表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不時着した零戦を改造して歴史を変える?不死の体を得た俺は第二次世界大戦を無双する。  作者: よみ はじめ
守護神誕生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/76

珊瑚海の幽霊

17話 珊瑚海の幽霊


珊瑚海の朝は静かだった。


空は高く、雲は少ない。


海面は太陽の光を反射し、どこまでも青く続いている。


だが、その青さの下では巨大な艦隊が互いを探していた。


日本海軍。


そして米海軍。


両者の間には、まだ目に見えない戦線が引かれている。


その上空。


零戦隊は南へ向かっていた。


片桐は編隊の中で周囲を警戒している。


「敵機の報告は」


『まだだ』


無線が返る。


隣には小野寺機が飛んでいた。


『片桐』


「なんだ」


『妙に静かだな』


「嫌な静かさだ」


小野寺は笑った。


『違いねえ』


その時だった。


『敵機発見!!』


無線が弾ける。


『上空二時方向!』


片桐が顔を上げた。


太陽の下から降ってくる影。


戦闘機。


急降下爆撃機。


数が多い。


「来たぞ!」


空が一瞬で戦場になる。


機銃。


曳光弾。


エンジン音。


零戦隊は一斉に散開した。


片桐は一機の米軍機の後ろへ付く。


照準。


発砲。


敵機が煙を引きながら落ちていく。


だが次の瞬間。


『片桐!後ろだ!!』


小野寺の叫び。


片桐は反射的に機体をひねる。


遅い。


敵戦闘機が背後へ付いていた。


照準が合う。


機銃が光る。


「しまっ――」


その瞬間だった。


銀色の機影が横から飛び込んできた。


一閃。


曳光弾が敵機を切り裂く。


米軍機は炎を吹きながら海へ落ちた。


片桐は息を呑む。


零戦。


一機の零戦だった。


所属標識はない。


編隊にも属していない。


それなのに。


「またか……」


思わず声が漏れた。


小野寺も見ていた。


『おい』


「見えた」


『あれ……』


「分かってる」


二人とも名前は言わなかった。


言えば何かが壊れそうだった。


だが、その零戦を見間違えるはずがない。


『三上……』


片桐が呟いた。


零戦は何事もなかったように次の敵へ向かっていく。


一機。


二機。


三機。


次々と米軍機が落ちる。


まるで空の流れを知っているかのようだった。


その頃。


慎一は敵編隊の外側を飛んでいた。


照準。


発砲。


一機撃墜。


そのまま反転。


さらに一機。


だが。


「ん?」


慎一は違和感を覚えた。


何かがおかしい。


敵の動きが妙に整っている。


偶然ではない。


誰かが作っている。


「京子」


無線を入れる。


『はい』


「嫌な感じがする」


数秒沈黙。


そして京子の声。


『私もです』


慎一は周囲を見た。


敵はいる。


だが。


何かが足りない。


そして。


何かが待っている。


その時だった。


高高度。


雲の縁から一機の戦闘機が降りてきた。


慎一の目が細くなる。


「なんだ、あれ」


見た事のない機体。


逆ガル翼。


大きなプロペラ。


重そうな胴体。


零戦でもない。


ワイルドキャットでもない。


ましてムスタングでもない。


その機体は真っ直ぐ慎一へ向かってきた。


同じ頃。


コルセアの風防の中で。


ハーパーも目標を捉えていた。


「いたな」


無線の向こうでサッチが言う。


『追うな』


「了解」


だがハーパーは少し笑った。


目の前にいる。


あれがPhantom Zero。


数多くの報告書を生んだ幽霊。


そして。


慎一もまた感じていた。


この機体は違う。


今までの相手とは。


何かが違う。


二機は急速に接近する。


空が狭くなる。


距離が消える。


零戦。


コルセア。


一瞬。


風防越しに。


互いの顔が見えた。


目が合う。


ほんの一瞬。


言葉はない。


名前も知らない。


だが。


二人とも理解した。


「お前か」


その瞬間。


コルセアの翼が閃いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ