新しい騎士団の創設
イザベラの事件の後、私とアルフレッド公の結婚に反対する貴族、あるいは、別の人と結婚させたい貴族が居ることが、問題視され、レジナルド王は、大臣達を集めて協議した結果、神の御子に関しての法律が一部、変更された。
神の御子と王族の婚姻は、法律に明記されていなかったけれど、明文化された。
また、その婚姻を取り消すことができるのは、神の御子のみ。
さらに、神の御子および神の御子の婚姻相手の意志に反した婚姻を強要することは、最大の不敬罪と認定する。
変更されたのは、法律だけではなく、神の御子専用の騎士団が新しく作られた。
隊員の募集をかけたところ、予想より多くの応募が殺到し、選抜の試合が開催される騒ぎになった。
「神の御子に仕える侍女だって、応募が殺到しましたもの。当然ですわね。」
と、レーテとドルチェが、笑っていたけれど、顔が引きつってしまう。私自身は、そんな大層な人間じゃないのに・・・と。
騎士の選抜は、ルーカス王子が直々に行い、30名が選抜された。
彼らは、交代で、24時間、私の周りに、張り付く。張り付かないのは、部屋の中だけ。騎士団の名称は、「竜乙女の騎士団」となった。
4竜を浄化するのが、神の御使いの力、というのを押し出した名称だそうだ。
エルダー国の一般の騎士団員は、鎧を着ていない時は、深緑色の騎士服に、所属する騎士団の腕章を着ける。
竜乙女の騎士団は、腕章が、黒地に金色で竜を刺繍したものになった。
廊下や庭に出れば、必ず、近くに、騎士がいる。
私が気にすることを心配して、アルフレッド公が、なるべく彼女の視界に入らない位置で守れ、と指示をしてくれたので、廊下など、隠れづらい場所はともかく、それ以外の場所では、意識して探さないと見つからない位置で守ってくれているけれど、四六時中見られている緊張で、気を抜けず、精神的に疲れる。
それでも、王宮内も絶対に安全でない以上、自分の身を守れない私には、仕方がないことだと、諦めるしかない。・・・魅了の力は使いたくないし、目かくしでもされたら、もうどうすることもできないのだから。
アルフレッド公は、自分の宮殿に、抜け道があったことに大いに怒り、庭師と、竜乙女の騎士団の騎士に命じて、ネズミ1匹通さぬように、植栽や柵などの見直しと、造り替えをさせた。
その上、レジナルド王が、赤の宮殿には容易に近づけないよう、衛兵を増員したため、赤の宮殿に入るのは、王が住まう王宮の奥に行くよりも、はるかに難しくなった・・・。
「蟻の這い出る隙間もないな。」
「でも、彼が、騎士団の・・・・・・になりましたから。」
「王宮の外に出れば、な?」
「ええ。隙が、必ずできます。」




