海の仙人
メグミたちが遠征に出ていても
ワンダーリゾートの繁盛は変わらない。
連日大盛況。
聖女もほぼ常駐してくれているのもあり
教会信者と光魔法の加護を求めてくるもの。
逢える精霊のソルとアリアを見に来るもの。
最強のダンジョンに挑戦するもの。
第4層スライムカプセル目当てのもの。
カフェ・テラコッタにもファンが既にいる。
さらに、新しくできた
ギルド【精霊の息吹】
マスターのバーディー。
サブマスターのローランド。
広報のエミリア。
こちらのギルドにも入団希望者が殺到している。
新しい移住や商売の希望者も。
領主のクラリスも連日受付に大忙し。
リゼやモルガンも毎日走り回っている。
メグミロスに苦しんでいる暇はないのだ。
コレットのストレージに大量のポーションを
詰め込んで王都まで届けるのはアリア。
「コレットちゃん行っくよ〜☆」
「わがりましたっぺ〜!」
コレットを抱えて王都まで飛ぶアリア。
コレットのストレージは荷運びに大活躍。
今度また王都から大きな商業施設を
丸ごと運ぶ計画もあるみたい。
「ん?なんだろこの気配?」
「アリア様どうしたっぺ?」
「ん〜?わかんない気のせいかな?」
「そうだ、アリア様から頂いたピヨちゃんが
だいぶ大きくなったけろ。
このまま大きくなり続けてもいいもんですか?」
「おけまるー☆その子はイメージなので
コレットちゃんが思い描く姿になるよ☆
コレットちゃんが大きくなるイメージを
してるから大きく見えているだけなんだよ☆」
「ほへー!そうでしたかー!それなら
可愛いサイズをイメージしてみるっぺ〜!」
「色つけてデコって可愛くしちゃいな☆」
「わかっだけろ〜♪」
ワンダーリゾートは順調。
なはずだった......
そんな活気溢れるワンダーリゾートに迫る影。
そう......事件は突然起きた。
「ルー様。少し違和感が......」
「テラ。どうしたの?」
「ワンダーランドの隣にある山の
様子がおかしいのであります。」
「山は大地の精霊テラ担当では?」
「ええ。表面はそうなのですが......」
「表面......?」
「私のさらに、下といいますか......」
「......?」
その時
ゴゴゴ
ゴゴゴ......
「地震!?」
「ぁぁ。やはり......」
「テラ?」
「これはまずいかもです。
ルー様。
街に、緊急避難宣言を。
ワンダーランド内に避難がオススメです。」
「......え!結界張ってるのに!?」
「はい。これは結界では防げません......」
ドドン!!
大きな地響きと何かが爆発したような破裂音。
人で溢れているワンダーリゾートを
混乱に陥れるのに十分なその現象は......
「炎の精霊とはこの星の中心である
核そのもの。創造主はまず
この核を作り、星を形成。
その周りに大地、大海、大気を創られました。
これが四大精霊であります」
「ちょっとその辺が燃えてるなんていう
スケールじゃないわけね......」
「はい......ちょっと炎の精霊マントルが
ご機嫌ナナメなようであります。」
噴火だ〜!!!
山が噴火したぞ〜!!!
ドドドド......!!!
隣の山から吹き出すマグマ。
麓にはワンダーリゾート。
「なんてこと!!」
マリベルとルーちゃんAは街の住民に
ワンダーランドの4階層への避難を促す。
「クラリス様!
建物は一度捨てる覚悟を!
人命優先です!!」
「そ、そんな、私のワンダーリゾートが......」
「お嬢様〜!民の避難済みました!」
「あとは旅行者やゲストたちです!」
リゼとモルガンが走り回る。
「......!絶対に!1人も犠牲を出しては
なりません!私!クラリス・ヴェルハイムの名に
おいて!必ず全ての民を守ってみせますわ!」
ダンジョンに避難しろ〜!!
みんな街からダンジョンへ〜!!
じいちゃんばあちゃんズを
抱え走るバッシュ。
巫女カトリーナとローランド達が
教会やギルドの客を誘導する。
「ワンダーランドへ避難どすえ〜!」
ソルが今まで聞いた事のない大声で叫ぶ。
逃げ惑うワンダーリゾートの民たち。
「テラ!マントルの様子は!?」
「......聞く耳持ちませんね。
これは間違いなくルー様の力が半減している
ことをわかった上での襲撃であります」
「く......!炎の精霊マントル......!」
「火山とワンダーリゾートの間に
谷をつくります。
マグマが街に届かないように地形ごと変えます。
私は恐らくこのマグマを食い止めるので精一杯。
ルー様あとはお願いします!」
「テラ!たのむよ!」
「アースクエイク!」
ゴゴゴ......!!
「メグミが居ないこの時を狙ってくるとは
完全に敵意むき出しか......!」
マリベルがやってくる
「アーちゃんは!?」
「ちょうどコレットと
王都にポーション配達に出てる......
これも見越して仕掛けてきたか......!?」
「あぁ......空に火の鳥がたくさん......!!」
マジか......!
ワンダーリゾートへの襲撃......!!
メグミ無しで堪え切れるのか......!?
一方
水上都市に到着したメグミたち。
「ようこそ!勇者様!」
国をあげての歓迎の宴でもてなされて
美味しい魚介類に夢中になっていた。
「うんま!このカニうんま!」
むしゃぶりついているナミとキキ。
「ヒヒヒ......」
「ロブスター最高♡」
ガツガツもぐもぐ......!
みんな宴を楽しんでいるが
水上都市の王は今回の譲渡の話は
さっぱりわからないそうで......
「お力になれず申し訳ございません。
もしかして何かを知っているかもしれない者が
1人いますのでその者を紹介しましょう」
国の港のハズレに住んでいるという
この水上都市で1番博識な
海の仙人と呼ばれている人を紹介してもらった。
この国で唯一大海の精霊アビスの声
を聞いた事がある仙人とのこと。
「精霊使いの可能性があるね?
ぜひ会ってみよう♪」
さんざんもてなしてもらったあと
メグミたちは港のハズレへ。
「ルーでもアビスには干渉できてないからね」
「うまく取り次いでくれたりするかしら?」
「その仙人が譲渡知ってれば早いんだろけどね」
「うーむ......」
案内してくれた国の大臣さんとともに
海の仙人とやらを訪問。
大臣さんは港のはしっこで
何やらキョロキョロしている。
「どの家にいるの?」
「あ、いえ、家には居ないのです」
「......?」
なにか港でお仕事中なのかな?
「来られました!」
「......!」
その海の水面が揺れると
海中からその仙人は現れた。
「勇者一行ですか......たしか十年以上前にも
一度勇者の夫妻が私を尋ねて来ましたね」
海の仙人......
現れたその人は
上半身が人間の女性。
下半身が魚。
なんとも神秘的なその姿
この姿を
メグミとナミは知っている。
「に......人魚だ......」
「......マーメイド」
「こちらが海の仙人と呼ばれる
人と魚の混血の魔女
セイレーン様です」
「ようこそ勇者様。私に用とは何でしょうか?」
そうか
この世界では
人魚も
混血の魔女なのか......
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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