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ディストピア 女だけのタワー  作者: 赤城奈津子
18/20

タワー前夜5

男性にとって不快な内容が含まれている可能性があります。男性の方がこの小説を閲覧されて、気分を害されても、当方は一切責任を負いかねます。

本作品は純粋な空想科学小説です。フィクションであり、実在する人物団体名とは一切関係ありません。また本作品に描かれている科学技術のほとんどがフィクションであり、現実に可能になっているものではありません。将来可能になるかどうかは現在の時点では言及できるものではありませんが、いくつかは紹介、実用化してほしいと作者は切に願っております。


 通常料金と同じだったにも関わらず、バイオ電池はあっという間に僻地で普及した。バイオ電池の強みはメンテナンスに金がかからないということ。大規模な送電線はいらず、そのためにそれの保守点検も不要だ。自然災害による停電のリスクもない。それが会社のメリットであり、利用者のメリットは停電の危険性が格段に少なくなったことだ。

 僻地での停電の不安は、都市に住む人間には想像もできないほど大きい。一度送電線が断線した場合、復旧までにかなりの時間がかかる。限界集落が増えた今、それは電力会社の頭痛のタネになっていた。だから、赤城達の会社が僻地でバイオ電池を売り込んでも、既存の電力会社は見てみぬふりをしていた。集落のすべてがバイオ電池に切り替わったところから、既存の電力会社はゆるゆると送電線をたたんでいった。しかし、既存の電力会社は赤城達のバイオ電池を侮っていた。

 イスラム諸国でテロが日常化することで、徐々に原油の価格が高騰していった。電力会社の電気料金もそれに対応して値上げをせざるを得なかった。ほかの新規の電力会社も似たり寄ったりで、天然ガスやその他の化石エネルギーを消費する発電では、おのずとその価格に依存する。太陽光発電はいまだに採算が取れるほどの効率は得られず、どうしても割高になる。政府の交付金がなければ、事業として展開することなどできないほどだが、それも、頭打ちになる。一般に知られていないことだが、太陽光エネルギーは、簡単に蓄電できないという電気の性質のために、発電した電気をその同時刻に消費しなければならない。しかし、昼間にそれほどの需要がない場合、その電力は無駄になる。また夜間や、雨天の場合の電力は、天気に左右されない発電で補う必要があり、太陽光エネルギーは火力等の発電とセットでなければ効果がないのだ。そのために太陽光発電のシェアが増えている社会では、電気料金が割高で、庶民の経済を直撃している。

 巷で電気料金が高騰している中、バイオ電池はクロレラとその中のバクテリアの発電だから、天気にも社会情勢にも、そして資源の枯渇にも関係がない。赤城達のバイオ電池は、一般家庭にも利用者が増えだした。発売一年目で、多くの地域で虫食いのようにバイオ電池に切り替える家庭が増えていき、既存の電力会社は設備の維持管理の費用にすら経営が圧迫され、政府の援助で生きながらえる状況に陥った。インフラとしての電力は、小さな電池に取って代わられた。


稚拙な文章ですが閲覧していただきありがとうございます。なるたけ時間をおかずに続きを掲載したいと思います。次の掲載をぜひ閲覧のほど、お願い申し上げます。

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