全てを知るもの
「え!じゃぁ私やナミちゃんが日本人で
記憶持ちなのもわかってるんだ!?」
「はい......まぁ......ハンバーガーショップや
あのテーマパーク見れば気づきますデス......」
「すごい!ほんとに【全てを知る者】
なんて言ってるのもただの厨二病かと
思ったけど、ほんとに全部見えてるんだ!?」
「液体があるところなら
それに映るものは全てここで
映し出されているし、過去に映されたものも
全て検索して見ることができますデス......」
「マジで見た目通りの引きこもりの
ネット検索じゃん......
逆に液体のないところはわからない......
未来のこともわからないってわけね......」
「はいデス......ちょいちょい
ディスってきますね......」
「ねぇ!こちらの知りたい情報どこまで
教えてくれるの?
交換条件できる限り頑張るわ!」
「そうデスね......この国で取れないものなら......
セイレーン氏もこれまでは
1番近くのバーガーショップのある
国まで泳いで買いに行ってくれてますから......」
「私のアイテムボックスに入る限り
買って持ってきています......」
そう言ってセイレーン様はポテトとコーラを
自分のアイテムボックスから取り出した。
「なるほど......!」
まさかの深淵のアビスが
日本人の記憶持ちという衝撃の事実が発覚。
彼女が言うには記憶持ちという存在は
メグミ、ナミ、アビスの3人のみらしい。
「過去にはいたけどね。でもなぜか
記憶持ちが全員地球の日本人であるってのは
おそらくこういう異世界転生というジャンルに
日本人が知識として
強いということなんだと思いますデス。」
「ほうほう!面白い!ねえ!アビス!
もうずっと話をしていたいくらいだわ!」
「ブフwいきなりの告白草!」
「アビスも表に出てくればいいのに......!
......て、外に出るタイプじゃないのか.....」
「外に出るくらいなら死にますデス」
「大袈裟だな......私たちと一緒に
少しお仕事してみる気はない?」
「働いたら負けだと思っていますデス......」
「ご、ごめん悪かったわ......」
(協力頼めばいいじゃろ?)
(いや、この手の子は絶対表には出ないわ)
(そ、そうなのか......)
(......うん)
「まぁ質問はいいデスよ。
せっかくなのでわかること、
答えれる範囲では答えます」
「アビスありがとう!」
「つまりアビス様とメグミ様、ナミ様は
前世が同郷であると......?」
セイレーンが聞いてくる。
「そういうことデス」
「ほえー!」
というわけで
バーガー、ポテト、コーラを囲んでの
お茶会が始まった。
「早速本題ですが、スキルの譲渡という
ものについて先代勇者に技術を提供したと
聞いてまして、まずはそれが知りたいのです」
「えーと......なんだったかな?ちと調べるね」
何やら周りの水をぷにぷにいじっている。
検索してるのだろうか?
「あった。えとデスね。
魔法が使えればできる。
スキルてのは魂に宿るのね。んで
条件としては自分のスキルを自分以上に
有意義に使ってくれると心から思えたら
その相手に継承することができる。
先代勇者の時も奥さんは
マリベルが自分以上に聖女の器であること、
旦那の方もシンシアを自ら特訓して鍛えて
自分を超えたと認めて初めて
譲渡が、出来ているってわけ。」
「ふむ。なるほどなるほど......
特別な力がいるわけではないのね?」
「そだね。スキルの譲渡は思いの力。
スキルを譲渡するに相応しい相手だと
自分が思うこと。それのみデス」
「それならちょうどキキはメグミに
譲渡したがってるわけだから上手く行きそうね」
「そだね、ルーちゃんいけそう......!」
「ふむふむ。一件落着じゃな。」
「ねえ、せっかくなので色々他にも
聞いてもいいかな?」
「答えれる範囲ならOKデス」
「今回融合を使ってシンシアを助けようと
思ってるんだけど吸血鬼という魔物と
何かしらの精霊を融合してチャレンジを
しようと思ってるの」
「うんうん。
メグミの仮説はほぼ正解デスので
それで行けると思うよ。
その勇者候補の短命の件も不適合という
概念でほぼ正解デス。
ただ、過去に前例がないから
上手くいくかどうかはやってみないと
わかんないね。」
「おお!すごい!メグミの仮説はやっぱり
あたってたんだ!さすがメグミ〜♪」
「やったやった!」
「でもその融合に関して
気に入らないと動いたやつがいるのデス」
「え?」
「これ報告受けてないのデス?あんたら」
水に映し出されたのは
火山が噴火してワンダーリゾートを襲う映像。
「え!なにこれ!」
「昨日のことデス。教祖が来て、
炎の精霊マントルをぶっ飛ばして
おさめたみたいね。」
「ええ!教祖来たんだ!?」
(......お、もしかしてさっき聖地側の精霊使いが
吾輩になんか言おうとしてたのこれか?)
(あ、そうなんだ?)
(すまんのダンジョンマスター......
潜ってる最中で急がんのなら後にしろと
言うてしもたわい......)
(あはは。大丈夫よシュガーありがとね)
「......でもなんで炎の精霊が?」
「......このキキって子がしてた
動物×動物の融合に関してはまぁまだ
治療の領域として黙認されてる。
でも、それ以上の融合は
倫理的にダメだろうなというのは
メグミもわかってるわけデスよね?
まさにそれをマントルがやめろって言って
襲いかかってきたみたい。」
「自然の摂理に反すると?」
「うん。つまりは新しい生命の創造。
それは神の所業なわけよ。」
「......そうか......それはたしかに
向こうの言い分もわかるわね......」
「まぁ、シンシア1人くらいなら
いいんじゃない?
自分には何も言ってこないし?」
「ん?マントルは誰かに言われて動いたの?」
「うんうん。そこの聖獣さんは
よくわかってるんじゃないの?」
「な?吾輩が?......!まさか!」
「そうそう、自分ら四大精霊の生みの親。
そして、聖獣バステト。
あなたの本来の主でもある。」
「まさか、創造主......女神セレスティアか......」
「そゆこと。マントルにやめさせろって
指示したのは創造主だよ。」
「シュガーの主!?」
「うむ。吾輩そもそも神界からの
女神の使いじゃからの。」
「......え、ガチの神様降臨してんの?」
「ふむ。吾輩あとで確認しておくわ。」
スケールが......
「でも勇者候補召喚は黙認されていたのに?」
「そだね。それはさっきの
動物×動物を黙認してたのと同じ」
「......!え、待って?
勇者候補の召喚者てのは
人と何かが融合してるわけよね?
あれはのちに魔物化するってことは
人と魔物が融合してるんじゃないの?」
「ん?いや。ちがうぞ?
そもそも異世界の召喚転移には
触媒が必要だったでしょう?
人間を生贄にして
勇者候補召喚をしていた。
それを前の教会にやめろと怒ったのが
聖女マリベルと勇者達で、
結果、聖女革命が起こった。
つまりあれは......
触媒の生贄の人と異世界の人との融合。
人×人デス。」
「......ああ!そういうことか!!」
「......なるほど。それは納得の答えじゃな。」
「聖獣気づきなさいよ?」
「......う......す、すまん」
「動物×動物の姿も異形の者として
魔物みたいに見えてたわけで
人×人も魔物みたいになるわけデス。
過去では人と他種族の混血の魔女も
魔物扱いされてたわけだし」
「ぉお納得!」
「まぁ、融合のスキルというものの存在を
認識できたから
私達もその仮説に至ってるからね〜
それまではさっぱり糸口も掴めなかったのが
正直なところ」
「うんうん」
「いやしかし、深淵のアビス。
ただの引きこもりではないのね。
さすが【全てを知る者】と言われてるだけある」
「......ちょいちょいディスんなって」
「ありがとうアビス!お礼に
シュガーの転移で色々物資届けるわ!」
「な?ダンジョンマスター!勝手に決めるな!」
「まぁまぁ、いいじゃないのシュガー」
「あ、それなら......聖地のカフェの
パンケーキは魅力的デスな?グフフ......」
「全然お届けするわ!最低でも
セイレーン様にお届けできればいいわけよね?」
「そだね♪」
「よしよし、じゃあアビス最後にもうひとつ」
「なんデス?」
「アビスこの深淵から
出てこなくていいからさ?
この千里眼の映像機能を使って
リモートでワンダーランドの
第7層に、関与してみない?」
「第7層って新しい階層?
リモートならまぁ......
面白そうならいいデスけど......
何をつくるの?」
「うん♪私がやりたかった最後の階層が
まさに、あなたにうってつけなのよ!」
「自分に?」
「うんうん♪ぜひ協力してほしいわ。
絶対楽しい階層が作れると思う!」
わかるはずよ
元日本人の
アビスには。
この名前を伝えるだけで
きっと私が何がしたいか伝わるはず......!
ワンダーランド
ワンダーリゾートと来たら
次は
そう
その第7層の名前は
【ワンダーシー】
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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