勇者を救え!
「と、都会のオシャレパンだっぺ〜!」
黒猫亭のバーガーを頬張りながら
感極まっているコレット。
コレットと共にいるのはコレットの村の
じいちゃんばあちゃんズとバッシュ。
体中ボロボロで心身ともに弱っていたこの
じいちゃんばあちゃんズは週一回使える
スライムカプセルにより
おかしいくらい元気になり
コレットと共にバーガーを楽しんでいる。
「わはは長生きするもんだっぺ〜
こんな美味いパンが食えるとはのう〜♪」
「バッシュ殿!ほれこの揚げた芋も食わんね!」
「わ、わかりました頂きますから
落ち着いてくださいみなさん......」
何故かじいちゃんばあちゃんズに
懐かれてしまったバッシュは
今では近衛兵長というこの街の
衛兵の長を任されている。
「はやぐ!コレットを嫁に貰わんね!」
「はわわ!ばあちゃん何を言うだ!?」
「なんね?うちのコレットはええ女けろ!?」
「ばあちゃんやめでけろ〜......!!」
「勘弁してください〜」
慌てふためくバッシュとコレットを
ニコニコしながら眺めているのはメグミ。
「メグミ〜......」
ルーちゃんがメグミを睨んでいる。
「ルーちゃんどうしたの〜」
「また女作ったわね......この女たらし!!」
「ヒヒヒ......」
メグミの腕にくっついているキキを見て
ぷんすかしているルーちゃん。
もはや毎度おなじみの光景となりつつある。
「まぁまぁ......そう言わないであげてよ〜」
「......むー!」
反対側の腕を掴んで離さないルーちゃん。
「遠慮しなさいよヒヒヒ女!」
「ヒヒヒ......メグミ様......好き」
メグミハーレムは本日も絶好調。
「精霊オフィシャルショップもやっと
落ち着いてきたかな〜」
行列がやっと落ち着いた
黒猫亭と精霊オフィシャルショップを見て
メグミが指示を出す。
「ルーちゃん、例のナミの件で会議をしたいので
マリベルとナミ、スカーレット、テラとソル、
キキとコレットを集めてくれる?」
「キキとコレットも?うんわかった〜♪
キキ?聞いたわね?このまま着いてきなさい」
「ヒヒヒ......ついてく......」
集められたみんな。
今日は勇者を救おう会議。
勇者候補が短命である件と
シンシアを救う件についての会議である。
「ねぇナミちゃん。
シュガーにも参加して欲しいのだけど......」
「ん?」
ナミの膝の上でゴロゴロ言っているシュガー。
知らんぷりをしているが......
ルーちゃんが詰めはじめる。
「ルーは知ってのとおり精霊使いです。
時空の精霊グラビティを使役しています。
グラビティの能力で転移魔法に加え脳内での
念波により喋らなくても会話ができます。
そしてそちらの聖獣は精霊グラビティの
上位互換にあたる神の使い。
ナミは意思疎通をしていますよね?」
「......」
「今回の会議は勇者候補と、
勇者シンシアさんを救う会議です。」
(......シュガー)
(吾輩も巻き添えか......まったく......)
(仕方ないよ観念して)
すると
シュガーの横に小学生くらいの
黒いゴスロリ服を着た女の子が現れた。
「吾輩が猫である。」
「いや可愛いな!こんな姿で会話してたのか!」
メグミはシュガーの念波モードの
女の子を見て大興奮する。
「はわわ〜これが聖獣様のお姿だっぺか!」
「ヒヒヒ......可愛い......」
スカーレットも見るのは初めてらしい。
「シュガーそんな姿になれたのか......」
「吾輩が人間と意思疎通するために
出している仮の姿じゃ。
幻影なので触れることなども何も出来ん。
ややこしいことはない。喋るだけじゃぞ」
「なるほど」
「よし、ではみなさんよろしくお願いします」
メグミが取り仕切る。
「まず、先に勇者シンシアさんの件について
解決策を提案します。
正直私が今立てている仮説が成功するならば
勇者候補が短命である件も
同じく解決に向かうと思っています。」
ガタガタ......!
「うそ!メグミさん本当ですか!!」
ナミが反応する。
「待ってナミちゃん。
まだ全然仮説の域。
これから確認を色々したいので
みなさんの意見を聞きたいのです。」
「は、はい......」
「ではまず、吸血鬼となったシンシアさん。
吸血鬼は日に当たると消滅してしまう。
問題なのはここですよね?
吸血鬼であることよりも
お日様の元を歩けないこと。」
「そ、そうですね」
「まず疑問だったのが大元であるアビゲイル様は
お日様の元を歩けるということ。」
「ふむふむ」
「つまり、吸血鬼はダメだけど、
人間の血が半分混じると太陽を克服している」
「そうなりますね」
「シンシアさんは1度
人間として死んでしまったところを
アビゲイル様の血で
吸血鬼として復活しています。
現状は人間との混血などではなく
純粋な吸血鬼として存在している。
恐らくシンシアさんが今後
人間との間に子供を作れば
その子供は混血の魔女としてお日様を
克服しているはずです。
ここまではOKですか?」
「大丈夫です。それはアビゲイル様も
そうおっしゃっていました。」
「では次に実験としてコレットちゃんの
アイテムボックスにある物を入れたいと
思います。ソルの妖刀です。」
「ソルの妖刀?」
「はい。ソルは無機物である刀に
夢朧という精霊が宿りそれが具現化した姿。」
刀はアイテムボックスに入る。
具現化した精霊であるソルはボックスには
入ることができない。
確認したいのは分断ができるかということ。
「なるほどです。ではソルの主であるメグミが
妖刀をコレットに譲渡してください。」
コレットは妖刀を手に取る。
スー......。
「妖刀入りましたっぺ!」
「どう?ソル。力は使えそう?」
「ああ。無理どすえ。刀と物理的に
隔離されたらうち動くのも大変どす......
このままではすぐ消滅してしまいそう......」
「ふむふむ。なるほど。やはり......。
つまりこれは刀に夢朧という精霊を
融合させているってことだと思うんでよね」
「なるほどであります。
たしかにメグミ様の言う通り。
その認識で合っていますね。」
テラが鑑定スキルで確認する。
「ヒヒヒ......刀と精霊の融合......?」
「そうです。キキは今まで動物同士しか
融合させていない。もちろん倫理に反するので
人間と動物などの融合は今までしていない。
しかし、キキの融合と同じことを
はるか昔にその呪いの村で刀にむけて
行った結果産まれたのがこの妖刀なわけです。
つまり仮説として
刀と精霊の融合が可能ならば
人間と精霊、魔物と精霊などの
融合というものが成り立つわけです」
「なるほどです......」
「OK。いいわ。コレット刀を返してあげて。」
「わかりましたっぺ!」
妖刀はソルの元へ戻った。
「で、今回私が確認したところ、
融合に関して動物同士の融合でも
かなりの不適合が出ていました。
おそらくキメラちゃん達は体の節々が
痛かったり、知能としても気性が荒かったり
不具合が沢山あったはずなのです。
私のスラカプで緩和が出来たことまでは
立証済みです」
「ヒヒヒ......ありがとうございます......」
「融合による不適合は光魔法により
多少なりとも状態異常緩和のカテゴリーで
対応ができたわけです。」
「ふむふむ」
「さて!というわけで、これにより
私がたてた仮説からの対策を発表します!」
ごくり......
「吸血鬼と精霊を融合させることにより
太陽を克服する。」
ざわざわ......!!
「まさか!そんなことが......!」
「なるほど、理屈としては可能じゃな」
シュガーも頷く。
「さらにもう一点の問題。
勇者候補が短命であることの原因。
これも融合による不適合の障害のひとつであり
勇者候補とは召喚転移の過程の中で
何かと何かが融合されてできた
存在なのではないか」
......!
「なるほど!
勇者候補とは融合により強化された存在で
その状態が長持ちできないのは
不適合によるものだと!」
「まだあくまで仮説です。
ただその可能性は極めて高いかと。」
「やるのうダンジョンマスター。
吾輩もヴィオラもアビゲイルでさえも
その仮説にはたどり着けておらんかった......
話を進める価値ありじゃ!」
「すごい!メグミ様!」
「これはすごい進歩だぞ!」
わーわー!
やんややんや♪
今まで解決の糸口すら見えなかった
勇者候補問題についにメスが入る。
メグミにより
奇跡は起こりえるのか......!
ーーー続くーーー
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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