魅了する看板娘
ランダムで現れるワンダーランドの宝箱には
光魔法を付与した魔道具アイテム
通称【ポーション】を入れてある。
光魔法使いしかこの魔道具には
光魔法を付与できない。
単純に回復し、傷も治してしまう光魔法は
この世界では激レアスキルなのだ。
なのでこのポーションは市場価値が高い。
冒険者に必須でありながらかなりの高級品。
この世界の付加価値を学んだところ
このポーションをお宝にしてあげるのが
何より冒険者に、役立つ。
使うもよし、売るもよしの万能アイテムなのだ。
今日もワンダーランドは大盛況。
宝箱からポーションが出るという情報が
街中で流れたため、
さらに冒険者は殺到している。
ルーちゃんはすでに人気の受付嬢であり、
このダンジョンの看板娘として
冒険者からちやほやされていた。
「ルーちゃんこれ!差し入れです!」
隣国の人気ブランドのクッキー&クリーム
というお菓子を差し入れに持ってくる冒険者。
「わぁ♪ありがとうございます♪」
甘いものを摂取すると魔力が回復するらしく
魔法使いはみんな甘いモノが大好きらしい。
これはルーちゃんも普通に喜ぶ。
ちなみに私は人がダンジョンにたくさん来ると
魔力が回復するのでそもそもお腹も空かないし
ご飯もデザートも食べる必要はない。
......まぁ、でも食べるけどね?
え?何か問題でも?
「とゆうわけでダンジョン攻略のヒントを......」
「ダメで〜す♪何回も挑戦してクリアしてね♪」
「く〜......ダメか〜でも可愛いからいいや♡」
冒険者はダンジョンクリアにプラスして
あわよくばルーちゃんとも仲良くなりたい模様。
だめよ?私のルーちゃんはあげないんだからね?
第1層から第2層までに
宝箱ポーションを沢山置いてあげたので
クリアは出来なくてもポーションひとつゲット
できれば挑戦する価値は十分にある。
ひとつで充分な利益になるからだ。
メグミの狙い通り見事に
リピーター確保に繋がっている。
そしてついに......
【第2層クリアおめでとう♪
第3層はアスレチック・オン・ザ・マッスル!
魔法が制限される結界が張られていますよ♪
肉体を駆使してクリアを目指しましょう〜♪】
第2層を突破した冒険者が現れたのだ!
「うおお!!」
わああああ!!
クリアしたパーティは4人組の冒険者。
ランクは意外にもCランク。
そう、第2層までのクリアに
それほどの実力は必要ないのである。
しかし、第3層は魔法に制限をかけられた
アスレチックエリア。パルクールや
ボルダリングをイメージするといいだろう。
己の肉体を鍛え上げられたものだけが
クリア出来る、マッスルゾーンなのである!
たまたま高いところやお化けに
めっぽう強かったこの冒険者パーティは
そのままアスレチックエリアへ挑む。
ぐるぐると、足元で回転する円柱。
その上に乗ると円柱は回りだし、
バランスを崩すと落下してしまう。
上からぶら下がる鎖を掴んで
ぶら下がりながら渡る空中ブランコ。
落下してしまうと毒の沼が待ち受けている。
高くそびえ立つ壁。
少しずつある突起を掴んで登っていく。
横から槍が飛び出してくる浮遊石ゾーン。
これも落とされると落下した先には針の山。
メグミが一生懸命作った
このアスレチックエリアは
ルーちゃんが結界を張っているため、
魔法で飛んだりが出来ないので
肉体勝負というわけ。
初見でクリアはもはや無理ゲー。
あえなく落下した冒険者達。
全員転移魔法で帰還することになる。
「おかえり〜♪」
「ルーちゃん!なんだよあれ!
魔法が使えないなんて聞いてないぞ!?」
「そりゃ言ってないもん?
だって第3層に行ったのが
あなた達が初めてだもの〜♪
でもすごいですね♪
尊敬しちゃう〜♪」
「......え?そ、そう?
いやぁそれほどでも......うへへ」
ルーちゃんの悩殺魅了スマイルで
骨抜きにされて帰る冒険者たち。
「またのチャレンジをお待ちしてま〜す♪」
「は、はい!また来ます〜♡」
......罪な女だぜ......ルーちゃん。
「ダンジョンに来た人間に対して
常に可愛い笑顔で優しく接してあげる
そんな、ルーちゃんが私は好きだな♡」
私の発したこの一言でやる気を出した
ルーちゃんは完璧な受付嬢の接客を
するようになってしまった。
ルーちゃんの私に対する愛は
友達なのか、家族なのか、はたして......
......罪な女だぜ......私。
「メグミ〜♪」
おしりをフリフリしながら
私にくっついてくるルーちゃん。
あ......なるほど。うん。犬だわ。犬。
めっきり私に懐いてしまったルーちゃんとは
お仕事が終わると毎晩呑みに行くようになった。
今日はお姫様ファッションのルーちゃん。
ルーちゃんは衣装も含めて
自分の姿を変えれるので
私がイメージした姿を読み取り
その姿に変身できる。
子供の頃から王子様よりお姫様が好きだった私。
ルーちゃんは私好みの姿に自由自在に変化して
私を虜にしてくる。
魅了の仕方もちゃんとわかってやがるのです。
この子......魔王時代、人間の精神を攻撃する
相当嫌なBOSSだったんだろうな〜......。
「うんうん♪敵の心を読み取って、
そいつの好きな人の姿に擬態するの。
そしたら大体何もできなくなるのよね♪」
「わー!やっぱり!」
油断すると本気で私も
骨抜きにされかねないので
気をつけよう.....。
というわけで、ルーちゃんはまるで
映画のプリンセスの姿で私と街をデート。
もちろんダンジョンの受付嬢の時と
顔は変えてありますのでバレません。
でもこちらはこちらで街で有名になりつつある。
夜な夜な街で呑んだくれてる
謎のコスプレ美少女とその保護者みたいな人間。
......だれが保護者じゃ。
私のファン?そんなものいないよ?
ちなみに、私の姿は変えれない。
私が最初にイメージした自分の姿。顔と体。
それを具現化している。
服はもちろん変えれるけどね。
まぁ、そりゃ、他人の見た目まで変えだしたら
たしかにむちゃくちゃになるよね。
幻覚を見せる魔法はまた別物。
さて。
話はダンジョンの第3層アスレチックエリアの
次のエリア企画に。
「エステってなに?メグミ?」
「ふふふ。アスレチックエリアは
めちゃくちゃ体力使うので、
そんな第3層をクリアした人向けの
ボーナスゾーンです。」
「おお......?」
「大人はね......みんな
マッサージとエステが大好きなのよ!」
第4層はポーションにつづき、
人間たちをこのダンジョンの虜にするための
ご褒美ゾーンを計画!
男の子には本格的マッサージ。
女の子にはお肌ツルツルエステ。
用意したカプセル内に入るとベッドに横になれて
私の光魔法と私の体から出る魔物のスライム、
さらにルーちゃんの魔法をプラスして
他では決して味わうことの出来ない
極上のエステマッサージを味わえるエリア。
この異世界でエステ革命を起こしてやるぜ!
でも同時に第5層も作らないと
ゴールになっちゃうから
第5層も考えなきゃね。
レベルがあがり魔物をダンジョン内に
沢山出せるようになってきた私は
可愛いマスコット達のパレードを企画。
ジェットコースターやお化け屋敷で遊んで、
アスレチックエリアで運動して汗を流して、
エステでしっかりリフレッシュしてもらって
みんなで歌って踊る楽しいパレード♪
これは最高に楽しいダンジョンだね♪
さてさて
この最強のボーナスゾーンの
第4層エステは冒険者たちをみるみる虜にし、
さらに楽しいパレードのつもりの第5層は
恐怖の魔物の大発生スタンピードと呼ばれ
ますます最強のダンジョンの名が
世に知れ渡って行くことになるのだが
それはもう少しあとの話である。
読んでいただきありがとうございます!
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