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貴族令嬢は冒険したい

隣国の魔法学園を首席卒業し、

見事に華々しく凱旋帰国した

クラリス・ヴェルハイム伯爵令嬢は

最近出来たと噂の最強ダンジョンに

興味津々であった。


「せっかく世界一と言われている

魔法学園を首席卒業したのよ!?

そんなこのワタクシに

どこぞの貴族と結婚して大人しく暮らせと?

......なんてつまらない人生!

冗談じゃありませんわ!!」


殿方との素敵な出逢いよりも

冒険に興味が全振りしているこのお嬢様は

両親を5年前の魔王との戦争で

亡くしているため、

実質このヴェルハイム家の当主である。


そのため、自分自身が強くなり

国を護るのだという使命感の元

魔法学園を首席卒業するという

快挙を成し遂げる。


まぎれもなく彼女は

努力と、天性の才能の持ち主であった。


そのやんちゃぷりには従者も

苦労をかけられるばかりであったが

このお嬢様は実際それを有言実行できるほどの

実力を持っている。


執事のモルガンとメイドのリゼは

亡き両親の想いを引き継ぎ

このお嬢様の親代わりにもなっていた。


「お嬢様〜お待ちください〜!」


勝手に一人でダンジョンへ向かおうとする

お嬢様を必死で止めにかかるメイドのリゼ。


「リゼ!止めても無駄でしてよ!」


「......わかりました!わかりましたから!」


執事のモルガンは元学者であり、

ダンジョンの生態についての

研究もおこなっていた経歴がある。

そのモルガンの提案。


「お嬢様。私の研究という名目で

ダンジョンの視察に向かうことにしましょう。

それなら貴族としての体裁も保てます。」


「......お嬢様!

なので私達お供いたしますので......!」


「ふん!最初からそう言えばよろしくてよ!」




無事にダンジョンへ

向かうことになった伯爵令嬢。


さらに


「クラリス様は相変わらずですな」


現れたのは屈強な兵士。


「まぁ!バッシュではありませんの!?」


「お久しぶりですクラリス様。

私もお供いたします。構いませんか?」


「もちろんよバッシュ!

しっかり私を護りなさい!」


バッシュもヴェルハイム家に

代々仕えてきた兵士。

クラリスが魔法学園に留学している間は

城の騎士団に所属していたが、

クラリスの帰国に合わせ、

またヴェルハイム家に戻ってきたのだ。


「またヴェルハイム家にお仕え

できることを誇りに思います」


この国の城が魔王に堕とされた時

最後の殿シンガリを務め、

数多の国民の命を救ったクラリスの両親

ヴェルハイム伯爵は今でも

この国の英雄として語り継がれる存在。


「ワタクシはお父様、お母様の意思を受け継ぎ、

必ずこの国を護れる人間になりますわ!」


「ええ、クラリス様。ぜひお供させてください」



こうして

クラリス・ヴェルハイム伯爵令嬢率いる

執事モルガン、メイドのリゼ、

護衛兵バッシュの4人は

最強と噂のダンジョンへ挑むことになる。






「なななんですの!?この可愛い受付娘は!」


「ようこそ♪ワンダーランドへ♪」


最強と噂のダンジョンの入口にいた

受付嬢に一瞬で心を奪われる伯爵令嬢。


「あなた!ワタクシの家で仕えなさい!

倍のお給料出しますわ!!」


「お断りしま〜す♪

とっとと入場料お支払いくださ〜い♪」


「話には聞いていましたが

ダンジョンに入るのに入場料が必要とは......?」

執事のモルガンも首をかしげる。


「【エミリアの冒険譚】によると

魔物の数は少ないらしいですな」

このダンジョンは魔物が少なく、

トラップ型のダンジョンであると

前情報は仕入れている護衛のバッシュ。


「しかし、この転移魔道具かなり

高度な魔法付与されていますね......?」

魔法使いでもあるメイドのリゼが

魔道具を興味深く見つめる。


そこへ


「すごいですわ!この魔道具!

貴女が魔法付与しているのでして!?

魔法学園の研究施設でもこれほどの転移魔道具は

見た事がありませんわ!?」


「そうですよ〜♪

このくらいの付与魔法は朝飯前です♪

へのへのカッパで〜す♪

あ、でも勧誘は受け付けませんよ〜♪」


ダンジョンの前に受付嬢と転移魔道具に

興味津々になってしまったクラリスだったが

キリがないのでなんとか諦めさせ、

ダンジョンへチャレンジすることに。


この可愛らしい受付嬢が

まさか自分の両親を亡き者にした

魔王軍の元大将であることは

絶対に知られてはいけない秘密......。

墓場まで持っていこうね......。



「それでは♪いってらっしゃいませ〜♪」


ニコニコと手を振る受付嬢にむけて

負けじとブンブン手を振る伯爵令嬢。


「......なんですの!このダンジョン?!

ワクワクが止まりませんわ......!!」


「クラリス様。油断しすぎです。

私が前に出ますゆえ。」


まったくもう、ここは俺に任せろと

言わんばかりに出た護衛バッシュだったが......


みごとに傾いた床に足を取られ

分かれ道に吸い込まれていった。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



トロッコのような形をした箱はバッシュを乗せ、

レールの上をキリキリと音を立て動き続け

バッシュは上空高く運ばれていく。


「ええええ!!!?バッシュ〜!!??」


メイドのリゼは風魔法を使い

バッシュを助けようとするが


バリバリ......!!

「はじかれた!?」

「魔法が床に付与されていますわ!」


瞬時に魔法で空を飛びバッシュの元まで

飛んで追いついたのはクラリス嬢。

箒に乗り空を飛ぶ魔女の如く。


「ひえええ!クラリス様〜!!」

「バッシュ!しっかりなさい!」


「魔法が付与されたトラップ床とは......」

興味津々に、メモを取る執事モルガン。


「モルガン!何をしてるの?!追いますよ!」


メイドのリゼに怒られてモルガンも

バッシュとクラリスを追いかける。


あんな高さから落ちたらひとたまりもない。

はるか上空にいるクラリスとバッシュ。


「バッシュ!ワタクシが魔法で飛びますわ!

お掴まりになって!」


飛んで逃げようとした二人を

床から出てきた棒と縄が拘束する。


「......!しまった!?

拘束具!?......掴まりましたわ!」


ほんとは動くと危ないから

体を固定する安全バーなのだが


観念した二人はこのままはるか上空から落とされ

叩きつけられる未来予測をする。


「ぎゃぁぁぁぁ!!」

落下しだした床に、耐えきれず

バッシュは主を置いて転移魔道具を使う。


ひゅんーーー


消えるバッシュ。

「あ!」


バッシュが、消えたおかげでスキマができたので

安全バーから逃れて空を飛んだクラリス嬢。


落下していく床を空から眺める。


「危ない...

いきなりなんてトラップですの...!?」


「お嬢様〜お待ちください〜!」


やっと追いついたリゼとモルガン。


開始即リタイヤした残念すぎるバッシュ......


「......ワクワクが止まりませんわ......!!」


このスリルに逆に武者震いして

興奮しだしたクラリス嬢......。


「ワタクシを置いて転移魔道具でリタイヤした

バッシュはほっといて先に進みますわよ!」






⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆




「何この貴族のお嬢様〜

めちゃくちゃ楽しんでくれてる〜♡」


「なんか、ルーね、このお嬢様に

めちゃくちゃ勧誘されたよ〜♪」


「まじ!?だめよ?

ルーちゃんはメグミのん!」


「うへへ〜♪ヤキモチ?ねえ?ヤキモチ?」


「うんうんヤキモチ〜♡

ルーちゃんはあげな〜い♡」



なんてイチャイチャしてるうちに

暗闇でベタベタの粘液まみれになった

お嬢様一行は無念のリタイヤ。


「あ、ダメか。

もうリタイヤしちゃった♪行ってくるね♪」


ルーちゃんはお見送りに向かう。






「おかえり〜♪」



「ベタベタ気持ち悪いですわ〜!ふえぇん......」


あえなく伯爵令嬢一行は

第1層でリタイヤしてしまったが......



「上等ですわ!見てなさい!

必ずリベンジしてやりますわ!

この程度でワタクシが諦めると思ったら

大間違いですことよ!おほほほ!」




リタイヤしたくせに

高笑いしながら帰って行った

このお嬢様一行は


この日以降


明日も明後日も

毎日このダンジョンに

チャレンジしに来る





"超常連様"になる......。








読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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