27.イーリアとリフィリーゼの話し合い
「これで……メルタリア・ジョセフィーングがイスランタの魔力を奪うことは無くなったんですよね?」
リフィリーゼの言葉に姿勢を整えたイーリアが頷いた。
「あぁ。今奪われた魔力は奪われたままだが、新たに供給される魔力はイスランタのものだ。あんたが正したんだよ、リフィリーゼ」
イーリアの言葉に決意を込めた瞳をしたリフィリーゼが悩むように口を開いた。
「……じゃあ、イスランタの魔力をこのまま奪い返すことは可能ですか?」
少しでも早くメルタリア・ジョセフィーングを弱体化したい、リフィリーゼの思いを読み取ったイーリアが力無く首を振った。
「いいや。それはあんたの仕事じゃないリフィリーゼ。イスランタの仕事だ。イスランタが自分の力でメルタリア・ジョセフィーングとの親子の縁を破壊しないといけない。……あんなのでもイスランタにとっては実の父親だ。リフィリーゼ、焦るあまり強要してはならないよ?」
イーリアの言葉にリフィリーゼは首を傾げた。実の父親なんて害しかないもの、さっさと縁を切った方がいいのに、と。リフィリーゼに伝わっていないことを見抜いたイーリアが悩んだように言った。
「……あんたは、ワイナーが悪人だったらどうする?」
「お師匠様が悪人なはずありません」
間髪入れずに即答するリフィリーゼに、イーリアが軽く頭を掻き、言った。
「例え話だよ。もしも、もしもだ。ワイナーが悪人だと聞かされたら、あんたはどう思う? リフィリーゼ」
「お師匠様が悪人なんてありえませんが……情報が間違っているんじゃないんですか?」
「信じられないだろう?」
イーリアの言葉にリフィリーゼは頷いた。
「あんたにとって親くらい情のある相手はワイナーだが、イスランタにとってメルタリア・ジョセフィーングは憎む相手でもありながら、それくらい尊敬できる相手ってことだよ……わかるかい? あんたのお師匠様があんたの敵になったみたいなもんだい」
イーリアの言葉にリフィリーゼは黙って考え込む。ワイナーが敵になる。身が裂かれそうで辛くて、そんなことになるくらいなら、自分もワイナーと共に戦いたい。
「……つまり、イスランタは私たちの敵になる可能性がある、ということですか?」
イスランタに杖を向けながら答えるリフィリーゼの答えに、イーリアは盛大なため息をついた。そして、コツコツと足音を立ててリフィリーゼの真横に立ち、拳でリフィリーゼの頭を思いっきり殴った。
「そうは言ってないだろう? あぁん? まったく、こういうことに関しての理解力は壊滅的だね、あんたは」
イーリアに殴られた頭を押さえながら、リフィリーゼはイーリアの言葉を待った。
「……あんたはワイナーを裏切らないんだろう? イスランタはそれくらいの気持ちを持ちながらも、自分と世界のために父親を裏切るんだよ。口では憎いと言いながらも、イスランタも心の奥では父親から認められたいって気持ちは捨てきれないはずだよ」
イーリアの言いたいことがなんとなく伝わったリフィリーゼが納得したように手を叩き、頷いた。
「葛藤ってやつですね?」
「あんたはまったく……本当にわかっているのかい? まぁいい。そういうことだから、リフィリーゼが強引にイスランタをメルタリア・ジョセフィーングと縁切りさせてはならないよ? イスランタに任せるんだ。いくら歯痒くとも、ワイナーならイスランタが葛藤する時間くらい耐えられる最強のお師匠なんだろ?」
イーリアの言葉にリフィリーゼは力強く頷いた。ずっとワイナーを心配していたが、イーリアに言われて納得した。ワイナーは最強だ。メルタリア・ジョセフィーングごときに負ける魔法使いじゃない。リフィリーゼに笑顔が戻ったのをみて、イーリアは微笑み、リフィリーゼの頭を優しく撫でた。
毎日投稿できませんでした!申し訳ございません!
花粉という名の兵器に半殺しにされておりました…(今もされてますが)




