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 白い高い壁。ところどころ金色の蔦のような装飾がアクセントに。

 天井は格子状に黒っぽい木が組んであり、格子中に花の絵が描いてある。

 じっと待っている間に気づいたのだけれど、一つ一つ全部違う花の絵だった。


「あんまり天井を見ていると、首を痛めるぞ」

 私の手をぎゅっと握ったユーリ。

「うん。でも、ユーリ。この天井の花、全部かわいい花で見ていて楽しいよ」

 遅れてユーリも天井を見る。

「うちのホテルの天井もこういうのもいいかもな……」


 まだ新しいホテルを作ろうとは思わないけれど、仕事にはもっと復帰しようと思ってる。

 だって、料理大会で調理人としての好奇心が抑えられなくなってきたんだよね。

 ルイージさんの網脂の焼き物なんて前世でもあったのに、私は思い付きもしなかった。

 うちのホテルでも出してみたい。

 それに、うちではベーコンも自家製のものを作ってるからメダリオンも用意できるかな~なんて思っていたら、作りたくなってきたんだよねぇ。

 まだまだ子供もできそうにない気がするし……。


 コンコン。

「はい」

 ユーリの返事に合わせ、豪華な扉が内側に開き、まずは上級女官が、次いで懐かしい人影が入ってきた。

 私たち二人は素早くソファーから立ち上がる。


 にっこりと笑ったアドリエンヌ様が前の席に座り、手で着席を促してきた。

「お久振りですね。どうぞお座りになって」


 ユーリはスッと座ったけれど、私は緊張もあってちょっとアタフタとしてしまった。

 クスっと笑ったアドリエンヌ様のお腹はもうかなり大きい。


「ご懐妊、まことにおめでたきことと存じます」

 ユーリがアドリエンヌ様の目をしっかりと見て言い、にっこりと笑った。

「ありがとう」

 頬を染めて目を伏せたアドリエンヌ様がとても可愛い。


「今日はお時間を頂き、ありがとうございます。今回の料理大会の報告に参りました」

 ユーリがこちらを向いて促してきた。


 アドリエンヌ様の方を向くと、ちゃんと彼女もこっちを見てくれる。

「先日は料理大会にお声を掛けていただき、ありがとうございました。おかげさまで出場することが叶いました。残念ながら、最後まで勝ち残ることはできませんでした。申し訳ございません」

 一気に報告してしまった。


「いいえ。惜しくも優勝は逃したけれど、優勝者との勝負には勝ったと聞いています。お気になさらず」

 おまけの試合を知っているということは、私のことを気にしてくれていたんだなぁ。

「はい。まだ修行が足りず、優勝を逃してしまったのは惜しくもありますが、優勝者が私どもの会社の料理長だったので、痛し痒しでして……」

「おほほほ。ええ、それも知っていましてよ。あややクラブで毎日ごちそうになっていたので、あなたの料理がおいしいことは知っていてよ」

「ありがとうございます。それもアドリエンヌ様のお茶のお陰でもあります」


 学生時代に毎日のように淹れてくれていたお茶を思い出したのだろう、笑みがさらに柔らかくなった。

「今回に懲りず、もし、次回同じような機会があれば、またご指名頂けたら嬉しいです」

「ええ。もちろん」


 上級女官がソファの後ろに立っていたのに、つつつっとアドリエンヌ様の横に来て、「そろそろお時間でございます」と退席を促した。


「あのぉ!」

 思わず大きな声が出てしまった。

 アドリエンヌ様と女官の肩がピクリと動いてしまった。

「あ、すみません。実は、先ほどご懐妊のお祝いをお持ちしました。お子様の性別がまだわかりませんので、男女用それぞれをお持ちしました」


 アドリエンヌ様はさっと女官の方を見た。

「申し訳ございません。お伝えし忘れました。お祝いを三つお持ちになっております」

 アドリエンヌ様がちょっと咎める視線を女官に向けたが、こっちに振り返った時にはまた優しい目に戻っていた。

「ありがとう」

「もったいないお言葉でございます。どちらも元あややクラブのみんなと協力して、作ったものでございます」

「まぁ……そうなのね」

 アドリエンヌ様の笑みが花が咲いたようにキラキラになった。


 王族へのお土産などは、直接渡すことは許されない。

 面会の前に、担当者に渡し、安全を確認した上で渡されるので、喜ぶ顔を見られると思っていなかったのに、このキラキラ笑顔を見れて良かった!


「あ、私とトラッツィーア家当主からは洋服をお贈りしております」

「まぁ、そうなの。ありがとう」


 短い会合だけれど、大きくなったお腹や色艶の良い肌を見て、本当にアドリエンヌ様はここで大事にされているんだと納得できた。

 ユーリを見ても、何のリアクションもなかったので、彼女の中でユーリのことは完全に終わったことなんだなぁという安心感。

 みんなで頑張って作ったお祝いを無事渡せたことでホッとした。


「じゃあ、そろそろ帰ろう」

 ソファから立って、手を差し伸べてくれるユーリ。

「ホットドッグ屋にもお礼を言いに行かないとだしね」

「ええ」

「それにしても鉄道パノラマ模型を見たらびっくりするだろうな」

「ふふふ。箱の大きさで1回は驚くに100ペリカ!」

「だな!」


 最後にこの豪奢な部屋をぐるりと見て、ユーリと先導のメイドについてお城の廊下を出口に向かって歩いた。

 いつも拙作をお読みくださり、ありがとうございます。


 先日、PCが故障してしまい、修理に出したところ、工場出荷状態で戻ってきました。

 仕事でも使っているPCで、大量のファイルやフォルダーが無事復活したか確認したり、故障時途中であった仕事を進めているところです。

 普段は数日前に原稿を書いて、何回か推敲をしてからアップしているのですが、今回はこんな事情もあり、慌てて、公表1日前に書き上げ、推敲も1回しかできておりません。

 気になるところがあれば、後日直すつもりです。

 また、今週仕事ができず溜まってしまった分もあるので、来週はお休みさせてください。

 再来週にはアップできるように頑張るつもりですが、無理な場合は活動報告の方でその旨お伝えします。

 PCがポシャルって本当に地獄を見ております。

 ご迷惑をお掛けしますが、これからもどうぞ拙作をよろしくお願い申し上げます。

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― 新着の感想 ―
うん?急な場面転換に・・・途中の話飛んだ・・・?
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