一緒に飛び降りてくると、そこには既に浩二の帰りを待っていたナオと…執事服を着た見たことが無い女性?が並んで立っていた。



「浩二っ!お帰りっ!」


「お待ちしておりました、マスター。」


「あぁ、ただいま…ってマスター…?…まさか…タロスか!?」



浩二が驚くのも無理は無い。

浩二が知るタロスとは細身のフルプレートアーマーにハーフヘルム姿なのだ。

しかし、今目の前にいるのは執事服に身を包み、綺麗な銀髪を短く揃え中性な顔立ちをした…どちらかと言えば『男装の令嬢』と言った方がしっくりと来る姿だったのだから。



「…その姿は…一体。」


「お気に召しませんでしたか?…ならば元の姿に…」


「いやいやいや、そうじゃない。どうやったのか、その過程を知りたいだけだよ。」



少し残念そうな表情をするタロスにも驚いたが、問題はそこじゃない。

鎧姿は?

ハーフヘルムは?

脱着可能には作ってはいない筈だが…



「はい、メイドの方達と一緒に仕事をする際、鎧姿では不便だったものですから少し姿を変えました。」


「…そんな事が出来たのか…」


「はい。ナオ様程ではありませんが、ミスリルも魔法親和性が高い鉱物ですから。ある程度は自由に変えられます。」


「浩二、知らなかったの?」


「…知らなかった…」



どうやら本当に知らなかった様だ。

きちんとスキル詳細には記されている筈だが。



「初めはメイド服を着用しようとしたのですが…メイドの方達から是非にと薦められまして。今迄ずっとこの姿で生活しておりました。」


「そうか…いや、良く似合ってるよタロス。」


「ありがとうこざいます…マスター。」



胸に手を当て軽くお辞儀をしながら、どこか嬉しそうにお礼をするタロス。

その姿も妙に様になっていた。

読んでいただきありがとうこざいます。

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